ここを読むだけで、小さなことでいいからほんの一瞬でいいから、
ほっこりするような何かがやわらぐような和むような、
そんな素敵なヒーリングがおきたらいいなと思って言葉を綴っています。
心のトゲトゲがじんわり溶けてまあるくなるような、
そんなふわふわや柔らかい光が見えるような言葉をなるべくえらんで綴っています。
日常のほんの一瞬でも、空を見上げたり、風を感じたり、
それで特になにかを感じたりしなくても、そんなことをふと思い出せたらいいなと思っています。
こんな普通すぎるほど普通で、無力で平凡なわたしに何ができるんだろう。
ずっとそう思っていました。
たとえば。
1tの石に感じられるような痛みや苦しみがあったとしたら、
セラピストとしてわたしにできるのは、
それのほんの10gを外す「お手伝い」をすることだけです。
その10gはあまりにささやかで地味でちっとも劇的ではなく、
想像していたものとはちがうかもしれません。
けれど10gで、すり抜けられなかった隙間がすり抜けられるようになるかもしれない。
職人の仕事のようにその10gで、
合致しなかったものがぴたりと合うようになるかもしれない。
小さな針の先がとても痛むように、
そのたった10gが1tもの重さに感じられるような痛みなのかもしれない。
ジェンガのように10gのひとかけらを外すだけで、
保たれていたバランスがくずれ、1tがばらばらと崩れることがあるかもしれない。
その10gを見ることはときにとても怖いけれど、
世界中のお金や宝物を集めたって手にいれることのできなかった、
確かにここに存在し宝石よりも尊い「あるもの」を知る鍵になったりするのです。
わたしがセラピストとして望むことは、
むずかしいことはいらないから、
誰もが自分自身に敬意を払い、ただ楽しく生きることだけです。
まずはわたしから。
そしてまずはあなたから。
それが水紋のようにわんわんわんと広がって、
遠いあの街に住む誰かにもいつか届いたら素敵だなと思っています。