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技能実習生制度廃止を歓迎する

2023年04月11日 07時37分53秒 | ワークシェアリング・労働
「現代の奴隷制度」とも言われる、日本の恥ずべき制度が
なくなる方向がやっと示されたというのは大賛成です。

「技能実習制度を廃止 新制度へ移行を」政府の有識者会議
2023年4月10日 18時40分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230410/k10014033941000.html

技能実習生制度に群がって、人身売買のようなことで儲けて
きた人達は反対するでしょう。しかし、日本に渡航するために多額の
借金をして、借金返済のために自由に行動することさえ制限され
るような人権侵害甚だしい状況を許していいはずがありません。

まして、経営者による暴力行為があるというのはとんでもないこと
です。

自分達の労働については「ブラックはけしからん」と言っていながら、
外国人労働者の現実を見て見ぬふりをしてきた私達自身、反省すべき
ことだと思います。

実習生制度経験者や出身国の親族が日本に対して良い印象を持つど
ころか、日本に対して恨みを持つような状況を作っているということ
は、日本社会の「利益」という点からも大いにマイナスです。

一方で、農家や中小企業などで人手不足に直面したり、生産物の価格
が低くて低賃金労働を望む経営者が、「奴隷制」に近い実習生制度に
依存しなくてはいけなかった経済の状況も問題だったわけです。

本来、人手不足なら賃金を上昇させて、その分、価格が上がっても
仕方ないところを、実習生制度の低賃金に依存して安い価格で抑えて
きたのです。それによって消費者も恩恵を享受してきたのも事実です。

社会にとって、市場機構では対応できないようなモノやサービスなら、
それは補助金などの公的な経済政策によって補完されるべきもので、
決して「奴隷制度」的なものによって維持されるものであっては
ならないのです。

また、産業のスクラップ&ビルトに備えた、ベーシックインカムなどの
制度の整備なども併せて考えていく必要があるでしょう。

今後、実習生制度の廃止によって、外国人労働者を食い物にする新しい
仕掛けを考える人たちも出てくるかもしれません。日本人、外国人を
分け隔てることなく、労働者の権利保護を行う行政や民間での監視が
必要だと思います。

本ブログで10年前から主張していることがやっと実現するという
のは、喜ばしいという気持ちより、むしろ、気づいていながら、何も
行動・実現できなかったことを反省せねばらないという気持ちです。


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