大念住経の続きです。
目次の赤の部分が今日の範囲です。
大念住経、又は大念処経(マハーサティーパッターナ・スッタ)
目次
文番
略説 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1~3
一、身に関する瞑想
1 出息、入息の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4~6
2 行住坐臥の部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
3 正しい意識の部・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
4 不浄観察の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
5 要素の観察の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10
6 九段階の死体の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・11~19
二、受(感覚)に関する瞑想・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・ 20~21
三、心に関する瞑想 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22~23
四、法に関する瞑想
1 五蓋(五つの障害)の部 (貪欲、瞋恚、こん眠、掉悔、疑)・・・24~29
2 五蘊(五つのの固執される集まり)の部 (色、受、想、行、識) 30
3 六つの内・外処の部 (眼耳鼻舌身意、色声香味触法)・・・・・ 31~34
4 悟りの七条件の部(念、択法、精進、喜、軽安、定、捨) ・・・・ 35~41
5 真理の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42
a. 苦の真理の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 43~59
b. 苦の因の真理の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60~72
c. 苦の滅の真理の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73~85
d. 道の真理の部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 86~95
効果の言葉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・96~100
結びの言葉 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 101
5. 真理の部
42.比丘たちよ、次にまた比丘は「四つの聖なる真理」をただ(自分でもない、自分のものでもない、自我でもない、ただ現象である)四つの聖なる真理であると絶え間なく知覚して住む。
比丘たちよ、では比丘はいかにして「四つの聖なる真理」をただ四つの聖なる真理であると絶え間なく知覚して住むのか?
ここに、比丘たちよ、比丘は「これが苦しみである」とあるがままに知り、「これが苦しみの原因である」とあるがままに知り、「これが苦の滅である」とあるがままに知り、「これが苦の滅に到る道である」とあるがままに知る。
5-a.苦の真理の部
43.比丘たちよ、苦の聖なる真理とは何か?
生も苦である、老いも苦である、死も苦である、悲しみ・悲泣・肉体的な痛み・精神的な痛み・苦悩も苦である。嫌いなものと結ばれるのも苦である。愛するものと結ばれないのも苦である。求めて得られないのも苦である。要するに、五蘊(五つの固執される集まり)は苦である。
44.比丘たちよ、生とは何か?
それぞれの有情の集団における、受胎、出産、生まれたもの、生起、転生、五蘊(色受想行識)の出現、感覚器官(眼耳鼻舌身意)の獲得、比丘たちよ、これが生と呼ばれるものである。
45.比丘たちよ、老いとは何か?
それぞれの有情の集団における、老化・老衰・歯抜け・白髪・皺・寿命の短縮・諸器官の老朽、比丘たちよ、これらが老いと言われる。
46.比丘たちよ、死とは何か?
それぞれの有情の集団における、変異、壊れ、消え失せ、死亡、生命期間の完遂、五蘊の消滅、身の放棄、肉体の生命力の崩壊、比丘たちよ、これが死と言われる。
47.比丘たちよ、悲しみとは何か?
比丘たちよ、親族や所有物の喪失または肉体の痛みによって生ずる嘆きの行動、嘆きの状態、内に向かう強烈な嘆き、比丘たちよ、これが悲しみと言われる。
48.比丘たちよ、悲泣とは何か?
比丘たちよ、親族や所有物の喪失または肉体の痛みによって生ずる泣いて悲しむ行動、泣いて悲しむ状態、号泣、比丘たちよ、これが悲泣と言われる。
49.比丘たちよ、肉体的な痛みとは何か?
比丘たちよ、身体の痛み・不快感、身体の接触によって生じる痛み・不快感、比丘たちよ、これが肉体的な痛みと言われる。
50.比丘たちよ、精神的な痛みとは何か?
比丘たちよ、心の痛み・不快感、精神的接触によって生じる痛み・不快感、比丘たちよ、これが精神的な痛みと言われる。
51.比丘たちよ、苦悩とは何か?
比丘たちよ、何らかの喪失が原因であったり、何らかの痛みが原因であったりする、悩みと苦痛およびその状態、比丘たちよ、これが苦悩と言われる。
52.比丘たちよ、嫌いなものと結ばれる苦とは何か?
望まない、不快な、楽しくないこの世において色・声・香・味・触・法と出会い、会合し、交際しなければならないこと、あるいは不利益・損失・不快・不安全を企む人々と、出会い、会合し、交際しなければならないこと、比丘たちよ、これが嫌いなものと結ばれる苦と言われる。
53.比丘たちよ、愛するものと結ばれない苦とは何か?
望ましい、心地よい、楽しいこの世において色・声・香・味・触・法と出会えず、会合出来ず、交際出来ないこと、あるいは利益・繁栄・安楽・安穏を望んでくれる父母、兄弟、姉妹、友人、同僚、親類、血族と出会えず、会合出来ず、交際出来ないこと、比丘たちよ、これが愛するものと結ばれない苦と言われる。
54.比丘たちよ、求めて得られない苦とは何か?
比丘たちよ、生と再生を繰り返す有情にこのような欲求が生じる、「ああ、私たちは生と再生を受けなければよいのに、私たちに生と再生が起きなければよいのに」と。
しかし、この欲求は達せられない。これが求めて得られない苦である。
55.比丘たちよ、老いるものである有情にこのような欲求が生じる、「ああ、私たちは老いを受けなければよいのに、私たちに老いが起きなければよいのに」と。
しかし、この欲求は達せられない。これも又求めて得られない苦である。
56.比丘たちよ、病むものである有情にこのような欲求が生じる、「ああ、私たちは病を受けなければよいのに、私たちに病が起きなければよいのに」と。
しかし、この欲求は達せられない。これも又求めて得られない苦である。
57.比丘たちよ、死ぬものである有情にこのような欲求が生じる、「ああ、私たちは死を受けなければよいのに、私たちに死が起きなければよいのに」と。
しかし、この欲求は達せられない。これも又求めて得られない苦である。
58.比丘たちよ、悲しみ、悲泣、肉体的な痛み、精神的な痛み、苦悩のある有情にこのような欲求が生じる、「ああ、私たちは悲しみ、悲泣、肉体的な痛み、精神的な痛み、苦悩を受けなければよいのに。私たちに悲しみ、悲泣、肉体的な痛み、精神的な痛み、苦悩が起きなければよいのに」と。
しかし、この欲求は達せられない。これも又求めて得られない苦である。
59.比丘たちよ、要するに五つの固執される集まりの苦とは何か? 即ち、色(身、ルーパ)という固執される集まり、受(感覚、ヴェーダナー)という固執される集まり、想(認識、サンニャ)という固執される集まり、行(反応、形成、サンカーラ)という固執される集まり、識(意識、ヴィインニャーナ)という固執される集まり、比丘たちよ、これらが要するに五つの固執される集まりの苦の意味である。
比丘たちよ、これが苦の聖なる真理と言われる。
次回に続きます。
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