丘を越えて~高遠響と申します~

ようおこし!まあ、あがんなはれ。仕事、趣味、子供、短編小説、なんでもありまっせ。好きなモン読んどくなはれ。

脳みその話

2006年09月24日 | 医療・介護・健康
 最近、テレビでも映画でも脳みその話で持ちきりだ。よく取り上げられる疾患でいえば、脳血管障害(脳梗塞・脳出血)、認知症(アルツハイマーを含む)、パーキンソン病、うつ病、パニック障害あたりがよくテレビに登場するような気がする。ちなみに、うつ病やパニック障害といえば「心の病だろう」と言われるだろうが、私は基本的には唯脳論大好き人間なのでこれらも「脳みその障害」と独断で位置づけることにします(笑)。
 仕事柄、どうしても『脳みそ』とは切っても切れないお付き合いになる。患者さん・利用者さんがどんな疾患を持っていても最終的には脳みそとのお付き合いになってしまう。たとえ骨折後のリハビリであったとしてもご多聞にもれることはない。
 当たり前といえば当たり前なのだが、人間の活動で脳を使わない活動は存在しない。特に精神活動なんてものは脳みそなしには語れない。リハビリテーションなんてものはその人の脳みそを如何にして元気にするかの一言に尽きると思う。そのために必要な事は何だろう・・・。いつも悩まされる問題の一つだ。
 自分の精神状態を時々客観的に分析してみることがある。若い時の自分の状態を思い起こしたり、現在の自分の精神状態と比較してみたり、どういう時に自分がどういう行動を取ってきたか、こういう状況ではどんな精神状態になったかとか・・・。そんな作業をしていると、自分の脳みその活動の経緯がなんとなくわかるような気がする。自分で経験してきた現象や要素を目の前の利用者さんと重ねてみると、少し違った目でその人の心理状態や体の状況を分析できることがある。
 これはある意味、私達のような職業でなくとも日常生活に生かすことの出来る手段だと思う。他人の理解なんてものは感情的に見ると絶対出来ないことだけれど、『脳みそ』という物体の活動状況で考えれば案外つじつまがあったりして・・・。もっともそれが自分の価値観の中に収まるかどうかは別の話だが・・・。でもそういう作業で、少し自分が冷静になることも確かだ。反対に、自分が今ちょっとおかしいぞ?なんて事にもふと気がつくこともあるかもしれない。そうしたら自分に対して先手を打つなんてことも出来る。例えば統合失調症の患者さんの中には自分の状態について熟知している人も多い。そういう人は体調を崩しそうになったら自ら主治医に入院を交渉する。こういう話を聞くと無条件に「すごいなぁ・・・。」と感心する。なかなかそこまで自分と病気をコントロールすることは出来ない。
 考えようによっては脳みそを知ることで、人生観が変わるかもしれない。「全ては脳みその欲するまま」なんて、悟ってしまったりして(笑)。客観的に自分の脳みそと付き合えば、おのずと前向きな脳みそになるような気がする。少なくとも私は学生時代に大脳生理学や解剖学、心理学といった勉強を通して、随分と人間というものの捉え方が変わった。
 養老先生や茂木さんがテレビにがんがん出て、もっともっと脳みその話をしてほしい。あのお二人はお話もなかなか面白い。人気者になるのも納得だ。脳みそへの意識が高まれば、色々な意味で世界が変わる。いざいざ、皆で賢い脳みそになりましょうぞ!!


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2 コメント

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お初に、伺います。 (ポン太郎)
2006-10-23 17:54:51
 先日は、某SNSの僕のコーナーにお越しいただき、有り難うございました。

 脳についてのお話、たいへん興味深く読ませていただきました。

 やはり、医療現場で日々働いてる方のお話は、説得力がありますね。



 精神病については、未だに強い偏見が残っています。とくに、地方に行くほどにその傾向が強いように思いますね。残念ながら。。

気が違っているのではなく、「脳の病気」だと、もっと多くの人が知識を持てると、日本も変わると僕も思います。



 ちえぞー様は、なかなか力のある文章を書かれますね。気楽さんの文と、何処か似ているような気がするのですが。やはり、お友達ゆえでしょうか。

 また、伺いますね。失礼致しました。
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いらっしゃいませ (ちえぞー)
2006-10-25 19:36:08
ポン太郎さま

 いらっしゃいませ。こんな田舎のブログによくお越しくださいました(笑)。



 そうですね、私自身も気楽さんの小説を以前読ませて貰った時に、相通ずるものを感じました。感性・・・の部分でしょうか?気楽さんがどう思っていらっしゃるかはわかりませんが(笑)。

 作り話のカテゴリーにマニアックな小説も載せております。よろしかったらまた一読して感想なども聞かせていただければ幸いです。
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