聴覚障害者制度改革推進中央本部ブログ

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(2010年4月16日付で、名称を変更いたしました)

■10/11 参議院厚生労働委員会記録(その2)

2005年10月11日 | 【速報】10/11参議院厚生労働委員会
尾辻大臣 皆で助け合うことについては、お互いに考え方は変わりない。お金は天から降ってくるわけではないので、限られたお金をどう使うか私どもで判断し提案している。障害者に迷惑をかける事態は絶対に避けなければならない。精一杯努力してお願いしている。25,000円が少なすぎるという議論はあろうと思う。ただ、再三申し上げているように、家計調査からの私どもの判断です。今後、障害者の所得保障の議論もしていかなければならいと思っている。

家西(民主党) できるだけ負担は軽減してほしい。身体が不自由な分、インターネットなどで情報収集するのは当り前のはなし。それを抑制しなければならないようにしないでほしい。
次の質問ですが、あるHIV感染者から施設入居を拒否されたと相談された。未だに不当な差別がある。C型肝炎で断られることもある。不当な差別を無くす手立ては?

尾辻大臣 仰せのとおり。かねてより偏見・差別があってはならないと申し上げている通り。社会全体でやっていかなければならない。

家西(民主党) 今申し上げたのは1事例。施設に入る場合、C型肝炎を理由に拒否されるという現実の話がある。血友病HIVに感染し、C型肝炎もあり、出産時の頭蓋内障害で知的障害になるなど5重の障害を負っている。行くところも無くどうしたらよいのか。今まで「あってはならない。してはならない。改善の手立てを考える」というが、現実は違う。結局、親は自分たちが亡き後と考えると「先に子供が亡くなってくれれば・・」と言う。国の対策が講じられていないからではないか?

中村社会援護局長 特養でもそういう事例があるという話だが、施設設置基準でもそういうことがあってはならないことになっている。十分行き届いていないことがあったので、先日の課長会議でも申し上げている。違反の場合は指定の取消もありうる。障害者自立支援法でも指定基準では、施設は正当な理由なくサービスの拒否をしてはならないことを、しっかりやっていきたい。

家西(民主党) 法案が通ればこれは契約になるのだから、絶対にそんなことがあってはならない。
グランドデザインについて。社会保障審議会障害者部会でまとまったのは昨年の10月。障害者自立支援法が上程される4ヶ月前のこと。十分なデータ収集がされていないままだった。この制度設計が年金と同じようなことをやっているようにしか思えない。多くを政省令に委ねることになっているのも、立法府を軽んじている。7月の本会議で平田議員(民主党)の質問に対し、総理が答弁されていることについて。総理は「障害者も参加した審議会で20回の論議をし、障害者・関係者への500回の説明をして十分に意見を聞いている」と言っている。ならば障害者から、この国会の審議の段階でこれほどの反対があるはずがない。本当に500回の説明会を行なったのか?

中村社会援護局長 総理が、社会保障審議会障害者部会や関係者への説明が500回あったと言ったのは確か。平成16年度の会議や市町村の会議での行政説明などの回数をカウントした。挨拶だけの場合は除外しているはず。

家西(民主党) 7月29日の行政説明では499回となっているので、約500回ということだろうが、平成16年になっている。グランドデザインができてからの法案説明ではないのか?後日、昨年10月から7月までの資料を出し、そこでは430回足らずになっている。内容は説明会や意見交換会ではない。シンポジウムなども複数説明に行っている。そんなに行っているのか。慌てて作った資料ではないのか?実際に出席した者に聞くと、説明ではなかったと。ならば総理の答弁は誇大広告ではないのか?これを基に話したのであればとんでもない。同じ日に複数の人が行ったことになっており、ダブってカウントされている。しかも昨年の2月以前。最初は500回にあわせて499回にしている。さっきは挨拶程度ではないと言われたが、「今日は質疑を受ける場ではない」と言って去ったと出席者が言っている。

中村局長 当事者が参加した20回の審議会で審議している。障害者部会は平成17年1月までに24回開催している。グランドデザイン策定までは15回開催している。それも含めて立案過程と受けとめている。他に意見交換会など、延べ500回。総理はグランドデザインから法案説明までを含めている。ある会合では、1日目に基調講演で2日めに分科会をする場合がある。どちらの分科会にも出席を求められるので、複数名が行っている。それを計算したのがお手持ちの資料。ほかに職員がボランティアで行っているものは外している。

家西(民主党) 今、説明を受けたが、この資料について、おかしい部分の指摘をすると、再提出ということでどんどん資料が変更されてくる。ではなぜ最初に正しい数字を出さないのか?課長クラスの出張の繰り返されており、通常国会の期間中に並行して課長クラスがこんなに出張している。おかしいではないか。また、当事者団体に話を聞くと、法案の説明ではなく、「この度自立支援法を考えている」とだけ言われ、具体的な説明は受けていないという。時間数を見れば、郵政の問題と同じかそれ以上に審議をしているはずなのに、なぜ当事者から「説明を受けていない」と言われるのか。
中村社会援護局長 このリストは、総理の発言に出ている「500回の説明会」の根拠資料として出した。我々としては、行政説明やグランドデザインの説明であり、その時その時の最新状況を説明したつもりであるが、当事者からの声は、説明の回数と説明を受けた側の評価は違うということだと思う。我々としては説明をした以上、内容についての賛否は別として、その目標の達成になっていなかったということについては、今後気をつけたい。

家西(民主党) 説明が相手に通じたかどうかの、相手のとり方の問題だというが、では何のために説明会に行っているのか?相手の理解の受取り方というのはおかしいではないか。資料を大臣に見ていただきたいが…(速記中断)資料を良く見ていただければ分かると思うが、同じ団体でも日付や場所を変えて行っている。しかも課長・補佐官の出張が続いている。これは本当なのか。計算をしていても重複を除いていくと、実際は400時間にも満たないのではないか。また、先ほどの局長の答弁もおかしい。説明をしたなら、理解を求めなければならないし、一方通行は説明ではない。法案立案については説明責任があるはず。

中村社会援護局長 先ほどの説明だが、相手の取り方の問題だと言ったわけではない。私共は、業務として説明を行っており、その説明会の数え方についても委員より厳しい指摘を受けているが、業務としてその時の最新の情報を説明する立場で出ている。しかし委員からも出されたとおり、実際に出た人からは「説明を受けていない」という指摘を受けている。つまり、説明者としての目的を達成していないことについて、これから説明会に出て行く人間として、もっと注意をしたいということで答弁した。
また、16年度のリストについては、私もチェックをした。同一行事に二人出ている場合は、私もチェックをしているし、数え方には捉え方が色々あると思うが、400時間を下らないはず。説明会のカウントの仕方がおかしいという指摘もあるが、理解をいただきたい。

家西(民主党)では、再提出した資料にも不備があったことを認めるか。

中村社会援護局長 同じような意味での問題点はあると思う。

家西(民主党) それは、この資料を再検証した場合はまた資料が変わる、ということですね。そうすると総理は嘘の答弁をしたということになるのではないか。

中村社会援護局長 カウントの考え方については方法が違うが、総理の答弁が間違っていたとは思わない。500回に上る説明をしていたが、私共が考えるほど、当事者に理解をされていなかったということが問題だと思う。その目標達成度が足りないということは反省する必要。

家西(民主党) この答弁では納得できない。趣旨説明で500回に及ぶと総理が説明していながら、しかし資料が再提出され、その資料の中でも不備がどんどん出てくる。やり直しではないか。

中村社会援護局長 総理の答弁は16年度において500回ということだが、総理の答弁の元になった資料とは別という理解をして欲しい。審議会の回数や障害者の方々への説明についても、グランドデザインの説明からカウントしている。本会議で説明したことについては、間違いがない。問題は、聞いた方がそういう受け止め方をしていない、ということであり、論点の整理をお願いしたい。

家西(民主党) 16年度というが、再提出資料には17年度も含まれている。更に、今の説明からすると、グランドデザイン以前から応益負担を求めていたということなのか。この資料で言う16年度とはいつからいつまでなのか。

中村局長 16年度で500回。16年度いっぱい(平成16年4月1日~平成17年3月31日)を指している。

尾辻大臣 今の部分だけで申し上げると、資料の1は平成16年度(最初の会議は平成16年4月5日~最後の会議は平成17年3月28日)と思う。再提出となっている資料は16年10月から17年7月となっている。会議は平成16年10月1日~平成17年7月30日となっている。つまり取り出した部分が違うということは分かる。

家西(民主党) もう少ししっかり答弁して欲しい。

中村社会援護局長 委員の指摘は総理の回答した500回というのはどこが根拠か、ということ。それは平成16年4月5日から17年3月28日までの会合のリストであり、再提出の資料は、直近までの活動資料として出している。総理の回答は16年度のものとして間違いない。

尾辻大臣 局長の答弁通り。

家西(民主党) 最後の資料をみていただきたい。不明が何箇所かある。古いほど正確に書いてある。普通、若いほど記憶があるはず。本会議での答弁は500回に及ぶとはっきり言った。おかしい。私がグランドデザインでてからでは?と指摘してから慌てて作り直した。本会議を受けてから。500回という説明を受けたのですごいなあと思って、それはどういうものか教えてということで資料要求した。すると、今させています、精査しています、と。普通は終わってから本会議に資料を出すのでは? それをみてからおかしいのでは? といったら3、4日後に慌てて出される、そういった時間の関係がおかしい

中村社会援護局長 再三申し上げているように総理の答弁は、審議会にしてもグランドデザインで15回(?)。一連の答弁で16年度における説明会の回数。問題はない。グランドデザインを出した後の説明回数は後ほど提出した資料になると思うが前の資料が間違っていたということではなく対象範囲が違い、グランドデザイン以降何を主として考えるかの。総理の答弁は立案過程から。自立支援法案はグランドデザインを踏まえて作っている。グランドデザインは障害者福祉制度のあり方を議論しているもの。16年度の実績は16年度の答弁として問題ない。500回という回数はさることながら、答弁が実のあるものかどうかは問われなくてはならない。実際に審議会に行かれた方がそう思われているということ、満足度が足りなかったということは反省している。

家西(民主党) 間違いない、ということですよね。確認いただきたい。

中村社会援護局長 16年度の実績として出したものは期間が違う。それは確認させていただいた。

家西(民主党) もう時間がなくなった。両方をきっちり精査したものを出してほしい。どちらが正しいのか。大きな転換点。障害者福祉は今、大きく舵をとろうとしている。しっかりしたものだしてほしい。

議長 理事会で協議をしてこの扱いについて検討したい(ここは聞き取れませんでした)

家西(民主党) 私は19問質問を用意した、残りの問題がすごくある。限られた時間。転換点、大きく舵をとろうとしている。充分な説明が果たされるよう。当事者意見が審議会等任せではなく。早めには今後の施策について当事者が参画できる体制を。そうでないと今回のような混乱がずっと生じる。最後に、障害者の差別禁止法を作るべき時にきていると思う。今回のような個別法案をやっていくのではなく、基本的な部分をやっていかなければ。アメリカのADA法の日本版、障害者が雇用や生活の諸問題に関して・・・・。ぜひとも審議の場には必ず当事者を。そして説明責任を果たしてほしい。

尾辻大臣 話の冒頭にもあったように、今は障害者施策の大きな転換点で、そうしたいと思いこの法案をだしている。これについては法案だけでなく、3年後の見直しも引き続きお願いしたい。障害者が差別されることなく、あらゆる分野の生活・・・・実現は重要。基本法でも理念として述べている。その上で差別禁止法の制定については、今後充分な議論をいただきたいと考えている

家西(民主党)19質問用意して6問しかできない。次回に回したい。

辻(民主党) まず、この法案についての民主党の基本的な考え方を述べたい。先の通常国会で修正要求した。民主党としては障害者が差別を感じることなく自己選択、自己決定に基づき・・・・構築する社会をめざすという理念。生活維持、自立と社会参加、そういう観点で見ると反対せざるをえない。6月に修正項目としていってきたことは、定率負担のこと、所得保障。移動保障。地域生活での移動保障の堅持。自立支援医療の凍結。療護の範囲、自己負担。本人意見聴取。障害者の求めがある場合には・・・いくつかの修正ポイントを。現時点で対案を作っているところ。考え方の基本は障害者の自立と社会保障・・・・国の責任を。障害者の声をききながら包括的障害者・・・所得保障が充分でない現状で応益負担は許されない。重度障害者での地域で自立。福祉サービスの一元化・・・。参議院の審議では時間的なことがあり無理だった。審議を充分つくさなくてはという立場。もし参議院で通った場合には、衆議院では必ず対案をだして議論したい。方針を明らかにして議論したい。国会答弁。これは先ほど指摘、答弁のあったところ。大臣、今回の政府案は時期だけが修正され、それ以外は修正はないということでいいのか? 付帯決議は尊重するというのはかわらないのか? 

尾辻大臣 通常国会における審議の答弁や説明の内容は、今回修正を行なった施行日に関わるもの以外は継承。付帯決議は今回の法案に対する主旨を充分尊重して施行にあたりたい。

辻(民主党) 不思議に思うのは、前国会の時は障害福祉部長が弁明していた。今国会は社会援護局長がいるが、前回は答弁していない。在籍もしていない。なぜ本国会では代わったのか。

尾辻大臣 国会答弁はできるだけ丁寧に、一番応対するに相応しい、状況のわかっている者が答えるようにしている。ただ答弁に立てるものの数と、範囲の中で丁寧にできるものにさせようと考えている。わかっているといっても課長補佐が答えるわけにはいかない。前国会では、部長が、最初からこの法案いわば作り上げてきた責任者の1人だったので答弁回数が多かった。部長答弁が多かったのはそのため。

辻(民主党) 多かったのはいいが、なぜ局長が一緒にいなかったのかということ。障害保健福祉部を総括的にみる局長がいる中で、部長が答弁すべきでは。障害児については担当局長が答弁している。障害者施策については、言い方は悪いが部長は局長より一段下の人。貫徹されていない。軽視している表れでは。前国会では局長答弁が全然ない。歴史的にみても障害福祉関連で局長が答弁した例は非常に少ない。内部的にいろいろあるのかもしれないがおかしいと思っている。今国会でやったからそれでいいのでなく、局長が答えるべき、もしくは局長が在籍する中で部長が答えるべき。少なくとも今後は局長が責任ある位置づけを担うべきは。

尾辻大臣 部長の答弁が多かったというのは私の印象。局長答弁が一回もなかったということであればそれはあらたえめて訂正したい。その上で局長答弁がないから法案を軽視したと、国会に対して軽視したということではない。事情がわかっているものが丁寧にお答えすべきでやっただけ。局長が出るべきということなら、今後必ず出ることは約束する。

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