貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ミニミニ・ロウカン【追記あり】

2022-09-08 22:44:29 | 単品

両国でミネラルザワールドという展示即売会があり、ミャンマー翡翠専門店ヤギトレーディングさんが出店しているというので、行ってみた。このお店、ツイッターで美しい翡翠の写真をたくさん上げているけど、店舗もネットショップもないから見られる機会は限られている。
ザワールドというのは知らなかった。こういう展示即売会はいくつもあるのですねえ。石フリマなんかも加わって、東京にいるとけっこう頻繁に行けることになる。その分散財の機会も増えるけど。

このところ、ミャンマー産高透明度翡翠に魅入られていて、ロウカンとか氷翡翠とか、実物を見てみたい。まあ手が届かない値段だろうけど、もしかして氷翡翠の小さなものなら何とかなるかもしれない、などと思った次第。

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まあ、すごかった。緑、無色はもちろん、ラベンダー、オレンジもある。ただ糸魚川産と違って、純然たる青というのはないみたい。
翡翠というのはちょっと見では地味。けれどじっくり見ると、その独特の美しさに引き込まれる。色も美しいけれど、翡翠独特の質感、少しぬめっとした透明感が素晴らしい。
「ぬめっと」というのは変な表現だけど、澄んだ水というのも、あれ、さらさらではなくて少し「ぬめっと」した感じがある。水晶とかダイヤはすかっとしていてそういう感じはない。不思議ですねえ。翡翠は輝石で鎖(繊維)状結合の珪酸塩、ちゃんと結晶構造を持っているのに、鉱物のきっかり感ではなくぬめっとしている。何なんでしょう。

けど案の定、高い。でもミニミニサイズのカボッションが、諭吉手前であった。
前に「ロウカンの強い色はあまり趣味じゃない」なんて書いていたけど、実際、光に照らされたその色を見たら、唖然。
氷翡翠を、と思っていたけど、並べられると、「やっぱこれ、一つは持っていたいよなあ」となった。
で、キヨミズりました。老舗のちゃんとしたものを入手できるなんて、まあなかなかないことだし。
大きさは2ミリほど。アウインの小ささを嘆いていたけど、それに匹敵する。しかもアウインより全然高い。いや、ダイヤモンドより高い、ルビーより高い、フォスフォ(もうやめい) 
グラム単価で言えば、1桁も2桁も飛び抜けている。(大騒ぎするなよみっともない)



色はかなり濃い。強めの光を当てたほうが美しさが出る。けど、あちきの写真じゃあどうにもなりませんわ。いや、この色と質感は、いくらプロが撮っても伝わらないのではないか。
しかし大きさは……

氷翡翠もロウカンも、ちゃんとした大きさのものはそのうちに、なんて自分に言い聞かせたけど、オジジの身にはそういう「そのうち」は来ないでしょうねえ。

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ちなみにロウカンとは

《① 碧玉に似た美しい宝石。また、美しいもののたとえ。江戸時代以来濃緑色の硬玉の勾玉(まがたま)をさすが、同色の硬玉・軟玉を広くいうこともある。
 ② (その色彩・光沢から) 美しい竹の称。》

漢字は「琅」プラス「王(たまへん・おうへん)に干」。平安時代からある古い言葉らしい。

【追記訂正】
どうもロウカンとはもともとは竹の青を指す中国の言葉らしい。平安期の『菅家文草』にもその意味で出てくる。中国では清朝中期以降、ビルマ産の翡翠が流布するようになり(例の故宮博物館の白菜石もビルマ産硬玉)、その緑のものをこう称した、それが江戸期の日本にも伝わり、翡翠の勾玉をそう呼ぶようになった、ということみたいです。もっともその頃の日本人は翡翠は外国産だと思っていたようですけど。

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キヨミズった反動で、エネルギー低下。お財布もぽしょん。
こりゃ冬まで石禁かなあ。
円安だし、それどころか疫病と戦争で経済も暗雲立ち込めているし、石集めなんてやってる場合じゃないかも。
まあそれでも安くてきれいな石をぽつぽつと見つけていきたいです。


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