「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの山登り:朝日連峰縦走(今年の夏山登山)…その1

2007年11月26日 | 泊まりがけの山登り
 私にとって、数日の小屋泊まりで行く山登りは、いつしかお盆の前、1年1回の年中行事になってしまいました。この年中行事化した夏の山登りをしなかった年が2回ありましたが、その2回とも、年末にひどいインフルエンザにかかり、正月はフウフウ言いながら寝込んでしまったのです。それ以来、「夏山をさぼると年末に大変な風邪を引く」…それが私のジンクスになってしまいました。

 無論そんなジンクスがなくても、数日の単独・小屋泊まりで行く夏山の楽しみは、私にとって格別であり、毎年2~3か月前からその準備に入ります。机上の登山計画も楽しいもので、様々な情報を集めながらその年の山行きの計画をたてます。

近年は、インターネットで情報を得ることができるので、大変便利になりました。画像も豊富で、ビジュアルに登山をシミュレーションできる反面、初めて登山する山でも相当の部分が映像で記憶されてしまっていることが、ちょっと新鮮味に欠けることにもなりかねません。登山の映像情報は、ほどほどが良いとも言えます。

 今年の夏山は、早くから朝日連峰と決め、情報を集め検討した結果、あまり人が入っていない小国口から登り、大朝日岳~竜門山~寒江山~以東岳と北上して、大鳥池を経由し泡滝ダムまで下るルートで、朝日連峰を縦走することにしました。しかし、この私の登山計画が、まさか今までに経験したことのない、とんでもない状況に自分を置く羽目になってしまうことを、その時どうして想像できたでしょう。反省もふまえ、まず朝日連峰縦走の初日を振り返ってみたいと思います。

 8月10日早朝、東京駅で山形行きのつばさに乗り、米沢で米坂線に乗り換え小国駅で下車しました。そこから、小国町営バスに乗って終点の「りふれ」という体験宿泊施設まで行きました。晴れていた天気も、山が近づくにつれ、雨が降り出し、下車する頃は雨足が強くなって、このまま雨が降り続くなら、この施設で停滞することを覚悟しました。しかし、30分ほどで天候は回復し、時折小雨がぱらつく舗装道路を、今日の目的地の角楢小屋に向かって出発しました。

 その日の行程は、りふれから3時間ほど歩いて大石橋まで行き、吊り橋を渡って1時間20分ほど樹林帯を行くと、目的地の角楢小屋です。実は、大石橋までは車が入り、小国駅からたぶん1万円ほどでタクシーを使うことができたのです。しかし、お昼頃に小国に到着し時間もたっぷりあるので、何もタクシーを使って行く必要はないと考え、林道歩き3時間の足慣らしを決め込んだのでした。

 舗装も終わる徳網という集落を過ぎたあたりから、虻が私のまわりを飛び回り始めました。初めは、数匹ほどでしたが、次第にその数を増し、ついには目の前の視界が黄昏れる様に薄暗くなるほど無数の虻が、私のまわりを同心円を描くように飛び回り始めました。タオルをぐるぐると回しながら歩いたのですが、タオルに打ち倒される虻は、ものの数に入らない状態です。虻の集団は、獲物を捕獲した興奮で狂喜し乱舞しているようでした。集団の羽音が、より集団の数を増やしているようでした。しかし全部が全部、私を攻撃してくるのではなく、戦闘的な虻がタオルのムチをかいくぐり襲ってくるのです。虫が多いと聞いていたので、初めて虫除けスプレーを持参したのですが、ほとんど効果はありません。おまけに頭の回りを今度は小さな黒いぶよが、回り続けます。間抜けでのろまなぶよは、やたら目に入ってきます。

 私は、ぶよが目に入らないように目を細め、タオルをぐるぐる回し、攻撃してきた虻を手ではたき、雨上がりの湿気がむっと立ちこめる小石の林道を、もう引き返そうかとも思いながら歩いたのでした。もう一度時間を巻き戻し、小国駅からタクシーで大石橋までいけたらと、何度思ったことでしょう。また、第二次世界大戦中、南方の戦線で、兵隊がこのような虫の攻撃にあったのだと聞いたことがありました。その人たちと比べたら、まだましだろうと自分を慰めながら、汗だくになりながらやっとの事で大石橋までたどり着きました。



 大石橋の吊り橋を渡ると、虻は数匹がまとわりつく程度で、ほとんどいなくなりました。しかし、樹林の中に入ると、湿度が100%あろうかと思われるほど湿気があり、体の汗は全く蒸発せずに、みるみるシャツもズボンもぐしょぐしょになっていきました。こんな経験も初めてでした。



 疲労困憊した末に、やっとの思いで管理人もいない小さな角楢小屋に到着しました。小屋には、1人の下山者がいました。このルートでは、その方が頂上までに出会った、ただ1人の登山者でした。濡れた衣服を着替え、その登山者との会話も早々に切り上げ、食事も取らず寝てしまいました。虻とぶよとの戦いに、心身ともに疲れ果てた一日でした。
次につづく。


朝日連峰縦走(今年の夏山登山)…その2

朝日連峰縦走(今年の夏山登山)…最終回





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