+3Kの牛の如く

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大地を踏みしめて歩く。牛の如く。

英彦山、修験の道を歩く

2010年01月26日 | 福岡県の山

1月24日からつ労山の月例山行で「英彦山~白く輝く修験の道~」を歩いてきた。
参加者は22名。私は、一昨年の8月、シェルパ主催の釈迦ヶ岳ハイキングの帰りに奉幣殿までは訪れたことがあったが、英彦山登山は初めてであった。
英彦山は、日本三大修験場の一つとして栄えた霊山と聞いていた。
皆さんのレポートを読んでも、急坂や岩場、くさり場などの言葉が溢れていることから、厳しい歩きになることを覚悟して、修験道を歩かせてもらおうと思って出発した。
9時頃、別所駐車場に着いて、準備体操の後、9時20分売店横から奉幣殿への参道を目指した。

道路脇に少し雪はあるものの太陽はすでに顔を見せて、青空が広がっていた。
10分程で坊舎の石垣が並ぶ参道の石段に到った。石段にも雪は無かった。

我々が奉幣殿までの石段を上がっていると既にお参りを済ませた家族連れと出会った。
参拝後の清々しさが伝わってくるような明るい挨拶を交わして、家族連れは下って行った。
奉幣殿に着くと思い思いに衣服調整などをした。私は、今日の登山の安全と無病息災をお祈りした。

境内の手水舎の横に梵鐘堂があった。

その横には梵鐘の由来が記してあった。

奉幣殿の一段上に「玉屋神社・鬼杉」と「英彦山中岳(上宮)」の分岐があった。
9時45分、ここでA班16名は鬼杉を経由する南岳コースに、B班6名は表参道コースへと分かれて、昼には中岳で合流することになった。
南岳コースに入ると少しばかり登山道に雪が残っている所があった。

少し行ったところから奉幣殿を見ると、大杉に遮られて日陰になっている屋根の一部に少し雪が残っていた。

時折凍結している箇所もあったがアイゼンを着ける程でもなく慎重に歩けば問題なかった。
大南神社・鬼杉へと分岐を下ると、岩肌を刳り抜いたようにして大南神社の社が建っていた。奉幣殿より1時間かかっていた。

そこから急坂を下りると直ぐに鬼杉がある沢に着いた。一目で「おおきい」と思わず声を出していた。

近付いて見ると首が痛くなるほど天に向かって伸びていた。高さ38メートル。それでも上半分が倒れた後だ説明板には書いてあった。

一枚に収められなくて写真を撮ってみた。先ずは先端方向。

次は根の方。中間は省いてしまった。

鬼杉に頭を垂れ、木の精霊から英気を貰って南岳を目指した。
いよいよ急登が始まった。岩場である。修験者が修行のため日々駆け上ったであろう厳しい登りである。
岩に手を掛け、木の根に掴まりながら上るうちに修験者の必死さが偲ばれ、彼らの凄さ偉大さを改めて教えてもらった。
鬼杉から20分余り、急坂を登って行くと柱状節理の材木石があった。鬼が放置したという伝説があるらしい。

直ぐ近くの岩壁にはツララの滝が出来ていた。もう少し早い時間ならもっと素晴しかったに違いない。
我々が見てる間に溶けて落ちるのがあった。

更にここから15分程行くと頭上に霧氷が現れた。青空をバックに白い花が咲いたような、カチカチに凍った霧氷ではなく、ふんわりと綿帽子を被ったような霧氷である。

ここから南岳山頂までは霧氷のトンネルが続き、文字通り「白く輝く修験の道」となった。



12時5分英彦山で一番高い山、南岳山頂(1199.6m)に到着。予定通りの所要時間である。

中岳から来る人がアイゼンを着けて登ってきた。
我々は最初はノーアイゼンで中岳に向かったが、急斜面の下りに差し掛かったところでアイゼンを着けた。
斜面を下ると雪は無く今度は外して中岳山頂に向かった。約15分で中岳山頂に着いた。
英彦山上宮の社は風雨対策のために板壁で覆われていた。



南岳方面を振り返ると稜線の上の遥か彼方に九重の山々が稜線を見せていた。

その後、広場まで下りるとB班がいた。B班は我々より1時間早く着いたという。暫く歓談して、B班は北岳経由で高住神社目指して先行して下山して行った。
A班は食事となった。私は、今日は餅2個を入れた力うどんに卵を落として食べた。日差しがあって酷く寒くはなかったが熱いうどんで体の芯から温まって、お腹いっぱいになった。
その後A班は記念撮影をして、アイゼンを着けて北岳に向かった。いきなりの急傾斜の下りが待っていた。
下りきるとなだらかなブナ林が広がる尾根を歩いた。時折桜の花びらが舞うように霧氷の花が降ってきた。

20分程で北岳山頂に着いた。山頂には祠があり、神仏習合の聖地ということで縄囲いがしてあった。

縄囲いの中には石仏を祀った祠があった。

北岳を後にして高住神社に向かった。北岳からは急傾斜の石段だ続いた。自然石でしっかり整備がされている。
途中には木の階段も設けてあった。今日は階段の上は凍っていて凄く下り難かった。

とはいえ、信仰の山を護る人々の熱意には頭が下がる。本当に有難い御厚意である。『ありがとうございます』
暫く下ると望雲台の分岐があった。リュックを置いて行くことにした。

望雲台は垂直に切れたった断崖の上をいうらしい。早速向かうと、手前からクサリ場が待っていた。

クサリ場を登ると断崖をクサリ伝いに横切る所があった。更にクサリを頼りに登り上る岩壁が待っていた。

高所恐怖症の人はやめた方が良いかもしれない。クサリの手すりはあるもののクサリの向こうは垂直に切れ落ちていた。
下は望雲台の岩壁沿いに見た写真

手すりの向こうを真下に見た写真

分岐まで引き返して再び下り始めた。
周辺には奇岩や大岩が目立つ。するとこんな案内板があった。

案内板にある逆鉾岩の写真

屏風岩と逆鉾岩の写真

逆鉾岩を過ぎると10分程で高住神社に着いた。立派な社が建っていた。




社殿の手前に青銅の神牛が休んでいた。五穀豊穣と牛馬安全のご利益があるという。
私は、去年の干支としての『お疲れさん』の慰労とこれから『少しでも頭も体もよくなりますように』と願って頭からお尻まで撫でてきた。
境内から参道に移る所には、ご神木『天狗杉』があった。ここでも八天狗のご支援があるようにお願いしてきた。

今回は、修験の道を歩いた。古の修験者の必死に生きる様をほんの少しだけ感じることが出来た。
仲間との語らいもまた楽しかった。
『私は私なりに、牛歩でもいい、しっかり現実を受け止めて、必死に、一生懸命に前に進めればいい』とそんな感慨を抱きながら、帰ってきた。
凄く満足したのか、途中のお酒も旨くいい気持ちで一日を終わった。英彦山に感謝、仲間に感謝。

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1 コメント

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Unknown (Haru)
2010-01-30 14:21:25
+3Kさん こんにちは。
僕は大山れんげの時期に登りましたが冬の英彦山も良いですねぇ。
樹氷がとても綺麗です。
一度この時期に行ってみたいです。
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