貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

クンツァイト

2024-03-17 10:35:03 | 単品

まあこの色たるや。

前に「あるかなきか」と書きましたけど、こういう淡い、微妙な色彩というのは、とてもいいですねえ。なんか心を掻き毟られるようなところがある。(ヘンタイ?)
少し紫がかったピンク。この色好きなんですねえ。(ヘンタイ?)
長さ5センチとけっこう大きい。

クンツァイト。スポデューメン。リチア(リシア)輝石。
何度か上げているけど、ちゃんと単独で上げるのは初めて。
これはヤフオクで、小さな穴無し丸玉とセットでえらくプチプラでゲットしたもの。コレクターさんの放出品らしい。



クンツァイトはしばしば繊維状結晶集合となって、透明度があまりないことがある。こんな具合。色はいいのですけどね。

しかしこれは大きいのに単結晶に近い。透明度がばりばりにある。「宝石質」と言ってもいいのではないか。これは「出物」ですねえ。

結晶表面の模様もなかなか。なんたらアン・ウィンドキーパー?(口から出まかせを言うでない)

これなら質のいいルースがたくさん取れるかもしれないけど、これを削ってしまうのはもったいない。大切ににぎにぎしましょう。(ヘンタイ?)
ちなみに長波で蛍光する。ただし同じピンク色なのでどっきりはしない。

丸玉のほうもなかなか。色は薄いけどクラックがキラキラする。

こやつの方が逆に蛍光は美しい。写真にはうまく写らないけど。


しかしスポデューメンって変な名前ですな。mindat さんによると《ギリシャ語の「spodoumenos」、「灰になる」に由来し、鉱物が発火したときに形成される灰白色の塊を暗示している。》 何じゃそりゃ? 燃えかすかいな。
リチウムを含む輝石でもともとは灰色が主らしい。けれど透明度がある結晶もたくさん出て、中には6メートルのものもあったとか。
微量のマンガンによってピンクに発色するのがクンツァイト、クロムによって緑系に発色するのがヒデナイト、鉄によって黄色系に発色するのがトリフェーン、と呼び分けられているけど、必ずしもイオンによる区別ではなく色でテキトーに名付けている場合もあるそうで。
これはヒデナイト。石には失礼ながら特に面白いということはない。

どうもヒデナイトにしろトリフェーンにしろ、色鮮やかな超高級品は別として、ちょっとインパクトに欠けるような感じ。あんまり出ないし。

リチウムを採取する鉱物には、スポデューメンのほかレピドライト(リチア雲母)、ペタライトなどがある。エルバはだめだとか。岩塩からも採れるらしい。
この機会にリチウムを主成分とする鉱物を別項メモにまとめました。なんか美しい石ばかりですな。並べるといろいろ欲しくなる。いけませんねえ。
スポデューメンも最近のEV馬鹿騒ぎのせいで濫掘されまくってるんでしょうな。こういった美しいクンツァイトなんかもどれだけ砕かれ融かされているか。
もういい加減にしたらどうだ、と思うけど、「お前もその恩恵受けてるじゃないか」と言われると窮する。けど神様もひょっとしたらそんなふうに思ってらっしゃるかもね。


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