貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

ミャンマー産高透明度翡翠【追記・再追記】

2022-08-21 22:11:17 | 単品

翡翠については前に書きました
だいたい白っぽい地に緑や青、時に黒の模様が浮かんでいる。「これが典型」というものはなくて、だいたいそのヴァリエーション。

ところがところが。翡翠も奥が深い。
ツイッターで糸魚川にある「みどり店」という石屋さんの記事を見ていると、まあいろんな種類の翡翠が出てくる。すごいものだなあと感心します。しかも採集に来た一般人のものでも、多彩だし高品質のものがある。
よく石屋さんのサイトで「もう糸魚川翡翠は採れなくなっている」と書かれたりしていますけど、商業レベルではそうなのかもしれませんが、けっこう多くの人がいくつも見つけている。驚きです。行く元気はないけど。

で、最近知ったことが二つ。
一つは、「ロウカン」というもの。濃くて鮮やかな緑で、透明度が高い翡翠。色としては、中国人が好きなネフライト(軟玉)の緑に近いかな。けれど硬質に澄んでいて、実に美しい。もちろん高価。こんなものがあるんですねえ。
もう一つは、「氷翡翠」。透明度が非常に高く無色のもの。これも、こんなものがあるんですねえ、と。
ロウカンの方は、色がちょっとあちきの趣味ではない。氷翡翠の方は、うーむ、ほすい。けどめちゃめちゃ高い。

と思っていたら、夕星庵さんで、かなり透明度の高いミャンマー翡翠が、お手頃価格で出ていたのを発見。緑系と無色をぽちった。

ロウカンとは言えないけれど、かなり透明度が高い。緑が濃淡で流れている。
はあ、実に美しいです。緑が薄めなのでむしろ好みに合うし。こんな緑というのは、ちょっとほかにはないような気がする。
そして、ものすごく微妙だけど、方向変色、カラーチェンジする。黄色や紫がかすかに揺れる。単斜晶系だから異方性があってもおかしくないけど、内包物の位置関係のせいかもしれない。



透過光で見ると、もっと色が明るく揺れる。見ていて飽きない。


そしてもうひとつ、無色。こちらは何と千円以下。

氷翡翠と呼べるほどの透明度はないかもしれないけど、かなり透明。
基本無色なのだけれど、やはり方向によって、橙、菫、緑がごくかすかに、目の錯覚かのように出る。
質感的には水晶などの爽やかさではなくオパールに近い、少しとろみのある感じ。
美しいし、見ていると不思議な感覚になる。この曖昧な光と色の中に、何か姿や風景が見えるような。占い師はクリアな水晶玉を使いますけど、これで何かお告げが得られるかもしれない。

両方とも「A貨」。つまり加工していないもの。それがこんな「プチプラ」である。在庫で。それも実に不思議。ミャンマー産翡翠はあまり人気がないのでしょうかね。
でも、すごいんですわ。かなり虜になっています。ちょっとまずい。高級翡翠に手を出したら破産するでしょう。

糸魚川産の翡翠は、あれはあれでとても美しい。ミャンマー産の高透明翡翠は、ちょっとそれとは別の石という感じ。美の種類が違う。

翡翠は不思議な、深い魅力を持った石です。

【追記】
「いろはに宝石」さんのサイトにミャンマー翡翠が出ていて、そこにこう説明がありました。

《ジェイダイト(本ヒスイ)が商業ベースで採掘されている唯一の産地は、ミャンマー最北部の中国(雲南省)の国境線近くに位置するカチン州パカン鉱山です。ここは秘境中の秘境で、車で行く道路もなく、治安も悪く、一般の人は入り込めないような所です。私たちのもとへ届くまでには、大変な苦労がありますね。》

カチン州に住むカチン族は、ちょっとヤオ、ミャオ、イ、といった雲南山岳地の少数民族に似ているところがある。納豆や餅などを食する「照葉樹林文化」に属して、日本とも深い親近性がある。日本人のルーツ、あるいは日本人と同じルーツを持つ人々なのかもしれない。そこで美しい翡翠が採れるというのも、ちょっと面白いですね。

【再追記】
夕星庵さんにもうひとつ、高透明度のものがとても安く出ていたので、追加ぽちっ。



「グレイッシュ・ラベンダー」となっていて、確かにグレイのようなラベンダーのような、ものすごく微妙な色合い。やはり方向によって色合いが変わる。すごくいい。



お三方集合写真。ほんとに3つとも、魅せられました。


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