酔いどれ堕天使の映画日記

劇場やテレビでみた映画の鑑賞記。原則ネタばれなし!

『ボルト』(2008・米)

2009年08月31日 13時50分22秒 | 劇場鑑賞作品
昨日の衆議院選の予想上回る民主党の大勝。
あえてコメントはさし控えますが
経済危機など未曾有の混乱に繋がらなければとただただ祈るばかりです。

さて、ディズニーアニメの秀作で気分をかえましょう。
先週の金曜日にみてきました。

2006年のディズニーによるピクサー買収によりその手腕を発揮することになった
ジョン・ラセターの製作総指揮となる作品。

次々と超能力を発揮してパートナーの少女ペニーとともに悪と戦うスーパードッグ。
その活躍を描いた人気テレビシリーズの売れっ子俳優?犬の“ボルト”が主人公。
ボルトから迫真の“演技”を引き出そうとする局側の思惑から
彼は虚構の世界をすっかり信じ込まされています。
ある日、ペニーを助けようと誤って撮影所のあるハリウッドからニューヨークへ運ばれてしまうボルト。

途中出会うメス猫の“ミトンズ”やテレビおたくのハムスター“ライノ”とともに
いとしいペニーの待つハリウッドを目指してボルトの旅がはじまります。

やがて本当の自分を知り愕然とするボルトは2匹の友情に支えられ・・・。
という展開はラセターの出世作『トイストーリー』(1995)と重なりますが

意外にもうける印象は
往年名作『ピノキオ』(1945)や実写作品『三匹荒野に行く』(1963)といった
純真で心温まる懐かしいあの世界。

原点にかえったディズニー映画がうれしくて
なぜか自然と目頭が熱くなりました。

☆☆☆★

『瀬戸内少年野球団』(1984・日)

2009年08月28日 15時57分25秒 | TV鑑賞作品
名キャメラマン宮川一夫、没後10周年ということで
今週BS2で特集が組まれた一本を昨夜の放送でみました。

一昨年惜しくもなくなった作詞家、阿久悠の自伝的小説が原作です。
現在角川映画に吸収された日本ヘラルドの製作。
同社の名プロデューサー原正人の名前とともに
“YOUの会”と称して阿久悠(ゆう)はじめとする著名人が製作に名を連ねます。

監督は篠田正浩。

敗戦を迎えたばかりの淡路島。
島民の生活の変化を原作者であろう少年の目をとおして描きます。

なんといっても駒子先生を演じる夏目雅子の魅力がきわだつ映画。

しかし、作品全体としては原作に忠実ということなのでしょうが
エピソードが多すぎてちょっと散漫な群像劇という印象。

なにもかも盛り込もうとせず少々整理が欲しかった。
たとえば島田伸介演じる不良の兄姉や床屋の未亡人と旅芸人の顛末あたりは大胆にけずり
かわりに思春期の切ない想いやタイトルの“野球”をもう少し丹念に撮るとか。

さて、肝心のカメラ。
77歳の巨匠が自ら編み出したそのカラーは
フィルムの発色部分の銀を残すことで淡い色調を出す
“銀残し”という手法によるものとか。
つねに道を究めようとするその姿勢と工夫に敬服せざるをえません。

黒澤の『羅生門』(1950)はじめあまた映画史に残る撮影をのこした宮川一夫。
好きな一本を選べと言われたら戦前の『無法松の一生』(1943)。
有名な多重露光による苦心の撮影など斬新で大胆な映像のなかに独特な繊細さが同居し
やはり白眉です。

☆☆★

『野良犬』(1949・日)-My Favorite Movie-

2009年08月27日 16時45分06秒 | My Favorite Movie
今年の夏は盛夏と呼ぶにふさわしい日をあまり経験することなく終えようとしています。
過ごしやすかったといえばいいのでしょうが
やっぱり夏は暑くなくては物足りない・・・?

さて、うだるような夏の暑さがつたわってくる映画といえば
迷わずこの黒澤明の初期の名作が頭にうかびます。

終戦間もない盛夏の東京。
バスのなかで拳銃を掏られた三船敏郎扮する新米刑事村上。
ベテラン刑事の佐藤(志村喬)にたすけられ
自分の拳銃で犯行を重ねる犯人を求めさまよい歩きます。

あまたの刑事ものの原型にして黒澤明の完璧な傑作。

拳銃を奪われた村上が女スリのお銀を尾行するシークエンス。
代役?をつとめた助監督の本多猪四郎が闇市を彷徨する長いながい一連のカット。
村上とのうだるような暑さのとたん屋根の交番からのがれ
佐藤とアイスキャンディーを頬張るピストル屋の女の千石規子。
わずかな休憩時間をむさぼるように楽屋にいっせいに倒れこみ息を切らす踊り子たち。
扇風機を直に顔にあて佐藤らの質問にけだるそうに答えるレビュー演出家の千秋実。
うまい!

いちいちあげたらきりがないほど
全編これでもかというほどスクリーンから暑さがつたわってきます。

夏だけでなくセリフを暗記するほど一年中みていますが
なぜか昨日も無性にみたくなりました。

しかし、DVDを取り出してさあみようとしたとたん
ショー君の“となりのトトロ”にもっていかれてしまいました・・・。

いずれにしても黒澤映画のなかでも特に好きなお気に入りの一本なのです。

☆☆☆☆☆





『最強ロマンス』(2007・韓国)

2009年08月25日 13時32分47秒 | TV鑑賞作品
昨夜のBSジャパンの放送でみました。

先端恐怖症の熱血二枚目刑事カン・ジェヒョク(イ・ドンウク)と
間抜けた美人記者チェ・スジン(ヒョンヨン)が織りなす“格闘派”?ラブコメディ。

犯人追跡中のジェヒョクのわき腹にスジンが食べていたおでんの串が突きささるという
痛いオープニングから独特の高いテンションで突っ走ります。

やがてスジンが担当する“最(チェ)強(ガン)報告書”の取材に
同行することになる二人の“ロマンス”の行方は・・・。

ドタバタ喜劇かと思うと突然シリアスになったり殴りあったりする振幅の激しさや
型どおりの展開にあきれながらも

モデル出身のプロポーションながら
甲高いアニメ声の徹底した三枚目キャラクターのヒョンヨンらの熱演?もあって
なぜか憎めない印象の作品です。

☆☆★

『陰謀のセオリー』(1997・米)

2009年08月24日 11時09分57秒 | TV鑑賞作品
夏休みも残りわずかとなり朝晩などかなり涼しくなりました。
宿題と期末試験対策に追われるお兄ちゃんを尻目に
土曜日の夜、BS朝日の放送でみました。

“陰謀論”に熱中するタクシー運転手のジェリー(メル・ギブソン)が巻き込まれるサスペンス。
徐々に明らかにされるジェリーの正体。

お馴染みの“リーサル・ウェポン”シリーズのスタッフ、キャストだからでしょうか
過去の影響によるエキセントリックな主人公の性質やスーパーマン的な行動力
一種喜劇的な暴力描写などはこの作品でも同じです。

対するヒロインのジュリア・ロバーツ。
メル・ギブソン独特の過剰な演技のかげで今回はかなりおとなしめの印象。

独特なスタイリッシュな演出で多くの名作を輩出した
巨匠ヒッチコック作品を意識させるおはなしの設定と展開だけに

高額ギャラの俳優さんとリチャード・ドナー監督にはわるいですが
キャスティングと演出
ちょっとかえてみてみたい気がしました・・・。

☆☆★

やっぱり増税!子ども手当て

2009年08月20日 17時12分51秒 | 世相
10日後にせまった衆議院選挙。

各党のマニフェストが盛んに話題になっていますが
やはり今回の選挙で目を引くのは民主党の“子ども手当て”でしょう。
中学生までの子供一人当たり年間31万2千円も支給するっていうのですから
かなりの大判振る舞いです。

しかし、これは配偶者控除、扶養控除をカットする増税とのセット。
当然現行の児童手当も廃止されます。

じつは小生だいぶ前に我が家のケースで試算したところ
見事に増税になっていました。
我が家の場合、4年目から現行の制度と比べ増税になりますし
子育てが終了するまでの累計でも増税となっていました。

専業主婦の妻、中学2年の長男、小学校6年の長女、近々3歳になる次男という家族構成
ショー君の存在と大企業のサラリーマンにくらべだいぶ見劣りする収入のおかげ?もあり
大増税は避けられそうですが

意外にも子供のいる家庭でもその年齢構成などによっては
増税となる家庭が多いのではないでしょうか?


『ガメラ対深海怪獣ジグラ』(1971・日)

2009年08月19日 16時40分08秒 | TV鑑賞作品
当時小学校3年でしたか
はじめて夏休みにガメラをやるというのでとてもわくわくしたのを思い出します。

しかし、休み前に学校で配られる恒例の映画の割引券は
モノクロでジグラの絵がただ書かれただけのいかにも安っぽいもので
かなり奇異に感じました。

そしてこの年、大映は倒産します。
もうガメラがみられなくなると思うと子供心に無性に寂しくなりましたっけ・・・。

さて、鴨川シーワールドでロケされた本作
昨夜のBSイレブンの放送でショー君といっしょに再見しました。

対バイラスを髣髴させる内容ながら
そんなネガティブな背景も忘れさせるほど意外にも明るい作品でした。

特に深海サメを模したエキスプロによるジグラの造型
個人的には結構気にいっています・・・。

☆☆

『ナイトミュージアム2』(2009・米)

2009年08月18日 13時20分33秒 | 劇場鑑賞作品
先週水曜の封切の日、娘と二人でみてきました。

展示物がしゃべって動きまわる設定は前作と同じですが
今回はスミソニアン博物館が舞台
エイミー・アダムス演じるヒロインも登場してとにかくにぎやかです。

午前中の“HACHI”から連続でみていたせいでしょうか
途中同じようなドタバタ劇の繰り返しに時折睡魔が・・・。

しかし、娘と一緒のおかげ?でなんとか最後まで楽しむことができました。

☆☆

『HACHI 約束の犬』(2009・米)

2009年08月18日 13時08分18秒 | 劇場鑑賞作品
新盆の親戚宅への訪問や実家に兄弟が集まる恒例のお盆の行事に加え
終戦の日の妻の誕生日のお祝い
連日夜遅くまで飲みあかし
当ブログだいぶご無沙汰してしまいました。

さて本邦『ハチ公物語』(1987)のリメイク版です。

リチャード・ギアの妙に耳に残る“Hachi!”の予告編につられて
先週の水曜日みてきました。

文字通り海を渡ったハチ公。
演じる秋田犬の愛らしさは涙ものですが
作品全体の印象としてはやはりしっくりこない?

あの新藤兼人が原作脚本をてがけたもとの作品のほうを
みてみたくなりました。

☆☆

『クライマーズ・ハイ』(2008・日)

2009年08月12日 16時03分58秒 | TV鑑賞作品
昨年公開されたばかりでもうTVでやるんですね。
先週末の土曜日、フジテレビの放送でみました。

1985年8月12日の夕刻、消息を絶った日航ジャンボ機。
群馬県御巣鷹山の尾根に無残にも散った520名もの尊い命。
国内史上最悪の航空機事故から今日でちょうど24年。
あらためて犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。

この映画で描かれるのはそうした静かな気持ちとは裏腹の世界
墜落現場のある群馬の地方紙である北関東新聞社が舞台。
この惨事をつたえる編集責任者である全権デスクを命じられた悠木(堤真一)は
記者たちに地を這うような取材を命じ地元紙の意地にかけた特ダネをものにせんと奮闘します。

そんな悠木の前に立ちはだかるのは他でもない編集幹部や販売部といった会社組織。
彼らとの駆け引きや下品で好色なワンマン社長(山崎努)に翻弄されるさまは
ゴマをすり長いものにまかれながらやさしい神経の持ち主は押しつぶされていく
醜くつらいサラリーマンの現実世界そのものです。

題名の“クライマーズ・ハイ”は
気分が高揚しまわりが見えなくなってしまう状況をたとえた登山用語のようですが
むしろ描かれるのは一時の高揚感をも否定される社内の現実
終盤の悠木の姿にひきづられるかたちでむなしささえ覚えます。

しかしながら細かいカット割りでいやがおうでも緊迫感が伝わる前半には痺れますし
なぜかいつも決定打にかける印象の原田眞人演出ですが
群像劇としてうまくまとめあげている手腕は否定いたしません。

☆☆☆

『ディボース・ショウ』(2003・米)

2009年08月11日 15時32分10秒 | TV鑑賞作品
先週木曜日、コーエン兄弟の作品を放送するというので
夜更かししてNHKハイヴィジョンでみました。

身持ちかたくない大金持ちを探しては婚姻後すぐ離婚にもちこむ手法で
財産をもぎ取ろうとたくらむのが常習のマリリン(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)。
不動産王の夫の浮気現場を押さえ訴訟に持ち込み勝利を確信したのもつかのま
夫が雇ったやり手弁護士マイルス(ジョージ・クルーニー)にまんまとやりこめられ
財産分与権を失います。

このマイルスに一泡ふかそうとたくらむマリリンと
彼女の抗しがたい魅力に翻弄されるマイルス
二人の駆け引きの顛末を描きます。

コーエン兄弟にいつも期待するアクの強さやいい意味での裏切りはありませんが
スタッフも役者も肩の力を抜いて楽しみながら作っている雰囲気が伝わってくるような
(本当のところはわかりませんが・・・)
軽いノリが素直に気持ちいい作品でした。

☆☆☆

『野ばら』(1957・西ドイツ)

2009年08月11日 14時51分28秒 | TV鑑賞作品
ドイツ映画特集、お次のこの作品は再見です。
といっても小学生の時分、学校の授業の映画鑑賞会でみせてもらったもの。

ハンガリー動乱を逃れた孤児の男の子がウィーン少年合唱団にはいります。
ちょっとした事件などおきますが
若い寮母のマリアらに支えられ健気に乗り越えていくというおはなしです。

いまでいうところのプロモーション映画の類なのでしょうか?

少年の当時、ボーイソプラノの美しさにいたく感動したのを思い出しました・・・。

☆☆

『ブルグ劇場』(1936・オーストリア)

2009年08月11日 14時37分42秒 | TV鑑賞作品
先週のBS2のお昼の放送では『会議は踊る』(1931)ほか
ドイツ語圏の映画を放送しておりそのうち何本かを録画してみました。

まずは名作『未完成交響曲』(1933)のヴィリ・フォルスト監督の古いこの映画から。

19世紀末ウィーンのブルグ劇場
この古典演劇の殿堂で演じることを夢見る俳優志望の青年ライナーの永遠の憧れは
劇場での名声をほしいままにしている人気老優ミッテラー(ヴェルナー・クラウス)。
しかし、世俗を嫌い威厳にみちた芸術家肌の役者ミッテラーが一目ぼれしたのは
自分の家に下宿するライナーに想いをよせる純真な仕立屋の娘レニであった。
彼らのロマンティックな恋の行方を描きます。

遅い恋に目覚め、狂喜し、小娘ひとりのためにすべてを投げ打とうとする
ベテラン俳優の心の変化を見事に演じるヴェルナー・クラウスが秀逸です。

一見どこにでもある他愛ないおはなしかと思うとさにあらず。
細部まで描きこまれた確かな手腕の人物描写によって
じつに気品あふれた見事な秀作となっています。

☆☆☆★


『ディア・ドクター』(2009・日)

2009年08月10日 16時58分46秒 | 劇場鑑賞作品
先週の金曜日、娘のバレエのコンクールがあり
中野区のZEROホールに妻と次男と一緒にいってきました。
正確にいうと本選コンクールの前の“プレコンクール”というらしいですが
日ごろの練習の成果でしょうか親の贔屓目では、かなり上達した印象でした。

しかし現場は女性ばかりで気恥ずかしいこともあり
娘の出番までの時間を利用して新宿に急行。
西川美和 原作、脚本、監督のこの作品を堪能してきました。

先に読んだ直木賞候補にもなった話題の原作「きのうの神さま」(ポプラ社刊)は
医療に従事するそれぞれの主人公たちの過去や現在をきりとった優れた短編集。
この本には映画と同名の短編も含まれていて
映画をみるまではと意識して読み飛ばしていたのですが
小説家としての彼女はまったく別の話法をもちいており杞憂でした。

長らく無医だったとある過疎の村
今では数年前健診に訪れた伊野(笑福亭鶴瓶)という医師がこの村の診療所におさまってくれています。
親切で面倒見のいい伊野は村人から絶大な信頼を寄せられ今や村にとってなくてはならない存在。
つい最近都会からやってきた瑛太演じる研修医からも理想の医師として尊敬されています。
そんな伊野がある日突然村人たちの前から姿を消します。

周りの人物の淡々とした描写によって薄皮をはがすように少しずつ明らかにされる伊野の正体。
西川監督の抜群のストーリーテリングのうまさにはいつも感心させられます。

慈愛に満ちた眼差しと同時に突き放すような厳然さ。

前作『ゆれる』(2006)で感じた(昨年10月11日当ブログ)
人智を超えた何者かの視線を感じさせる独特な世界観ともいうべき表現手法は
この作品でも健在です。

主演の鶴瓶師匠もなかなかでしたが脇をかためる俳優陣が皆素晴らしかった。
特に不可思議な役どころの薬のセールスマンを演じる香川照之。
やはりこわいくらい絶品で
この監督との相性のよさみたいなものを感じます。

原作本の折り返しにある西川監督の愛らしい笑顔が素敵なポートレイト
これを見る目がにわかに羨望のまなざしへと変わりました・・・。

☆☆☆☆

『サマーウォーズ』(2009・日)

2009年08月06日 17時00分39秒 | 劇場鑑賞作品
やっと夏の日差しが戻ってきた昨日
中2の長男と映画館で待ち合わせして
細田守監督のこの新作をみてきました。

ネット上の仮想都市空間“OZ(オズ)”
個人情報のみならず社会インフラ情報から国家機密情報まで保持され
米国大統領はじめ世界各国で10億人以上が自分の分身であるアバターを住まわせる。
2056桁の暗号によるセキュリティで守られたこのヴァーチャルな都市空間は
いまや人々がその利便性を享受し日常生活を送るうえでなくてはならないインフラとなっていた。

このOZのメンテナンス“末端のまた末端”のアルバイトにいそしむ東京の高校2年生
小磯健二が主人公。
次点の成績で数学オリンピック代表権の座を惜しくも逃した健二は
同じ高校の3年生、あこがれの夏希先輩からアルバイトを頼まれます。

そのアルバイトとは戦国の武将を先祖にもつ長野県上田の旧家、陣内家
この陣内家16代目当主、90歳になる夏希の曽祖母 栄(さかえ)のために一役かうこと。

気丈な栄の8月1日の誕生日のお祝のため広大な屋敷に集った一族にまじって
健二のあつい夏がはじまります。

仮想空間OZのナレーションからはじまるオープニングからテンポよく
対戦ゲームとかアバターとかそういう世界に関心の薄い小生ですが
抵抗なく作品世界にはいっていけるのは話術のおもしろさゆえでしょう。

脚本は奥寺佐渡子。
エヴァの貞本義行がキャラクターデザインを手がけるなど
細田組ともいえるスタッフが再結集です。

甲子園をめざす地元高校の野球中継が鳴り響くなか
地球を救うため必死に計算式を解く健二の姿に
がんばっているのは高校球児ばかりじゃないぞと
この夏、勉強をがんばっている受験生たちへの応援歌のような気もして
なぜかとても清清しい気分になりました。

健二を演じる神木隆之介君の優しい声はまさに適役!

そして、エンディングに流れる山下達郎の主題歌。
しかし、帰り道から現在まで小生の頭を駆け巡っているのは
彼の別の名曲「アトムの子」!?

いままさに夏
うきうきした夏の記憶がよみがえる快作です。

☆☆☆☆