ローマ人の物語Ⅷ 「危機と克服」 読みました。
描かれているのは、ネロの死から皇帝乱立の混乱を経て、それを治めるヴェスパシアヌスとその息子、そしてネルヴァまで。
ガルバ、オトー、ヴィテリウスと続いた混乱期を見て思うのは、ローマ皇帝とはどうあるべきか・なにすべきかということを意識していない者には務まらないということ。
それぞれ総督や司令官という立場にはあったので、それ相応の人材ではあったのでしょうが、たかが1年半くらいの期間にローマ帝国はあわや崩壊という感じにまでなってしまう。
何やってるんだろうと話として読んでいてもつまらない期間です。
それに比べると、ヴェスパシアヌスのことの進め方を見ると用意周到、なんだか安心感がありました。ローマ帝国のたがを締めなおし、財政を再建、有名なコロッセウムも建築します。
息子のティトゥス、ドミティアヌスと続きますが、ドミティアヌスは家内奴隷により暗殺。
ドミティアヌスも決して皇帝として無能ではなく、国防策で後々まで引き継がれる施策も行っています。
そして、その後を継ぐネルヴァ。皇帝派からも反皇帝派でもないという辺りで選ばれたらしいのですが、バランス感覚の優れた人で、就任当時から高齢のため2年弱で亡くなってしまいますが、五賢帝の一人に数えられています。