「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの国語・杉みき子「小さな町の風景」…その2

2007年11月24日 | 教育
 今週木曜日は、午前中に小学校の学習指導を3コマ行いました。小学5年1クラスと6年生2クラスで、杉みき子の「小さな町の風景」を題材に、物語文の読解指導です。今回が4回目で、物語読解指導の最終日でした。

 1回目に取り上げた短編は、ある少女が学校からの帰り道に、一枚の青い紙切れを拾ったことから物語が展開します。

 その紙切れには、地図が描かれていて、あくる日その少女はその青い地図を手に、探検の旅に出ます。地図上には、幾つかの青い丸印が付けられていて、少女はその丸印があじさいの咲いている場所であることを発見します。

 道順を示す矢印と、その青い丸印を手がかりに、次々と美しく咲いたあじさいを見つけ出していきます。少女は、最後の一番大きな青い丸印が示す場所にあるものを見たくて、苦労しながら山道に入り込んで、登り続けます。

 とうとう最後の青い丸印が示す場所にたどり着いたのですが、そこには期待していた最も美しいであろうあじさいは咲いていませんでした。

 少女はとても落胆するのですが、そこから遠く山々の彼方に、逆三角形に切れ込んだ「あじさい色の小さな海」を発見します。

 少女は、その遙か彼方に見えるあじさい色の海に、心奪われるほど感動するのでした。

 もし、この少女が「小さなあじさい色の海」に気が付かなかったら、または気が付いてもその美しさに心を動かされなかったら、なんとがっかりした一日になったことでしょう。その不満を述べている、夕飯時の少女の姿が思い浮かびます。

 この物語を読んで、私は小さな町のちょっとした風景の中にも、人を感動させるものがある。なにもあえて、有名な風光明媚な観光地に行かなくとも、私たちの身の回りにいくらでも人を感動させる美しいものはあるのだと。…そんなことを感じるとともに、そうした美しさを発見し、「美しいものを美しいと感動する感受性」の大切さを考えさせられました。

 授業の中では、無論物語文の読解に必要なポイントを説明しましたが、私が最も生徒に強調したことは、そうした「美に対する感性」が、いかに人生を豊かにするかと言うことでした。




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