なんか適当に書くブログのようなもの

意味のないことをつらつらと

評価されないのだから、伸ばそうと努力する人はいない

2016-10-08 09:15:55 | 日記
日本のIT業界の根本的な問題は?
と聞かれたら、「発注元に発注能力が無い事」と答える。

「自分は何が欲しいのか」を考えていない。
何が欲しいのか分からないから、コンペできない。
コンペできないから、いつもの下請けに随意発注。
随意発注だけど、組織の仕組み上、納期と予算は着手前に確定させる必要がある。
納期と予算を決めないといけないが、何を作るのか決めていないから見積れない。
見積れないけど、適当にどんぶり勘定で発注。

これの何が問題って、
・何を作るのか未定のまま、納期と予算が無根拠に決定される
・ふわっとした要件のまま作って、納品物を見てから「自分が欲しかったのはこうじゃない」と言い出す
・下請けから見たら、受注方法が随意しかないので発注元のご機嫌伺いが最大の関心事になる
 =どんなに能力があっても受注に結び付かない
・そんな下請け会社の都合上、社員に求められるのは技術者としての能力ではなく、
 理不尽に耐える能力。
・総じて、低予算/短納期の上に要件が後出しされるがそれに文句を言えない環境になる

いや、対策方法はいくらでもあるんだ。
例えば、コンサルでも呼んで「何が欲しいのか」をちゃんと分析して、それからITベンダーに発注するとか。

でも、それをしない。
なんでかと言うと、発注者は「ITベンダーに全て丸投げしたんだから、全てITベンダーの責任」とか本気で思っていて、
且つ、その発注者の上司もそれを追認する。
そして、さらに上の役員なんかはよーわからんから放置。

「結果的に失敗してしまった」ではなく、「最初から失敗であることが分かりきっている」プロジェクトが、
無批判で開始され、現場から「今まで使ってたシステムの方が良かった」と評価されるようなシステムを
数千万かけて作っても、誰も責任を追及されない。
だから、反省せずに次も同じことをする。
そして、恐ろしいことに、口ではいくらでも文句を言っているくせに、他に発注する方法を知らないため
次もいつものところに随意契約をする。
そして、また失敗する。

まれに、「システム子会社に発注することが暗黙の了解になっているから随意契約しているだけ」と
便利な言い訳をする場合もあるが、「システム子会社にはこんな問題があって、自社にとってこんだけデメリットがあるから
ちゃんとコンペしましょう」と上申したことがあるのなら分かるが、実際は「システム子会社の分際で自分の思い通りに動かない」
程度の愚痴をこぼすだけで、上が納得するような論理武装をしているのを見たことが無い。


下請けなんて大なり小なり理不尽な目に会うのはしょうがないかもしれないが、
IT業界はなんでこんな風になってしまったんだろ。