海のない埼玉県に住みながら、スーパーや居酒屋など新鮮な刺身を食べられることにが当たりまえの現代に生きている。鮮度が良くてあたりまえ。価格も安いとは言えないが、普通の人でもやや贅沢をするつもりであれば、好きな時に食べられる。寿司にしても然り。一皿100円の商品が四六時中回転していることに慣れきってしまった。子供のころに比べ、便利さは格段に進歩し、美味しいものを手軽に食べられることを享受しているのはまちがいない。
需要があることで供給者は利益を生む。但し調達、輸送、温度管理、加工販売コスト、人件費等あらゆるコストを引いての上で。自由競争の中で、安全対策がおろそかになった事例は数多い。
アニサキスによる食中毒被害を、渡辺直美がツイッターで述べている。年々被害の報告が上がり、非常に痛み苦しむ症状から、注意を呼び掛ける情報も広がっている。確かに写真で見るアニサキスの様子や、症状を見て危険を感じる人も多いだろう。もし自分がなったらと自分も恐怖を感じる。
販売の現場で生魚を敬遠する傾向にあるという。需要が減っているようだ。人口減によって長い目で見れば、日本人の魚の消費が減ることは理解できる。ただ今回のようにあるSNSの情報で、多くの人が同じ消費行動に走ってしまっているとすれば、恐ろしいと思う。売り手の側とすればある日突然自分の売っていたものが、間接的要因で極端に売れなくなってしまう。変化に対応できないものは生き残れないというが、その変化の要因が恣意的に作り出された情報であったとしたらどうだろう。
今回の有名人のつぶやきが恣意的だったということではなく、根拠があったとしても多くの人が同じ行動をとりがちなことに違和感を感じてしまう。
それだけ今のSNSの持つ社会的な力が大きいと実感する。考えずに流されてしまうことに疑問を持つことだ。
人の話を聞くことは大切だが、最後に判断し行動することは自分自身でしかないのだから。