この広い世界を。

可愛い歳月。
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中秋の名月。

2015-09-27 18:28:37 | ひとしずく。
(過去記事より。宮沢賢治っぽく書いたもの)


帰り道ぽくぽく歩いていると、
おい、そこの、と十五夜お月さまから呼ばれます。


今宵は雲に覆われて、そのまんまるのお顔は見られないとおもっていたのに、
雲の透き間からちらりとそのお顔をのそがせています。


わたしは、はい、と返事をして、
秋のまん中のお空にぷかりと浮かぶお月さまを見上げます。



やさしい金色。



はい、と返事をしてみたけれど、
お月さまはなにも言わず、くるくるまわったり、
ぺかぺかお顔を光らせてみたり、ぶぅぶぅと膨らんでみたりして、ひとりで遊んでいます。



まんまるお月さま、なんてかわいいんだろう。



性格もやさしいまんまるお月さま、
わたしはゆっくりとながめ好きだなとおもうのです。



ただそれだけでよいのです。


今宵の空には中秋の名月とよばれる、
やさしい金色をしたまんまるお月さまがぷかりと浮かぶ。



ただそれだけでよいのです。



意味なんて、わたしには必要ないのです。