現在放映中の朝ドラは岡山を舞台にした『カムカムエブリバディ』
昭和・平成・令和と三つの時代を《ラジオ英語講座》と共に歩んできた、
祖母・母・娘の三代を描くファミリーストーリーだそうな。
第一部は大正14年生まれの祖母の娘時代の話が展開されている。
連合国との戦争が勃発し、主人公の恋の行方が気になるところである。
だが、私にはドラマの中にもっと気になるものがある。
それは、今ではアンティークになったラジオだ!
主人公が英語講座を聴いたり、家族が浪曲や漫才、
それにニュースを聴く場面で必ず大映しになる。
私が子供の頃、我が家にもこれと同じラジオがあった。
いや、正確に言えばラジオではなかった。
何故なら、ラジオの外枠だけで中は空っぽだったから。
母の話に依ると、元々は母と母の弟がお金を出し合って買ったラジオだったそうだ。
それが、それぞれが独立するときに、弟が受信機を、母が外枠と分けたそうなのだ。
何という分け方!(笑)
そんな訳で、ドラマにラジオが登場する度に、
我が家の茶の間の薄暗い電灯の下で、ただの置物に身をやつしながらも
確かな存在感を放っていた、あのラジオの外枠が目に浮かぶのである。
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