札幌市天文台に設置されている望遠鏡は、1984年に更新された2代目の口径20cmアポクロマート屈折望遠鏡です。
2022年4月1日からは、パート職員さん4人が天文台スタッフとして、交代で業務を担うことになりました。
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4月9日(土)に札幌市天文台を訪問したところ、4月1日から新たに採用された3人のパート職員さんのうち、Yさんが担当されていました。
(画像のブログ掲載はYさんから承諾をいただいています)
まだ不慣れで、努まるかどうか不安ですとYさんは語っていました。
Yさんは採用が内定した3月から、ベテランスタッフの説明や天体導入の様子を何度も見学したそうで、ベテランスタッフの素晴らしい対応にとても感激しましたとのこと。
笑顔と熱意と日々の鍛錬で乗り切ってくださいね。
さて、この望遠鏡の赤道儀架台には立派な目盛環が付いています。スタッフの了解を得て撮影しました。
まず、赤経の目盛環から。
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極軸の南端に付いている赤経目盛環です。
ルーペで拡大し目盛数値を読み取ります。最小目盛は時角の2分(角度の0.5度)です。
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赤色の照明が付いています。夜間は点灯させ、ルーペで読み取ります。
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最小目盛は時角の2分ですが、バーニヤ(副尺)を使うことで時角の10秒(角度の約0.04度)までの読み取りが可能になっています。
指標は、時角2時51分00秒と読み取れます。上の時角目盛を読むか、下の赤経目盛を読むかで注意が必要です。
次は、赤緯の目盛環です。
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赤緯軸と鏡筒の間に配置された赤緯目盛環の最小目盛は角度の0.5度で、バーニヤを使い角度の3分(0.05度)まで読み取れます。赤経目盛環と同様に照明装置が付いています。
目盛の数字が上下逆さまになっていますが、それには理由があります。
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鏡筒が長く接眼部からだと赤緯目盛環の数値が小さすぎて読み取れないため、数値を読み取るための専用望遠鏡が接眼部付近に用意されています。
この専用望遠鏡は倒立像なので、赤緯目盛環の数字を上下逆さまに印字しているという訳です。
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専用望遠鏡で見た赤緯目盛環です。
指標は、赤緯11度15分と読み取れます。天の赤道近くの赤緯はプラス値とマイナス値を勘違いしやすいので注意が必要です。
札幌市天文台の口径20cm屈折望遠鏡は自動導入機ではありません。
しかし、この目盛環を上手に使うことで、昼間の金星は簡単に導入できますし、1等星も楽々導入し、お客様にお見せしています。
なお、目盛環を上手に活用するには、それなりの学びと体験が必要です。
最近の大型望遠鏡には目盛環が省かれていることが多いようです。
自動導入が進んできたからという理由のようですが、導入機構が故障のため天体の導入ができない場合もあり、目盛環があれば緊急対応ができます。
実際、他施設の自動導入大型望遠鏡が自動導入できなくなった際、紙に印刷した手作りの目盛環を巻き付け緊急時を凌いだという事例を見たことがあります。
また、札幌市青少年科学館の2代目天文車は自動導入機ですが、オーバースペックにありがちな自動導入エラーが発生する場合が時々あります。
目盛環があれば短時間で天体導入が可能なのですが、目盛環が付いていないので、スタッフが慣れないファインダーで導入せざるを得ない現状があります。
2022年4月1日からは、パート職員さん4人が天文台スタッフとして、交代で業務を担うことになりました。

4月9日(土)に札幌市天文台を訪問したところ、4月1日から新たに採用された3人のパート職員さんのうち、Yさんが担当されていました。
(画像のブログ掲載はYさんから承諾をいただいています)
まだ不慣れで、努まるかどうか不安ですとYさんは語っていました。
Yさんは採用が内定した3月から、ベテランスタッフの説明や天体導入の様子を何度も見学したそうで、ベテランスタッフの素晴らしい対応にとても感激しましたとのこと。
笑顔と熱意と日々の鍛錬で乗り切ってくださいね。
さて、この望遠鏡の赤道儀架台には立派な目盛環が付いています。スタッフの了解を得て撮影しました。
まず、赤経の目盛環から。

極軸の南端に付いている赤経目盛環です。
ルーペで拡大し目盛数値を読み取ります。最小目盛は時角の2分(角度の0.5度)です。

赤色の照明が付いています。夜間は点灯させ、ルーペで読み取ります。

最小目盛は時角の2分ですが、バーニヤ(副尺)を使うことで時角の10秒(角度の約0.04度)までの読み取りが可能になっています。
指標は、時角2時51分00秒と読み取れます。上の時角目盛を読むか、下の赤経目盛を読むかで注意が必要です。
次は、赤緯の目盛環です。

赤緯軸と鏡筒の間に配置された赤緯目盛環の最小目盛は角度の0.5度で、バーニヤを使い角度の3分(0.05度)まで読み取れます。赤経目盛環と同様に照明装置が付いています。
目盛の数字が上下逆さまになっていますが、それには理由があります。

鏡筒が長く接眼部からだと赤緯目盛環の数値が小さすぎて読み取れないため、数値を読み取るための専用望遠鏡が接眼部付近に用意されています。
この専用望遠鏡は倒立像なので、赤緯目盛環の数字を上下逆さまに印字しているという訳です。

専用望遠鏡で見た赤緯目盛環です。
指標は、赤緯11度15分と読み取れます。天の赤道近くの赤緯はプラス値とマイナス値を勘違いしやすいので注意が必要です。
札幌市天文台の口径20cm屈折望遠鏡は自動導入機ではありません。
しかし、この目盛環を上手に使うことで、昼間の金星は簡単に導入できますし、1等星も楽々導入し、お客様にお見せしています。
なお、目盛環を上手に活用するには、それなりの学びと体験が必要です。
最近の大型望遠鏡には目盛環が省かれていることが多いようです。
自動導入が進んできたからという理由のようですが、導入機構が故障のため天体の導入ができない場合もあり、目盛環があれば緊急対応ができます。
実際、他施設の自動導入大型望遠鏡が自動導入できなくなった際、紙に印刷した手作りの目盛環を巻き付け緊急時を凌いだという事例を見たことがあります。
また、札幌市青少年科学館の2代目天文車は自動導入機ですが、オーバースペックにありがちな自動導入エラーが発生する場合が時々あります。
目盛環があれば短時間で天体導入が可能なのですが、目盛環が付いていないので、スタッフが慣れないファインダーで導入せざるを得ない現状があります。