炭酸ガス温泉とか炭酸ガス風呂が健康にいいらしいです。
炭酸ガスを含んだお湯に入ると皮膚から炭酸ガスが吸収されそれが血管の中に入り血液中の炭酸ガス濃度が上がります。
そうすると体は血液中の酸素が少なくなったと感じ、血管を拡げて血液の量を増やそうとします。このような作用により血管が拡がり動脈硬化等の予防に効果があるということです。
エビデンスがあるのかどうか知りませんが、医学的には認められているらしいです。
そのようなことから、炭酸ガス温泉とかスーパー銭湯の炭酸ガス風呂とかが人気です。
又、炭酸ガス入浴剤なども市販されています。
そこで私もしばらく炭酸ガスを発生する市販の入浴剤を使っていたのですが、どの入浴剤も炭酸ガスは発生するのですが、それと同時にラベンダーの香りとか、柚子の香りとか、森の香りとかの匂いが強烈にします。
又、お湯にそれなりの色が付いたり、濁ったりしてしまいます。
これらの匂いや色に癒とかを感じる人はこれでいいのでしょうが、残り湯を洗濯に使う人とか、無色無臭、透明のお湯を好む人には今一つです。
そこで、重曹とクエン酸を使い炭酸ガス風呂を自宅で作る方法を考えました。
原理
3NaHCO3(重曹)+C6H8O7(クエン酸)→Na3(C3H5(COO)3)(クエン酸三ナトリウム)+3H2O+3CO2↑
分子量;重曹84 クエン酸192 クエン酸三ナトリウム258 水18 炭酸ガス44
従って重曹3×84=252gに対してクエン酸192gを加えると炭酸ガス3×44=132gが発生することになります。
(テスト1);
重曹30gにクエン酸15g、水少しを混ぜ半固形化し型に入れて固める。
クエン酸の量が理論値より少し少ないのは重曹と反応後、クエン酸が残ると風呂釜に悪影響がある可能性が感じられるから(実際には殆ど心配ないと思うが)
テスト1の結果
・重曹とクエン酸を型に入れて固まらせるのが面倒(毎回やっていられない)
・型で固まった重曹とクエン酸の入浴剤を風呂に入れると短時間でガスがいっぺんに出てしまう。
(テスト2);
重曹とクエン酸を固めるのではなく、粉のまま袋に入れて、その袋を風呂に入れる。重曹、クエン酸の量はテスト1と同じ。
テスト2の結果;
・袋の抵抗があるのでテスト1よりはゆっくり発泡するがそれでも袋の口をしっかり押さえておかないと爆発的に
炭酸ガスが出て短時間で終了する。
・発泡終了後袋の中にクエン酸三ナトリウムが残る。又お湯に逃げ出したクエン酸三ナトリウムのためにお湯が濁る。
そこで
(テスト3);
小さなタッパーの蓋に直径1mm程度の穴を錐で6,7個開けたものをつくる。
写真のタッパーは100円ショップで3個105円で売っています。
この中にテスト1と同じく重曹30g、クエン酸15gをいれてよく混ぜる。混ぜただけでは水がないので反応は起こらない。
これを風呂の中に入れる。風呂の中に入れるとタッパーは浮力で浮き上がるので重りを付けるか、手で押さえておく必要がある。下の写真はタッパーの下に重りを入れている。
テスト3の結果;
適量の炭酸ガスの泡が継続的にタッパーの蓋の穴から噴き出す。これが約30分ほど持続する。途中で炭酸ガスの出方が弱くなったら、タッパーをゆすったり傾けたりすると再度吹き出しが強くなる。
泡の発生が終了した後タッパーを取り出してみるとタッパーの底には透明の液体と白い固形物がある。
透明の液体は蓋の穴から入った風呂のお湯および重曹、クエン酸の反応水、白い固形物は重曹の反応残りと反応生成物のクエン酸三ナトリウムと思われる。
炭酸ガスの噴き出しの強さは蓋に開けた穴の大きさ、数に大いに関係している。30分程度の持続時間を狙うのであればこのテスト3程度の穴の直径、数が最適と思われる。
終了後の風呂のお湯の濁りおよび匂いは全くない。湯底のぬるぬるもなし。
残り湯を洗濯に使うことは十分可能。
重曹とクエン酸の反応の炭酸ガス以外の生成物がお湯のなかに紛れ込むことは全くないと思われので、風呂釜、配管等の腐食の可能性はない。
尚重曹30g、クエン酸15gでは重曹の反応残りが少しあるのでクエン酸を少し増やしてもよいように思う。
重曹:クエン酸=2:1.2位が丁度よいように思える。
使用した重曹とクエン酸は以下。
重曹2kg、400円 クエン酸2kg 800円(Mr.Maxにて)
入浴剤一回分の費用;30g×400円/2000g+15g×800円/2000g=12円
市販の入浴剤より相当安くなります。