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中国が担ってきた「世界の工場」としての役割、徐々に東南アジアへ

2015年12月19日 08時31分41秒 | 経済
 世界の工場として、各国のメーカーが工場を設置していた中国だが、人件費の上昇などを理由に工場の撤退が相次いでいる。韓国メディアの亜州経済の中国語電子版はこのほど、「ベトナムが将来、中国に代わってサムスンの新しい生産拠点になる」と題する記事を掲載し、中国が担ってきた世界の工場としての役割が徐々にベトナムをはじめとする東南アジアに移りつつあることを伝えた。

 報道によれば、サムスン電子は2016年からスマートフォンのベトナムでの生産比率を現在の30%から40%に引き上げる計画で、そのほかベトナムでテレビ、エアコン、冷蔵庫も生産する計画だ。

 これまでは中国国内でスマートフォンの部品を製造し、ベトナムで組み立てることによって製造コストを削減してきた。しかし最近はベトナム国内でも部品製造が可能となりつつある。そのうえ、もっとも問題だった物流など各種インフラも徐々に整備され、人件費が上昇している中国から工場を移転させる準備が整いつつある。

 記事は、中国の人件費がすでに60-70万ウォン(6万1000円-7万1200円)まで上昇したのに対し、ベトナムの人件費はまだ30万ウォン(3万500円)前後だと紹介。スマートフォン分野で巻き返しを図る必要のあるサムスンとしては、人件費を抑えることのできるベトナムは非常に魅力的だ。

 中国は今まで世界の工場としての役割を果たすことで成長を遂げてきた。しかしこの成長モデルは外資企業への依存だったと見ることもできる。人件費の上昇をきっかけに続々と企業が工場を撤退、移転させており、中国製造業は危機に直面している。これまで中国経済の支柱の1つだった製造業が今後も中国国内に安定した雇用をもたらし、成長の原動力であり続けるには、世界の工場ではなく、製造業の高度化や高付加価値化が必須の状況だ。(編集担当:村山健二)
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