以前からご紹介したいと思っていた「いのちの絵本」3冊をご紹介させていただきます。(注釈の無いリンク先は、いずれもAmazonです。)
私が出会った順番で…
●葉っぱのフレディ
最初に「葉っぱのフレディ」。
この絵本は、米国で著名という哲学者レオ・バスカーリア博士が生涯でただ一冊、子ども達のために書いた絵本だそうです。
絵本の冒頭にある作者からのメッセージには、
死別の悲しみに直面した子どもたちと
死について的確な説明ができない大人たち
死と無縁のように青春を謳歌している若者たち…
へ贈ります。とあります。
聖路加国際病院名誉院長の日野原 重明先生が、この絵本に共鳴して『「フレディ」から学んだこと』という題で、音楽劇と哲学随想を書かれています。
大木に宿った一枚の葉っぱの命。
春に芽生え、夏に命を謳歌し、秋に色を変え、冬には枯れて静かに一枚の葉としての命を終える…
いのちの大きなつながりと、連綿とした繰り返し
を平易な言葉で語りかけてくる絵本ではないかと思います。
ただ、Amazonの書評にも一部ありますが、自殺が相次ぐ教育界の一部からは「死んだら楽になる教え」と忌避する意見もあるようです。
実は、ここにこそ哲学者がこの絵本を書かなければならなかった理由が隠されている気がしてなりません。
それは「千の風」という詩とも、どこか繋がっているように思えます。
・新井 満さんの「千の風になって」(以下3行は各ページへのリンク)
・天声人語と「千の風」
・もう一つの「千の風」
→ページ上部のイラストをクリックするとこの方の訳詩が流れます。
我々は何処から来たのか
死んだら何処へ行くのか
いのちの価値とは何か
決して簡単に答えられるものではありません。
「死んだら楽になる」と短絡的に思考するのではなく、
死とは、誕生と同じように大いなるいのちの循環の一つの場面であって
人間だからそこに直面することは、とても悲しいのですが、
それを乗り越えて「今、ここにあることを精一杯、生きよう」
そんなメッセージなのではないか
と、感じています。
●うまれるって うれしいな
次に、「うまれるって うれしいな」。
この絵本は、ちょっぴり能登とも繋がっています。
能登と沖縄(2006-04-28)で紹介させていただいた「能登 1000の星 1000の愛」で詩のほとんどを書いていただいた堤 江実さんと、可愛いイラストをご提供いただいた杉田 明維子さんの合作です。
この絵本でも、江実さんが詩を、明維子さんが愛らしいイラストを書かれています。
どうして僕たちは、うまれてきたのか
最初に読んだ時、突然 涙が溢れてきた一節に
この答え難き問いへの
優しく包むような語りかけを感じました。
この絵本にも、日野原先生からの推薦文が寄せられています。
関係の方には失礼ですが、少しだけかいつまんでご紹介させていただきます。
(前略)
地球に生まれてきた子供のいのちを、
誰がどう立派に育てるのか、
誰が子供に生まれてきてよかったかを感じさせるのか。
その子供をめぐる日本の大人に、
子どものいのちの大切さを示唆する詩として、発刊されたのが
この堤江実さんの詩の本です。
(中略)
この詩は杉田明維子さんの絵と溶け合って
よいハーモニーとなって聞こえてきます。
江実さんのあとがきからは、
この難しい時代に、難しい時代であるからこそ
それを乗り越えようとする凛とした意志と
それを優しい言葉で伝えようとする思いが
聞こえてくるようです。
●水のミーシャ
最後に「水のミーシャ」。
この絵本は、出射 茂(いでい しげる)さんのとても優しい絵と、江実さんの詩(和文・英文)に、功刀 正行(くぬぎ まさゆき)さんの解説が加わるという新しいスタイルの絵本です。
副題「地球・いのちの星」が示すように、ミーシャという「水」を通じて生命を支える水の循環と、生きとし生けるものとの関わりが物語られています。
絵本としての平易な言葉で綴られた詩と、国立環境研究所主任研究員の方の的確な解説が併記されていることで、子どもたちに朗読をする大人にとっても手応えのある内容となっています。
この絵本には、マクロシフトなどの著作が日本でも紹介されているアービン・ラズロ博士が推薦文を寄せられています。
博士は、龍村 仁監督のドキュメンタリー映画「ガイアシンフォニー(地球交響曲)第5番(公式ページへのリンク)」にも出演されていますが、30歳代でローマクラブ「成長の限界」を世に出すプロジェクトに参加され、現在では世界賢人会議「プダペストクラブ」主宰する哲学者・物理学者・音楽家でもあるという方です。
帯の裏に記載されている「あとがき」より
いま地球環境は、
私たち人間の身勝手な活動によって、
ぎりぎりのところまで来てしまっています。
まだまにあうのだろうか、
引き返せるのだろうかという思いはあまりに強く、
時には絶望してしまいたくなります。
私たちにいま必要なのは、
絶望に飲みこまれないための勇気と希望です。
ご紹介した絵本にこの順で出逢ったことにも何か偶然では済まないものをささやかですが感じています。
いのちの循環と、いのちの不思議
ひととして、この地球に今、生まれていること
すべての生命をつなぐ水と地球 ガイア
いのちの 深さ 循環 悲しみと喜び 脆さと力強さ そして 永遠性 …
改めて、思いを致しています。
この3冊の絵本は、地元の保育士の方々を通じて、現場に静かに広がっています。
私が出会った順番で…
●葉っぱのフレディ
最初に「葉っぱのフレディ」。
この絵本は、米国で著名という哲学者レオ・バスカーリア博士が生涯でただ一冊、子ども達のために書いた絵本だそうです。
絵本の冒頭にある作者からのメッセージには、
死別の悲しみに直面した子どもたちと
死について的確な説明ができない大人たち
死と無縁のように青春を謳歌している若者たち…
へ贈ります。とあります。
聖路加国際病院名誉院長の日野原 重明先生が、この絵本に共鳴して『「フレディ」から学んだこと』という題で、音楽劇と哲学随想を書かれています。
大木に宿った一枚の葉っぱの命。
春に芽生え、夏に命を謳歌し、秋に色を変え、冬には枯れて静かに一枚の葉としての命を終える…
いのちの大きなつながりと、連綿とした繰り返し
を平易な言葉で語りかけてくる絵本ではないかと思います。
ただ、Amazonの書評にも一部ありますが、自殺が相次ぐ教育界の一部からは「死んだら楽になる教え」と忌避する意見もあるようです。
実は、ここにこそ哲学者がこの絵本を書かなければならなかった理由が隠されている気がしてなりません。
それは「千の風」という詩とも、どこか繋がっているように思えます。
・新井 満さんの「千の風になって」(以下3行は各ページへのリンク)
・天声人語と「千の風」
・もう一つの「千の風」
→ページ上部のイラストをクリックするとこの方の訳詩が流れます。
我々は何処から来たのか
死んだら何処へ行くのか
いのちの価値とは何か
決して簡単に答えられるものではありません。
「死んだら楽になる」と短絡的に思考するのではなく、
死とは、誕生と同じように大いなるいのちの循環の一つの場面であって
人間だからそこに直面することは、とても悲しいのですが、
それを乗り越えて「今、ここにあることを精一杯、生きよう」
そんなメッセージなのではないか
と、感じています。
●うまれるって うれしいな
次に、「うまれるって うれしいな」。
この絵本は、ちょっぴり能登とも繋がっています。
能登と沖縄(2006-04-28)で紹介させていただいた「能登 1000の星 1000の愛」で詩のほとんどを書いていただいた堤 江実さんと、可愛いイラストをご提供いただいた杉田 明維子さんの合作です。
この絵本でも、江実さんが詩を、明維子さんが愛らしいイラストを書かれています。
どうして僕たちは、うまれてきたのか
最初に読んだ時、突然 涙が溢れてきた一節に
この答え難き問いへの
優しく包むような語りかけを感じました。
この絵本にも、日野原先生からの推薦文が寄せられています。
関係の方には失礼ですが、少しだけかいつまんでご紹介させていただきます。
(前略)
地球に生まれてきた子供のいのちを、
誰がどう立派に育てるのか、
誰が子供に生まれてきてよかったかを感じさせるのか。
その子供をめぐる日本の大人に、
子どものいのちの大切さを示唆する詩として、発刊されたのが
この堤江実さんの詩の本です。
(中略)
この詩は杉田明維子さんの絵と溶け合って
よいハーモニーとなって聞こえてきます。
江実さんのあとがきからは、
この難しい時代に、難しい時代であるからこそ
それを乗り越えようとする凛とした意志と
それを優しい言葉で伝えようとする思いが
聞こえてくるようです。
●水のミーシャ
最後に「水のミーシャ」。
この絵本は、出射 茂(いでい しげる)さんのとても優しい絵と、江実さんの詩(和文・英文)に、功刀 正行(くぬぎ まさゆき)さんの解説が加わるという新しいスタイルの絵本です。
副題「地球・いのちの星」が示すように、ミーシャという「水」を通じて生命を支える水の循環と、生きとし生けるものとの関わりが物語られています。
絵本としての平易な言葉で綴られた詩と、国立環境研究所主任研究員の方の的確な解説が併記されていることで、子どもたちに朗読をする大人にとっても手応えのある内容となっています。
この絵本には、マクロシフトなどの著作が日本でも紹介されているアービン・ラズロ博士が推薦文を寄せられています。
博士は、龍村 仁監督のドキュメンタリー映画「ガイアシンフォニー(地球交響曲)第5番(公式ページへのリンク)」にも出演されていますが、30歳代でローマクラブ「成長の限界」を世に出すプロジェクトに参加され、現在では世界賢人会議「プダペストクラブ」主宰する哲学者・物理学者・音楽家でもあるという方です。
帯の裏に記載されている「あとがき」より
いま地球環境は、
私たち人間の身勝手な活動によって、
ぎりぎりのところまで来てしまっています。
まだまにあうのだろうか、
引き返せるのだろうかという思いはあまりに強く、
時には絶望してしまいたくなります。
私たちにいま必要なのは、
絶望に飲みこまれないための勇気と希望です。
ご紹介した絵本にこの順で出逢ったことにも何か偶然では済まないものをささやかですが感じています。
いのちの循環と、いのちの不思議
ひととして、この地球に今、生まれていること
すべての生命をつなぐ水と地球 ガイア
いのちの 深さ 循環 悲しみと喜び 脆さと力強さ そして 永遠性 …
改めて、思いを致しています。
この3冊の絵本は、地元の保育士の方々を通じて、現場に静かに広がっています。