英国人の監督ジョン・シュレシンジャーの名作
『真夜中のカーボーイ』(1969)です。
先ほどDVDを取り出してきて見ました。
思い出したように繰り返し見る作品です。
1969年当時のニューヨークを見事に表現しているのですが
2008年の今見返しても見ても少しも古びることはありません。
私見では東京もニューヨークも
その殺伐さと相反する都会の魅力というべき雰囲気があるのだと思いますが
そうしたものも見事に表現している代表的な作品だと思います。
テキサスのホームタウンからのがれ
ニューヨークへ男娼として“出稼ぎ”にきた
ジョン・ボイド演じるカウボーイの“ジョー”。
そのニューヨークでジョーが出合う文無しでペテン師の小男
ダスティン・ホフマン演じる“ラッツォ”(どぶねずみ)ことリコ!
やがて都会で取り残されたように寄り添うように暮らす二人。
映画の後半はこのジョーとラッツォの
見事までに不思議に美しい友情劇へとつながっていきます。
特に文字通り都会をどぶねずみのように這いずりまわるリコの
ダスティン・ホフマンは映画史に残る名演技でしょう。
そしてジョーは自分のためにではなく
リコの助けるため、リコの夢をかなえるため路上にたちます。
このあたりからラストシーンまで私の涙はとまりません。
ニルソンが歌うタイトルソング“うわさの男”
全編を流れるジョン・バリーの名テーマ曲
本当に素晴らしいです。
念願かない眩く光の中で二人を乗せたバスはフロリダに向かいます。
都会の呪縛から解放され
友情と幸せに満ち溢れた二人の表情
そしてあのラストをむかえます。
私が愛してやまない永遠の名作映画です。
☆☆☆☆☆
私は当時キングレコードから発売されたレコードを愛聴しています。