折々スケッチ

小さなスケッチブックやハガキに水彩と鉛筆ペン等で描いた絵を中心に、感じたこと等日記代わりに添えています。

ボンバーだから

2020年01月11日 | 風景
   
「地下鉄八事のイオンの花屋さん」




10日は夫の月命日、毎月檀那寺のご住職さんが昼頃に来られてお経をあげてくださいます。
昨日はご都合で朝の9時からのお経でした。おかげで時間が出来ました。
早速出かけていくつかの用を済ませた帰り道、たまに寄ることのある花屋さんの前で立ち止まるとポットの花の苗がたくさん並んでいます。ガーデンシクラメン、パンジー、ハボタンなど「10個500円+税」これは買わねば。つぼみの多そうなしっかりした苗を選んで買いました。
ポットを袋に入れながら「菊の花いりませんか」と言われます。特にいま必要ではないし・・・「はぁ」とあいまいな返事をしてお店に入ると大きなバケツに黄色と白の小菊がどっさりありました。
一抱えほどの小菊を新聞紙に包んで「残ってしまったから貰ってね」と言われます。沢山の花なので「今日は夫の命日だからお墓参りに行ってこようかしら」というと「じゃあこれも」と言って豪華なお墓用の花束一対も包んでくださったので有り難くいただいて帰りました。

帰り道で小菊はご近所さん2軒にお裾分けして私は急きょお墓参りです。
年末に供えた花は松も南天もまだ元気でしたが取り替えました。売れ残りをただでいただいた花だなんてことは仏様には内緒です。年季法要の時でもこんな豪華な花はお供えしなかったのでお墓の主さんはきっとビックリでしょう。

線香をあげて手を合わせて・・・ふと思ったのです。
今朝は家の仏壇にお参りして、今またお墓に参って、いったい誰にお参りしてるのだろうかと。
亡くなった方は仏様になって西方浄土とやらにおられて、お盆にだけお帰りになると言う事です。
それならば、このお墓はなんだろうと。

「千の風になって」の歌詞  ♪千の風になって 大空を吹きわたっています・・・ と。
お墓の中にはいないのでしょうか。

朝方のお経の時「一月は法然上人の亡くなられた月ですから」と言う事で「一枚起請文」をご一緒に読ませていただきました。
「一枚起請文」は浄土宗の開祖法然上人が亡くなられる二日前にご自身で記された遺言です。
「一点の疑いもなく極楽浄土に往生するのだとただひたすら念仏を唱えなさい」と私は勝手に解釈しています。
仏壇の前で唱和したその日のうちにお墓の前で余計な事を考える私は凡夫ならぬただのボンバー(凡婆)。本堂の前で手を合わせ、地蔵堂にも手を合わせ、マニ車も回して手を合わせ、ちゃんとお礼も言いますが、それ以上に現世のお願いばかりしてしまいます。

寒がりだった夫は千の風になって冬空を飛んでいるより、西方浄土の蓮の葉の上で一杯やりながら囲碁でも打っている姿を想像する方が楽しい。水を掛けて洗ったりしてお墓の中は寒すぎるでしょう。などと思いは行ったり来たり、年末のようにあわただしい気持ちも無いので、のんびりとりとめのない事を考えたボンバー(凡婆)の墓参りでした。



  「八勝館の門」
八事八勝館は老舗料亭。上の絵のイオン近くにあり以前は昭和天皇も宿泊された旅館でした。

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