サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

自らの知的財産の可能性を探す > 自らのキャリアの棚卸し 

2017年02月12日 07時24分41秒 | キャリア開発
「日本の強みは現場力」という言葉があります。或はありました。

現場力の定義については、今さら述べるまでもないと思います。「勤勉でコツコツと仕事に取り組み、チームとして結束力を構築して改善を重ね、高い品質を確立すること」で、ほぼよいかと思います。

ビジネスの方向性。このビジネスの方向性が正しく、業績が上昇していれば、この現場力も威力を発揮するのですが、ビジネスの方向性を見失いかけた時、現場力も陰りが見えていくような気がしています。

要するに、「改善して、品質を上げて、コストを下げても儲からない」事が常態化している場合。

このとき、会社として、事業として、新たなビジネスの方向性が見つかったとします。しかし、恐れているのは、そのビジネスの方向性に対して、現場力が適合するものかどうかです。
例が極端すぎますが、機械の会社が化学のビジネスに転換したいとします。これは、社員の配置転換では対応できないことがございます。そもそも、専門分野が違いすぎるから。

日本の会社は、今まさにここに突き当たっているのは承知のとおりであり、人の育成の限界を感じます。製品と技術が1対1で対応しているところで育った人にとって、他の分野を探すのはかなりむずかしい。

自らの知的財産の可能性を探す。これは、単なるキャリアの棚卸しではありません。
自分でキャリアの棚卸をしても、着地点は身近なところしかイメージできないのが通常のパターンです。

キャリアコンサルタントが、知的財産に精通していないと、クライアントとよい対話はできないと思います。
それをいうと、キャリアコンサルタントは、「そういう第一歩を踏み出すように、自己決定できる方向に導くものであって、クライアントに指導することではない」というご指摘がになるかと思いますが、キャリアコンサルタントも着地点を変えてもいいのではないでしょうか。

「貴方の強みは何ですか」といっても、ビジネス構造が変われば、その「強み」のために、自らの方向性を間違えてしまうものです。



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