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虎雄氏「逃げろ。遠くへ行け」 徳洲会職員3人、病院寮に潜伏

2013年10月15日 07時23分14秒 | ニュース
 指名手配された職員3人を病院寮に住ませるなど、組織的に逃走を支援していた疑いが明らかになった徳洲会グループ。

 3人は逃走中も選挙運動に駆り出されたほか、うち1人が病気入院した際は、グループを率いる徳田虎雄氏(75)が病室を見舞ったといい、理事長の深い関与をうかがわせている。

 「すぐ逃げろ。遠くへ行け」。選挙の投票当日、徳田氏本人から電話で言われた一言が、長い逃亡生活の始まりだったと、徳洲会グループ職員の男性は語る。

 中部地方の徳洲会病院から徒歩数分の場所に2階建てアパートがある。病院が全室を借り上げ職員寮として使っているが、平成5年当時はここに、指名手配されたグループ職員2人が住んでいた。

 近くのマンションの数室も病院が借りており、その1室にも当時、逃亡中の職員1人が住んでいた。隣室には同病院に当時勤務していた徳田氏の実弟が住んでいたという。

 3人に居住場所を割り振ったのは同病院の幹部事務職員で、病院の幹部たちも3人が逃亡中であることは承知していたという。

 「自宅には定期的に警察官が立ち寄るので近づけない。家族と離れた長い逃亡生活はつらかったが、逮捕されれば上の人たちに迷惑がかかる恐れがあるので、逃げ続けるしかなかった」

 うち1人が逃走中に体調を崩し、同病院に入院した際は、所用で病院に立ち寄った徳田氏が菓子箱を手に病室を見舞ったという。

 3人は逃走中もそれぞれグループの仕事を与えられ、寮を拠点に偽名で働いたほか、選挙運動にも駆り出されていた。

 8年の衆院選で、徳田氏が代表の自由連合は全国で88人もの候補者を擁立。その多くが選挙経験のない新人だったため、経験豊富な徳洲会グループ職員が各陣営に派遣された。逃走中の職員も兵庫、埼玉県の候補陣営に派遣され、偽名で選挙参謀を務めたという。

 3人のうち、時効成立まで逃げ切った男性は9年、鹿児島県内のクリニック事務長に就任している。同県内の病院元幹部によると、このとき、近隣の病院長らが集まった会合で徳田氏は、米国のテレビドラマ「逃亡者」の主人公にたとえ、「日本のリチャード・キンブルだ」と男性を紹介したという。

 病院元幹部は「理事長が彼に付けたキンブルのあだ名は勲章みたいなもので、逃亡するほど忠誠を尽くせば要職に就けられる実例として語られた」と話した。

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