酔いどれ堕天使の映画日記

劇場やテレビでみた映画の鑑賞記。原則ネタばれなし!

“ソーシャルビジネス”新しき資本主義への共鳴!『貧困のない世界を創る』

2009年01月22日 11時37分14秒 | Books


ここのところずっと“熱”にうかされています。

去年の年末このムハマド・ユヌスの著書にであってからは・・・。

“ソーシャルビジネス”
“ソーシャルエンタープライズ ”
“社会的企業”
これまで言葉だけで理解したようになっていましたが
遅まきながら本著を読んで
この考えかたの本質を知ることができたような気がしました。

そして、雷にうたれたように深く共鳴するにいたっています。

以前から
格差や貧困、地球破壊の現状を見過ごし
既得権をもった人間や競争に勝ったものだけ潤えばいいという
身勝手きわまりない現“経済システム”に強い疑問をもちながらも

一方、携わる人々は立派だが
残念ながら根本的な問題解決までにはいたらない
“慈善事業”という考え方にもしっくりこなかった。

“CSR”(企業の社会的責任)もまたしかり!
いみじくもユヌス氏は本書の中でCSRについてこう言及しています。
「CSRはあくまで企業が利益を上げるために行われているものであって“責任”の履き違えである。」

ちょうどそんな時本書に出会いました。


さて、“ソーシャルビジネス”とは?
その特徴の一端をごく簡単に箇条書きしますと・・・。

・ソーシャルビジネスは現行の“資本主義”を否定するものではありません。

・慈善事業ではありません

・一般企業と同じく利益を追求します。
 ただ目的が株主への利益還元ではなく
 かかわった人々と地域に社会的恩恵を生み出すことです。

・出資者には元本のみ返済されます。

・出資者は社会貢献という満足感を得ることができます。

・利益は長期的な視点たってさらなる社会的目標のために再投資されます。

・失業や貧困問題の解決策になります。

・民間企業にくらべ給与が安いわけではありません
 むしろ労働者の意欲が高い分一般企業より生産性は高いという人もいます。

本書をお読みいただければわかる
ユヌス氏の活動の原点であるバングラデシュでの革命的な実績
一昨日の日経朝刊「経済教室」によれば
全企業従業員数の5%がすでに“社会的企業”の従事者という英国の例からもわかるとおり
この“新しい資本主義”はすでに成果をあけています。

そしてこれからも確実に“ソーシャルビジネス”は世界中に広がっていくことでしょう。


小生もそうでしたが
提唱者であり実践者であるユヌス氏の活動の足跡を知らずして
真にこの新しいシステムを理解することは困難だと思います。

もしかしたら小生にとって本書との出会いは人生の転機になるかもしれません。

まさに “拓” を今年の漢字としたとおり(12月27日当ブログ)

あらたな目標がきまった瞬間でもあるからです。


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