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ビットコインに分裂リスク、システム巡って内戦-今月から来月が山場

2017年07月12日 09時02分31秒 | 暗号通貨
(Bloomberg) -- 仮想通貨ビットコインのトレーダーは防備を固めるべきだ。
  今年これまでに160%上昇し、ウォール街のバンカーから中国の老人までとりこにし、そのボラティリティー(変動性)には定評のあるビットコインがまだまだ大きく荒れそうだ。
  ビットコインの内戦とでも言おうか。舞台裏で過去2年ほどシステムづくりに重要な役割を果たしてきた複数の専門家集団が、今月末に2つの対立するソフトウエア更新を行う予定だからだ。これによってビットコインは2つに割れる可能性があり、実際そうなれば410億ドル(約4兆6900億円)の市場に衝撃が走る前代未聞の出来事になる。
  双方にコンセンサスを探るインセンティブはあるものの、ビットコインには中央で管理する当局が不在で、妥協を難しくしてきた。これまでの一部始終を見守ってきたプロのトレーダーでさえ、最終的にどうなるのか見当がつかない状況だ。助言と言えば、ボラティリティーに備え、はっきりした結果が出たら迅速に行動できるようにしておくことだという。
  元シティグループのマーケットメーカーで現在は香港でビットコインのデリバティブ(金融派生商品)取引所ビットメックスを運営するアーサー・ヘイズ氏は「大金がかかったチキンレースだ」と話す。「何が起きるか、不透明感が非常に強い。どうなるのか明確なシグナルがいったん出れば、ものすごい速さで値動きが起きる可能性がある」と付け加えた。
  背景にあるのはイデオロギー上の不一致だ。仮想通貨の将来像について、主要企業に魅力ある金のような資産になるべきだとの考えがある一方、あくまで支払いシステムのための自由な導き手としての役割を強めるべきだとの考え方がある。
  議論の種は数年前にまかれた。サイバー攻撃からビットコインを守るため、デジタル台帳であるブロックチェーン上の情報量には上限が設けられているが、仮想通貨の取引が増えると処理に時間がかかって手数料もかさみ、決済がスムーズに行かなくなる。この問題を解決しようと、ビットコインの「採掘者」(マイナー)を中心にこの上限引き上げを唱える集団が生まれ、と同時にビットコインの一部データをメーンネットワークの外部で管理すべきだと主張する「コア」と呼ばれるグループが出てきた。後者のセグウィット(SEGWIT)と呼ばれる提案が実現すると、採掘者の影響力は低下するため、当然のことながら、抵抗が生じた。両者の間からは上限引き上げも伴う「セグウィット2X」という折衷案が先月示され、今月21日にリリースされれば、支持するとの意思表示をした採掘者は約85%に達している。
  ところが、一部のコア支持者がUASFという別の案を示した。8月1日から、セグウィットに準拠しない取引は拒否する内容のため、採掘者の過半数がそれまでにセグウィットを採用しない場合、ビットコインに2つのシステムが出来上がることになり、通貨が分裂しかねない。
原題:Bitcoin Risks Splintering as Civil War Enters Critical Month(抜粋)

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