酔いどれ堕天使の映画日記

劇場やテレビでみた映画の鑑賞記。原則ネタばれなし!

ワイダと韓国映画 -開眼の“ETV特集”- (その1)

2009年06月17日 16時01分56秒 | 名作・映画作家探訪
視聴するのは必ずしも毎回というわけではありませんが
毎週日曜日の午後10時放送のNHK教育テレビの“ETV特集”は
できるだけ見るようにしている大好きな番組です。

ある事件やテーマについて当事者や関係者のインタヴューや回顧を交えながら
現場に赴きながら問題提起し掘り下げようとするルポルタージュ番組。

NHKみずから「考えるヒントを提供する“心の図書館”」というだけあって
決して押し付けがましいところがないのも好感がもてる理由です。

“映画”がテーマになることも少なくなく
そんな回はテレビにかじりついてみることになるのですが…。

ちょうど一年前、去年の6月15日に放送された
『アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男』

放送の終わり近くで気がついて見逃していたこの回の放送
先日14日の日曜日の午後BS2で再放送していたのをたまたま見ることができました。

監督自身と関係者のインタヴューをとおしてワイダ監督の映画に対する姿勢が
つたわってくる優れたドキュメンタリー番組でいたく心を動かされました。

じつは昨年の9月、やはりBS2の放送でワイダ作品を再見した際
放送の冒頭流れたのがこのETV特集のインタヴューだったのだとわかりました。

このワイダ監督自身によって語られる映画づくりの真実はじつに衝撃的です。

その独特な映像表現が
表現の自由が極度に制限されたソ連共産主義体制下の祖国において
当局の検閲から逃れかつポーランドの一般大衆のみわかる
極限まで悩み心をくだいた結晶であると知るとき
今更ながら深い感慨と尊敬の念を禁じえませんでした。

そのときの感想を当ブログに書いていますのでよろしければお目汚しください。

9月10日、『地下水道』(1957)
9月11日、『灰とダイヤモンド』(1958)
9月12日、『大理石の男』(1977)

次回は同じ日の夜このETV特集で放送していた
『韓流シネマ 抵抗の系譜』について。

小生にとって不勉強のままなかなか一歩踏み込めなかった韓国映画について
目を開かせてくれたやはりすばらしい内容の番組でした。


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