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★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2025年7月に「はてなブログ」へ引越し予定。

新たに登録された天文指導員さん

2022-07-23 06:00:00 | 天文指導員
 札幌市青少年科学館が育成している天文指導員さんの新規登録が久しぶりに行われました。

 前回の登録が2019年6月でしたから、3年ぶりの新規登録です。

 現役天文指導員さんとの初顔合わせが2022年7月16日(土)の定例指導員研修の場で行われました。
(新規登録に受講が必須とされた「天文ボランティア養成講座」の講師を私がさせてもらったご縁で、研修の見学が許されました。)


 この日の研修会場に集まった現役指導員さんは15人。
 このほか、ZOOM機能でオンライン参加した現役指導員さんが10人ほどなので、現役指導員さん総勢25人ほどの研修会だったそうです。

 今回の新規登録された指導員さんは8人。それぞれが新任のあいさつをしました。
 中には「2年待った甲斐がありました!」との言葉にどよめきがおきました。
 これで、現役36人と合わせて天文指導員の登録者は44人になります。


 今回の研修のあとに、リクリエーション時間が設けられていました。
 お互いの名前と顔がわかるようにと工夫された「天文指導員ビンゴ」。素晴らしいアイスブレークです。
 天文指導員が見過ごしやすい「天文指導員あるあるクイズ」。
 進行役の天文係職員Oさんの絶妙な司会が見事で、画像を取り忘れたくらいです。とても楽しいひとときでした。


 なお、クイズの最終問題は、1983年(昭和58年)の春に初代アストロカーが札幌市役所前でお披露目された際、当時の板垣市長に説明している科学館職員は誰でしょうかという問題でした。
 右端の職員です。

 画像は、左から札幌市青少年科学館の初代館長の山岡暸さん。
 山岡さんは私が科学館異動前の職場でも雲の上の存在の「企業管理者」。企業管理者とは、交通局と水道局を束ねる局長職よりも上位の特別職です。科学館が開館する1年半前の1980年(昭和55年)4月に私が交通局から科学館建設準備室に異動する際の辞令書は山岡さん名で書かれています。

 山岡さんの右に半分見えているのは、札幌天文同好会の福島久雄会長。
 その右は、宝くじ協会のお偉いさん。アストロカーの購入資金は宝くじ協会の寄付なんですよ。世界で初のドームを持ったアストロカーでした。
 さらにその右は、札幌市長の板垣武四さん。
 最後は、当時29歳の私です。あれから39年、立派な(?)爺様になりました。(笑)

 なお、画像の使用については事前に科学館天文係さんの内諾をいただいています。

【8月3日:記事追加】
 私の母が保存していた当時の新聞記事スクラップから、アストロカーの引き渡しが行われたのは1983年4月16日(土)の午前中ということが判明。
 引き渡しを行ったのは、写真に写っている日本宝くじ協会の柴田護理事長でした。

ワインバーで星空の説明

2022-07-07 06:00:00 | 天文指導員
 札幌の最高気温が32度になった2022年7月3日(日)に、繁華街すすきの「ワインバーru:」さんの依頼で星空の説明をして来ました。


 お店のFacebook画像を拝借しました。

 現役天文指導員さん5人、新規登録天文指導員さん1人、天文指導員OBさん1人、札幌天文同好会員さん2人、初めてお会いする方3人、計12名のお客様を前に星の話をさせていただきました。


 うっかり、撮影依頼するのを忘れてしまい、後日、A.Sさんから提供していただいた画像です。

 なお、北海道天文普及協会というのは、2011年に私が作った協会名で、現在3人の会員がいます。(笑)

 きょうは、新暦でいう七夕です。
 私は旧暦の7月7日のほうが七夕らしいと思うのですが、皆さんはいかがですか?
 ちなみに、2022年だと新暦8月4日が旧暦7月7日の七夕です。




星空の楽しさを大勢の人に伝えるために

2022-06-03 06:00:00 | 天文指導員
 札幌市青少年科学館が育成している天文ボランティア「天文指導員」さんに最も必要なことは何なのか書いてみます。

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 これは天文指導員さんが主に使う口径10cm屈折赤道儀式の望遠鏡で、科学館では10台が用意されています。



 天文指導員さんにとって最も必要なことは、望遠鏡の操作ができて、天文知識が豊富なことでしょうか?

 確かに必要とは思うのですが、それよりも大切なことがあると私は思っています。
 それは、参加者が理解しやすい説明・向上心・コミュニケーション能力・笑顔だと思います。
 過去50年にわたり、各地で開催されている各種観望会に参加してきた私の感想です。

 天文知識が豊富で望遠鏡操作に習熟している一部のベテランの方々の説明が難しかったり、観望会参加者への配慮があまり感じられない場合を目撃したこともありました。
 また、暗い天体を見る訓練ができていない初心者に対し、ベテランでも見ることが難しい天体を導入し自己満足に浸るベテランさんもいました。

 
 そのような体験を踏まえ、「天文ボランティア養成講座」では、次のような項目を印刷した資料を受講者さんに配付しています。

★ 参加者の知的好奇心に応える努力を ★
 天体観望会には様々な人たちが参加します。参加者の知識・体験・技能などは人によって違い、知的好奇心のレベルも異なります。

 大勢の参加者全員の個別要求に応えることは至難の技です。参加者の知りたい見たい体験したいと思うことを短時間に的確に把握するためには、日頃からのコミュニケーション能力を高め、説明の引き出しをたくさん用意する日頃の鍛錬が大事です。

 また、個人からの質問に対し、説明が延々と長くなってしまうと、他の参加者への配慮が欠けてしまいがちです。大勢の参加者全体の様子を把握しながら個人への対応を心掛けましょう。


 これは、ある日の天体観望会の様子です。
 参加者に小さな子供が多いことから望遠鏡の三脚を低くし、天文指導員さんが星空案内をしています。

★ 専門用語の使い方に注意 ★
 天文普及経験が長くなるにつれ、知識や体験が増え専門用語がわかるようになってきます。このとき、落とし穴が待ち受けています。
 それは、参加者に対し専門用語を駆使した説明を行いがちになることです。自分が新人の頃、専門用語を聞いた際「???」という疑問符で理解できなかった頃を思い出しましょう。どうしても専門用語を使う必要があるときは、その用語の説明を。

★ 「音読み」よりも「訓読み」を ★
 漢字の読み方には、「音読み」と「訓読み」があります。漢字は象形文字なので眼で見ると意味が分かりやすいのですが、聞き言葉では同音異義語が多い「音読み」よりも「訓読み」のほうが理解しやすいのです。

★ 大事な言葉は言い方を工夫する ★
 文字が2文字以上の漢字言葉で「音読み」でしか言えない言葉があった際は、その漢字を補足する言葉も併用しましょう。
例:「重星」 → 「重なる星と書いて重星」

★ 一方的な説明よりもできる限り双方向の会話を ★
 参加者の反応をみながら、説明を行うことはとても大事です。時おり質問をまじえるなど参加者の反応を確かめ、説明レベルのアップやダウンを臨機応変に行います。

★ 数値はできるだけ有効数値2桁で ★
 観望会の参加者に対し、数値を口頭で説明する場合、3桁以上の数値はなるべく避けましょう。
 例えば、太陽と地球の平均距離として1天文単位=1au の説明として、約1億4960万kmというよりも1億5千万kmほどと言うほうが参加者の記憶に残りやすいのです。

★ 間(ま)を大事に ★
 詳しい説明をする際、どうしても早口になり「間」をおかずに説明を続けるよりも、適切な「間」をおいて説明するよう心掛けましょう。
 この適切な「間」というのは難しく、様々な体験で覚えていく必要があります。
 筆者が参考にするのは落語です。ベテランの真打ほど「間」の取り方が絶妙で、「間」の取り方がまずいと笑いが半減どころか笑いが取れません。説明とお笑いの目的は違いますが、説明の理解度を上げるためには「間」が大事です。

★ 声の強弱と速さを工夫する ★
 説明時の声の強弱と速さを意識しましょう。大事なことはゆっくり大きな声で。場合によっては、勇気をもって「無言の時間」も必要です。この「無言の時間」は参加者が考える時間になります。

★ 拍手を求めない ★
 起承転結の技法のひとつとして、説明の最後に大きな声で「ありがとうございました」と深々と頭を下げる場合があります。
 これは、観望会の参加者に対し、拍手を求める行為につながるので、謙虚にしましょう。参加者が本当に感謝している場合は自然に拍手がもらえます。

★ 一期一会の気持ちを忘れずに ★
 天体観望会には様々な人たちが参加します。特に子供達の体験はその後の人生に深く影響を与える場合もあります。
 そのような観点から、普段からの鍛錬を怠らず、事前準備は万端にしておくよう心掛けましょう。

 望遠鏡操作や天文知識を覚えることも天文指導員さんに必要とは思いますが、参加者に対して「星には様々な楽しみ方がある」ということを伝える役割も天文指導員さんには持って欲しいと思います。

2022年度天文ボランティア養成講座が開講

2022-05-17 06:00:00 | 天文指導員
 コロナ禍で中止されていた天文ボランティア養成講座が5月15日(日)から2年ぶりに再開されました。

 なお、この講座は札幌市青少年科学館が育成している天文指導員として登録されるための必修講座も兼ねています。

 応募多数のため抽選で選ばれた20名が今回の受講者さんです。
 毎週日曜日に6回開催され、いずれも私が講師役を任されました。

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 18時30分から始まった講座では、くちもとが見えるマスクを付けて説明しました。
 なお、画像は科学館の職員さんに撮影依頼し、ブログ使用の承諾を得ています。

 これまで毎年様々な講演を各地でしてきましたが、コロナ禍で2年ほどその機会から遠ざかっていたせいか、自分自身、あまりノリが良くありません。
 日頃の鍛錬不足を痛感。(汗)

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 幸いにも晴れたので、科学館屋上で講義受講者を観客に見立てた模擬的な観望会をしました。

 まず、日没直後の空で一番星のアークトゥールスを望遠鏡に導入。
 この日、星見用の視度を強めにした眼鏡を忘れたため、現役天文指導員さんに導入を手伝ってもらう有様でした。Kさん、ありがとうございました!

 月や明るい星を4台の望遠鏡で現役天文指導員さんに手伝ってもらい、ミニ観望会を行い、受講者さんに体験をしてもらいます。

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 星の探し方の基本、角度について「げんこつ」を使い説明しています。

 説明が終わった時点で国際宇宙ステーション(ISS)が見えるのを待ちます。

 全員がISSを見終わり、しばらく星空を楽しむと共に、観望会の様子を体験していただきました。

 室内に戻り、大事なポイントをおさらいし、20時30分に初回の講座が終了。
 来週以降、残り5回の講義、頑張ります。

朝ドラ「カムカムエヴリバディ」が完結

2022-04-08 08:15:00 | 天文指導員
 NHKの連続テレビ小説は「朝ドラ」とも呼ばれ、NHKの看板番組です。

 私が市役所を退職したのは2010年3月末。
 その翌月の2010年4月から宮古島に半年間滞在し、自炊しながら毎朝見ていたのは第82作目の「ゲゲゲの女房」でした。

 2021年10月から始まった第105作目の「カムカムエヴリバディ」が2022年4月8日(金)で最終回を迎えました。

 この「カムカムエヴリバディ」は、これまでの朝ドラとは趣向が違っていて、毎朝楽しく視聴していました。
 松重豊さん演じる「虚無蔵」さんは、「5万回斬られた男」で有名な福本清三さん(1943-2021)をモデルにしたのではないでしょうか。

 4月7日(木)の放送で聞いた虚無蔵さんの台詞です。

「そなたが鍛錬し 培い 身につけたものは そなたのもの」
「一生の宝となるもの」
「されど その宝は 分かちあえるほどに 輝きが増すものと 心得よ」


 この台詞を聞いた瞬間、目から鱗が剥げ落ちたような感覚を覚えました。若干オーバーな表現をしてしまいました。(笑)



 これまで、私が天文指導員研修などで、観客への説明方法や機材の操作方法を講義してきたのは、後に続く人達を育てたいという意識が殆どでした。しかし、
「されど その宝は 分かちあえるほどに 輝きが増すものと 心得よ」
との言葉にハッとしました。

 つまり、自分自身のためでもあったということを気付かされました。少し思い上がっていたようです。


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 そのような気付きの少し前、2年間中止されていた「天文ボランティア養成講座」が2022年度に再開されることとなり、再開にあたって講師の依頼文書が届きました。

  【 2022年3月23日のブログ記事 】で少々過激な記事を書いたことから、今回の講師依頼はないだろうと半分諦めていました。

 自己鍛錬を怠り気味でしたが、鍛錬を怠ることなく全力で頑張りたいと思います。