内閣府が24日発表した国民経済計算によると、2020年末時点で国や企業、個人などが保有する土地・建物、株式など「国民資産」の残高は、前年比4・7%増の1京1892兆円で過去最高を更新した。増加は2年連続。
国民資産から負債を差し引いた「国富」(国全体の富=正味資産)は0・3%減の3669兆円となり、5年ぶりに減少した。対外純資産は、円高の影響で資産の価値が円換算で目減りし、0・1%減の359兆円で3年ぶりに減少した。
内閣府が24日発表した国民経済計算によると、2020年末時点で国や企業、個人などが保有する土地・建物、株式など「国民資産」の残高は、前年比4・7%増の1京1892兆円で過去最高を更新した。増加は2年連続。
国民資産から負債を差し引いた「国富」(国全体の富=正味資産)は0・3%減の3669兆円となり、5年ぶりに減少した。対外純資産は、円高の影響で資産の価値が円換算で目減りし、0・1%減の359兆円で3年ぶりに減少した。
気鋭のエコノミスト永濱利廣氏は『日本病——なぜ給料と物価は安いままなのか』で、「低所得・低物価・低金利・低成長」の「4低」状況を「日本病」と名付け、その原因と、脱却の道筋を考察している。
デフレ脱却のために、海外諸国は大胆な財政出動を行い、見事に立ち直ってきた。なぜ日本は積極的な財政出動に踏み出さないのか?『日本病——なぜ給料と物価は安いままなのか』から見てみよう。
サマーズ氏やバーナンキ氏に限らず、海外の主流派経済学者の間では、デフレ脱却のためには金融緩和に加えて財政の積極的な出動が必須であるというのが常識になっています。
しかし、日本では均衡財政主義が主流になっています。そして、マスコミでは「日本の政府債務が増えて大変だ」というメッセージが定期的に流されるので意外に思われるかもしれませんが、海外と比較したグラフ(図表4-2)を見ると、明らかに日本の政府債務残高は増え方が少ないことがわかります。
2001年の政府債務を100とした場合、最も多いイギリスでは6倍以上、アメリカで5倍以上、フランス、カナダも約3倍、ドイツで2倍程度になっています。これに対して日本とイタリアは2倍にも満たない状況です。
よく新聞などで「過去最大の予算」「拡大する財政赤字」と、まるで大変なことが起きたかのように騒がれますが、これはナンセンスです。政府債務は増えるのが常識で、毎年予算は「過去最大」がふつうなのです。
バランスシートでは、「債務」の対には必ず「資産」があります。つまり、政府が債務を増やして支出を増やすということは、民間部門に支払われた分だけ、民間部門の資産が増えているということなのです。
イギリスやアメリカは政府債務が5~6倍も増えているわけですから、当然経済も拡大します。一方、日本と同じく緊縮財政のイタリアも、賃金が上がっていないのは図表1-3で見たとおりです。日本は政府から民間へ回すお金が圧倒的に少なすぎたことも、低成長の一因と言えるでしょう。
そうすると、政府債務残高を減らす=財政の健全化は不要なのか?という疑問が湧いてくると思います。実は、そこが日本と海外の専門家の考え方の最大の違いにもなります。
日本では、政府債務をあまり増やさないほうが良いという意見が多くみられます。政府の一般会計予算を見る立場で、政府内だけを見たら、確かに債務は増えないほうが良いということで、プライマリーバランス(国や自治体の基本的な財政収支)を黒字化したくなるでしょう。日本で政府債務残高に危機感を持つ考えは、すべてこの立場から来ています。
しかし、もっと俯瞰的に経済を見れば、「中央銀行」という特殊な存在に気付くはずです。
現在の日本の政府債務の約半分は、日本の中央銀行である日銀が新たに発行したお金で国債を市場から買って吸収しています。国債保有者に対して政府は利息を払いますから、政府は日銀に利息を払っていますが、日銀の儲けは国庫納付金として最終的に政府に戻ってきます。また、元本についても、政府は民間企業や個人とは違うので、借り換えで続けていけます。
つまり、政府債務のうち、日銀が持っている債権は別枠で考えなくてはなりません。
これが海外の専門家では常識の「統合政府」と呼ばれる考え方です。
日銀の出資証券は半分以上、日本政府が持っていますので、いわば民間企業における子会社のようなものです。民間企業では子会社も含んだ連結決算をするのが常識であり、連結決算においては親会社・子会社間のお金の貸し借りは相殺されます。同じように、事実上の政府債務は、中央銀行の保有分を別枠で考えるべきだという論です。
実際にグラフ(図表4-3)を見ると、政府債務残高は毎年増えていますが、日銀保有分を抜いてみると一気に減ることがわかります。
さらに日本国債というのは海外保有の割合が低く、9割程度が国内で持たれています。ゆえに、日本国債はマーケットで不安視されていませんし、日本国債の信用力を反映したクレジット・デフォルト・スワップの保証料率から弾き出される倒産確率は0.3%程度と、アメリカと並んで安定しているわけです。つまり、日本の政府債務は「危なくない」のです。
そして、ここで重要なことは、政府債務残高だけで財政の予算制約を計るのは間違いである、ということです。少なくとも現在、海外の専門家の多くはそう考えています。
では、何で見るかと言うと、インフレ率です。
中央銀行の保有国債を別枠で考えられるならば、理論上は、すべての国債を中央銀行が買えば政府債務をゼロにできます。しかし、中央銀行が国債を買う場合には貨幣を新たに発行するわけですから、やりすぎると大幅なインフレに傾いていく可能性があります。だから、インフレ率が指標になるのです。
このように、財政規律は政府債務だけではなく、インフレ率なども含めて総合的に計るのがグローバルスタンダードです。そして、2022年3月現在の消費者物価指数で見たインフレ率はアメリカで8%、ヨーロッパで7%を超えていますので、欧米では経済政策を引き締める方向に向けて動き出しています。
この考え方で見れば、日本のインフレ率はグローバルスタンダードな目標の2%に遠く及びませんので、まだまだ財政出動が可能という判断になります。少なくとも中立金利が低すぎて金融政策が効かない状況(流動性の罠)から脱するまでは、財政出動によって政府が効果的にお金を使わないと、日本経済は良くならないでしょう。
*
さらに、【つづき】「日本経済が「大復活」を遂げるためには、なにより政府・日銀の「辛抱強さ」こそが重要になる…!」では、政府や日銀がどのような対策を取れば、日本経済が復活を遂げるのかを見ていきます。
年収アップを目指す人が目標とすることの多い年収1,000万円。年収1,000万円を超える人は日本にどれくらいいるのか、どのような業種が高年収なのか、統計データをもとに見ていきましょう。
■年収1,000万円を超える人は約5%、22人に1人
年収1,000万超の割合は次の通りです。
年収 | 全体 | 男性 | 女性 |
1,000万超 | 4.6% | 7.1% | 1.1% |
1,500万超 | 1.2% | 1.9% | 0.4% |
2,000万超 | 0.5% | 0.8% | 0.2% |
2,500万超 | 0.3% | 0.4% | 0.1% |
(出典:国税庁「民間給与実態統計調査(2020年)」)
年収1,000万円超の人は4.6%で、22人に1人です。男女でも差があり、男性では14人に1人、女性では91人に1人です。
■平均給与が高い業種トップ3
同調査をもとに、平均給与が高い業種を見ていきましょう。
業種 | 平均給与 | |
1位 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 715万円(給与569万円、賞与146万円) |
2位 | 金融業・保険業 | 630万円(給与489万円、賞与141万円) |
3位 | 情報通信業 | 611万円(給与497万円、賞与114万円) |
1位のインフラ系は頭一つ抜きんでて、平均給与が700万円を超えています。金融・保険は賞与が占める割合が大きく情報通信業よりもわずかに給与が高いです。平均給与が600万円を超えるのは、全業種中トップ3のみでした。
■給与が高いからこそ手取りを増やす工夫を
年収1,000万円は憧れの年収ですが、一方で「意外と貯蓄できない」「お金が足りない」という当事者の声が多いのも事実です。
年収と手取りはイコールではありません。日本の所得税は累進課税で、年収が上がるほど高い所得税率が適用されます。そのため、「思ったより手取りが少ない」という状況が生まれるのです。
すでに年収1,000万円を実現しているなら、iDeCoやふるさと納税を活用して、手取りを増やす工夫をしましょう。
iDeCoとは、自分で年金を積み立てられる制度で、積み立てた金額が全額所得控除の対象となります。ふるさと納税では、上限額の範囲内であれば、寄付した金額から2,000円を除いた全額が所得税・住民税から控除されます。寄付金額に応じて、自治体から返礼品を受け取れるのがメリットです。
iDeCoもふるさと納税も、年収が高く適用される税率が高いほど、メリットも大きくなります。高年収を実現したなら、次は手取りを増やす工夫によって、効率的な資産形成を目指してください。
文・木崎涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
日本時間1月4日、ビットコイン(BTC)が生誕14周年を迎えた。
ビットコインは匿名の人物(またはグループ)「Satoshi Nakamoto」(サトシ・ナカモト)が、2008年10月末に提唱した暗号資産(仮想通貨)。
『Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System』(ビットコイン:ピアツーピア電子マネーシステム)と称した論文をサイファーパンクのメーリングリストで公表した概念だった。
その後、ビットコイン・ネットワーク初の「ジェネシス・ブロック(Genesis Block)」は日本時間1月4日午前3時15分頃、生成に成功した。
ジェネシス・ブロックには、2009年1月3日の英タイムズ紙の見出し「財務大臣 二度目の銀行救済措置へ(The Times 03/Jan/2009 Chancellor on brink of second bailout for bank)」のメッセージが刻まれた。
2008年に発生した大規模金融危機(リーマン・ショック)後に、大手金融機関が特例の救済措置を受けたことで、中央集権的に管理される伝統金融に対する”アンチテーゼが込められたとされる。
初のトランザクションは、サトシ・ナカモトから開発者のハル・フィニー氏から10BTCが取引手数料ゼロで送信されたもの。ビットコインの公開ネットワーク上で初めてのブロックが生成されたのは、1月12日頃のブロック高170の時点だった。
当初はサトシ・ナカモトをはじめ、一部の開発者や暗号学者など知る人ぞ知る試験的な取り組みだったビットコインだが、オンライン掲示板で徐々に普及した。この当時はビットコインは多大の算出能力(ハッシュレート)を要する水準まで難易度(ディフィカルティ)が上昇していなかったため、一般的なPCで誰もがマイニング(採掘)に参加することが可能だった。
翌2010年の5月22日には、ビットコイン史上初の“商取引”が実現した。当時0.2円ほどで取引されていたビットコイン10,000BTCの支払いと引き換えにピザ2枚を注文したもので、これを記念した「ビットコイン・ピザ・デー」は、世界各国で毎年祝われている。
それから12年以上経過した2022年12月時点のレートで計算すると、10,000BTCは234億円(1.7億ドル)に相当する。
関連:「ビットコイン・ピザ・デー」12周年、史上初の仮想通貨商取引
過去14年間の主な出来事は以下の通り。
2022年はFRB(米連邦準備制度)による金融引き締めの影響で相場全体が低迷したほか、暗号資産(仮想通貨)市場でもテラ(LUNA)崩壊や大手取引所FTXの破綻などネガティブなニュースが相次いだことでビットコイン価格は1万ドル台まで下落した。
ビットコインマイニングのハッシュレート(採掘速度)やディフィカルティ(難易度)調整は、マシン性能向上などの影響により時間差で過去最高値を更新したが、市況の急悪化やマイニングコスト上昇で経営難に陥る上場企業も相次いだ。