ドイツが総合1位をキープ
暗号資産(仮想通貨)分析会社Coincubは17日、2022年第3四半期の世界仮想通貨ランキングを発表した。
ドイツがQ1から3期連続で首位をキープする一方で、Q2で同点首位だった米国は7位となった。なお、Q2には11位だった日本は27位まで大幅に順位を下げた。
上位10カ国の評価
Coincubはドイツが首位を占めている理由として、仮想通貨に対して「ポジティブな見通し」を持ち、国として積極的に仮想通貨政策に取り組み、規制の明確化を図っていることを挙げた。また、仮想通貨への長期的投資が税制面で優遇されていることを付け加えた。
ドイツでは所得税法により、仮想通貨を取得後1年が経過したのちに売却した場合、利益が出ても非課税とされる。加えて、ドイツ財務省は5月に、仮想通貨の所得税の取り扱いについて、容易に適用できるガイドラインを発表。仮想通貨の売買だけでなく、マイニングやステーキング、エアドロップなどもカバーする内容となっている。
2位にランクインしたスイスについては、ルガーノ市がビットコイン(BTC)を法定通貨にするという大胆な動きや、多くのブロックチェーン関連企業が集中するクリプトバレーを抱えている点を評価。3位となったオーストラリアは「肯定的な法律、妥当な税金、仮想通貨ベースの支払いシステム構築に政府が好意的である」と指摘した。
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仮想通貨投資が広く浸透しているシンガポールはQ1では2位、Q2は3位だったが、今回は5位に順位を下げている。シンガポール金融管理局(MAS)は8月末に仮想通貨規制の強化方針を示した為、より厳格な金融系ライセンス制度の整備や、個人投資家の取引制限措置の強化が響いた。
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注目されるのはアラブ首長国連邦(UAE)で、Q2の18位から、今回4位へ躍進。UAEは政府が積極的に仮想通貨経済圏の構築を推進しており、UAE内のフリータックスゾーンでは、仮想通貨取引から生じた利益も非課税となる見通しである為、仮想通貨コミュニティが急成長していると評価した。
トップから7位に転落した米国について、Coincubは課税政策が「かなり過酷」であると評価。一方、米国は仮想通貨取引量、ノード数、ブロックチェーン関連企業数では「比類のない仮想通貨大国」であることに変わりはなく、「バイデン政権の一連の提案の結果」次第で、来期には状況が変化する可能性があると評した。
ちなみに仮想通貨に対する税金のスコアを見ると、ドイツは+7、UAEは+10、バハマは+15、米国が-12、日本は-10と評価されている。
仮想通貨活動が活発な国は
仮想通貨関連活動の活発さは新たな取引所や仮想通貨銘柄の発行、ウォレット数やスタートアップ企業の成長率から判断。こちらについては、22年Q3だけで100社以上の仮想通貨関連企業が設立された米国が首位となった。上位10カ国は以下の通り。
- 米国
- シンガポール
- 英国
- スイス
- カナダ
- 香港
- 中国
- オランダ
- ドイツ
- フランス
世界全体では第3四半期に、233社の仮想通貨企業が新たに起業し、52の仮想通貨取引所(うち43は分散型取引所)が誕生した。また、約540種類の仮想通貨銘柄が新たに発行された。
Coincubは、弱気相場が続くQ3でも「世界の仮想通貨経済は依然として成長を続けている」と評価した。
仮想通貨保有人口
Coincubは人口に対する仮想通貨保有者の割合についてもランキングを発表。ベトナムがトップとなった。
- ベトナム:20.27%
- 米国:13.74%
- 南アフリカ:12.45%
- パキスタン:11.5%
- ナイジェリア:10.34%
- ロシア:10.1%
- ブラジル:7.75%
- インドネシア:4.45%
- インド:2%
- 中国:1.33%
仮想通貨を利用する人口の割合では2位となった米国だが、実際の利用人数は推定で4,600万人に相当する為、単純な保有者としては世界で最も利用者が多い国となる。
10位中国の中央政府は仮想通貨を全面的に禁止しているが。ケンブリッジ大学の統計では現在も中国はビットコイン(BTC)ネットワークにおける採掘シェア(ハッシュレート)で2位に位置していた。
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