姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

プロの洞察力とは、スキルではなくセンス

2020年01月10日 | 保健室コーチング



メルマガ「可能性をあきらめたくない女性のための時間と思考の使い方」
2019年12月9号で紹介した内容に加筆修正した内容です。

 

2012年から2013年にかけて

保健室コーチングベーシック、アドバンスを受講された

Kさん。


当時は、

3人のお子さんを育てている主婦として

毎日を送っておられました。


Kさんは

現在、夢をかなえ、

正規保育士として活躍中です。


そのKさんが

まだ、パート保育士として働き始めたころ

保健室コーチングで学んだ理論をもとに

「楽しい偏食指導カード」を作成され

担当していた年少児さんの偏食指導に成果を上げられました。


先日、久々にKさんと会う機会があり

最近の実践の様子を聞くことができました。



最近は、障害を持つ幼児さんの療育を担当しているとのこと。


Kさんに、

前述の「偏食カード」について、再度聞いてみました。


「あの時のカードは、当時の一人の子どもに向けて作ったもので

今かかわっている子どもたちには

また、別のかかわり方を模索しています」

という答えが返ってきました。


彼女の素晴らしいことの1つは

一度うまくいったスキルの使いまわしをしないこと。


障害名にとらわれて、

この障害の子には、こういう対応!という

マニュアルありきではなく

常に、この子には

どの角度から、どんなことばをすれば

一番、必要なことが入っていくのかを

しっかりと観察していること。


マニュアルやスキルに

相手を当てはめるのではなく

相手理解が最初にあること。


「今、かかわっている子どもたちは

それぞれ、特性やこだわりが違います。

その子をしっかり観察して

各自のチャレンジの入り口をさぐっているんです。」


さらに素晴らしいと思ったのは

次のようなことば。


「偏食や排泄、洋服の脱ぎ着など

こどもによって、課題は違うのですが

試行錯誤しながらかかわり

やる気を引き出し、

 

課題解決のかかわりがうまくいったあとで

指導の本などを見ると

自分のやり方が、うまくいった理由がわかるんです。

先にマニュアルを読んでしまうと、そこにこだわってしまうから


園の上司から

「○〇の障害がある子には

~という関わりとマニュアルには書かれているよね。

なのに、あなたは、なぜ、そのかかわりするのか」

と聞かれることがあるそうです。


そこで

Kさんは、それぞれの子どもたちの特徴とふだんのかかわりから

その理由とかかわりによる子どもたちの変化を、説明するそうです。

そのことが

上司が理解しているマニュアルと

一致していることで


納得されるそうです。


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最初にマニュアルやスキルありきではなく

大切なのは、洞察力

いったん、障害名をわきに置いて

その子そのものを見る

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最近は

「◎◎する方法」「△△を解決する方法」の

ノウハウ本がたくさんでて

スキルは簡単に手入れることができます。


しかし、問題の本質を見る力や洞察力は

ノウハウではなく「センス」


センスは、

現場でたくさんの事例にかかわりながら

本気で仕事をする中で、養われるものです。


保健室コーチングは

スキルや知識を得るためのものではなく

受講生同士のかかわりをもちながら

センスを磨いていきます。



センスの磨き方など、テキストのどこにも書いていません。


安易にスキルや資格をとることばかりに終始するより

もっと大切なのは、センスを磨くこと。

 

ホンモノのプロになろうと思ったら

現場実践でとらえ以アンドエラーを繰り返しながら

センスを磨くことではないでしょうか?



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