酔いどれ堕天使の映画日記

劇場やテレビでみた映画の鑑賞記。原則ネタばれなし!

『韓流シネマ 抵抗の系譜』-開眼の“ETV特集”- (その2)

2009年06月19日 16時22分41秒 | 名作・映画作家探訪
一昨日の“ETV特集”のつづきです。

題して『韓流シネマ 抵抗の系譜』

抑圧から表現する自由を求めた韓国とその映画人の歴史です。

先月5月9日の当ブログ「国別代表作?PartⅢ」で
「自身の不勉強はさておいてこれほど悩む国もないのでは?」と
書くのをためらったのが韓国編。
過去のどんな作品が名作といわれているかも知りませんでしたし
みている映画の本数も少なく皆目見当がつかなかったからです。

今回その道しるべをえられるのではないかと
とても興奮ながらテレビにかじりついてみました。
結論から申し上げると収穫は期待以上でした。

日本による占領統治
南北分裂と戦争
そして軍政下における民主化運動への厳しい弾圧

韓国映画そのものの成り立ちが
長らく表現の自由への抵抗の歴史であったと認識することができました。

番組はそれぞれの時代において映画作家たちがどう創作活動し
どんな内容の作品を発表してきたのか
代表作の紹介を織り交ぜながら追います。

『フラガール』などでおなじみの映画プロデューサー李鳳宇(リ・ボンウ)氏が
ナビゲーターとして旧知の監督たちにインタビューします。

長らく文化的な発露の機会を奪われていたイム・グォンテク監督(写真)らの発言は
実に重く考えさせられるものがありました。

この番組で紹介されたおもな監督と作品は以下のとおり。

ユ・ヒョンモク監督
『誤発弾』(1961)
リ・ボンウ氏が
「日本でいえば黒澤明の『七人の侍』のようにベスト10をやれば必ず1位になる名画です。」
と紹介していただけに是非みてみたい作品であります。

イム・グォンテク監督
独自の視点で民族分断を描いた『チャッコ』(1980)
リ・ボンウ氏配給で日本でもヒットした『風の丘を越えて』(1993)
監督自身と家族の歴史でもある『太白山脈』(1994)

イ・チャンホ監督
青春群像『風吹く良き日』(1980)
『馬鹿宣言』(1983)
彼の自由であたらしい空気の作品は“イ・チャンホ チルドレン”と呼ばれる
以下の新世代の映画作家たちを生むそうです。

ちなみに当時30歳代で、80年代に大学生活を送った60年代生まれの彼らは
“386世代”と呼ばれるそうです。なんと小生と同世代!

パク・クァンス監督
傑作デビュー作『チェルスとマンス』(1988)

パク・チャヌク監督
おなじみヒット作『JSA』(2000)

イ・チャンドン監督
光州事件含め時代をさかのぼる手法で描く『ペパーミント・キャンディー』(1999)
これみたいです。

ポン・ジュノ監督
いずれも大国アメリカに翻弄される自国をだぶらせて描いた
実話を基に大ヒットした『殺人の追憶』(2003)
記憶もあたらしい『グエムル~漢江の怪物』(2006)

番組を見ながら書きとめたメモですから当然漏れ誤りがあると思いますが勘弁ください!

ほとんどが未見の作品
今後の楽しみが増えました…。



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