3月25日(日)午後1時から、長野県大桑村野尻地区館にて「チェルノブイリ・ハート」の上映会が行なわれます。Twitterでこのことを発信した関係で、「チェルノブイリ・ハート」を早速、鑑賞してみました。
この映画は、1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故後に、周辺地域で住民、とりわけ子どもたちにどのような健康被害が生じているのかを追ったドキュメンタリーです。2006年に国連総会でも放映されたほか、3月17日には再上映も決まっているそうです(公式HPは→こちら)。タイトルの「チェルノブイリ・ハート」は、チェルノブイリ原発周辺の子どもたちに現われている心臓疾患を意味しています。
福島原発事故から1年ということもあり期待をもって観た作品ですが、物足りなさを感じました。全編を通じて、放射線が人体に及ぼす負の影響の大きさについては十分伝わってくるのですが、「フクシマ」後の日本で上映するにはこれだけでは不十分と感じたのです。
原発がいったん事故を起こせばこれだけの被害を長期間にわたって拡散するという「啓発」にはなると思います。「原発ゼロ」の世論をつくるうえでも役立つと思います。仮に福島原発の事故の前にこの映画を観ていたなら、私も賞賛の拍手を送ったに違いありません。
しかし、福島原発の事故は、状況を大きく変えました。放射線被害に対する不安は可能性から現実になったのです。こういうときに、ことさら放射線被害の恐怖だけを描くのが妥当なのだろうか・・・という疑問が私には拭い去れないのです。
もちろん、過酷事故を引き起こす原発がないにこしたことはありません(私は原発ゼロが望ましいと考えています)。しかし、いまの日本では、万一被曝したらどうすればよいのか、できるだけ被曝しないようにするにはどうしたらよいのか・・・放射線被害の恐ろしさと同時に、このことを考えなければならないと思うからです。
その点では、「福島後」への提案と対策を打ち出している「放射線内部被爆から子どもを守るために」(発売元:合同出版)はオススメです。
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