老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

”在宅で生活するのは難しいのでは・・・" ❶

2020-09-11 03:25:08 | 老いの光影 第6章 「老い」と「生い」

“不在家主” 桜の葉は色づき秋の訪れを感じる


1670 ”在宅で生活するのは難しいのでは・・・" ❶

認定調査員(嘱託職員)は、認定調査(要介護認定区分変更)を終えたときに
実姉(別居)に「彼は在宅で生活するのは難しいのでは・・・・」、と話した。
不安になった姉は私のところに電話をかけてきた。

不用意な言葉をお姉さん(75歳)に話をしたものだ、と某認定調査員の言動に怒りを覚えた。
退院が決まり、明日病院でケースカンファレンスを予定していて
そのカンファレンスに春男さんが利用している介護保険のサービス業者も出席する。
病院スタッフと合同で、退院後のひとり暮らしをどう支えていくのか
検討している最中に、不用意にも認定調査員の言葉は実姉を不安になり動揺させた。

春男さん(71歳、要介護3)は、一昨年の正月に脳梗塞を患い左上下肢麻痺となった。
左足の麻痺は強く、短下肢装具を着け4点杖でどうにか歩行できるまでになった。
週に1回40分の訪問リハビリ、小規模デイサービス週に3回
生活援助(掃除、洗濯、買い物、調理)は週に6回
福祉用具貸与(特殊寝台、車いす、手すり)と住宅改修(手すりの設置と玄関から道路まで舗装にする)
通院は4週に1回 姉が車に乗せ付き添い。月1,2回見守りに訪問
村の週1回ゴミ収集を通し安否確認、救急通報システムの設置。
ケアマネジャー 月に3、4回の在宅訪問。
上記の介護サービスを使うことにより、ひとり暮らしをしてきた。

令和2年春頃、小規模デイの管理者は春男さんの躰の異変に気づき、ケアマネジャーに報告してきた。
その異変というのは左首のところが腫れ、瘤のようなしこりが感じ、左顎も腫れていた。
耳鼻科受診にするよう話をした。

春男さんは「歯が腫れたのでは・・・」ということで歯科受診をされたら
地元の総合病院耳鼻科に紹介され、その日のうちに受診した。
左首はリンパ腫(腺癌)と診断され、その他に左下葉肺癌も見つかった。
抗がん剤治療を毎月1回受けながら療養していた。

今年の7月下旬に入り右足大腿部や股関節の痛みを訴え
立ち上がりに時間がかかり、立位も不安定であった。
自宅で立ち上がり、夕方カーテンを閉めたときにバランスを崩し尻もちをついた(転倒)が
骨折に至らず胸をなでおろしたことがあった。
このときには骨転移の症状があった

小規模デイの管理者からも今治療を受けている呼吸器外科の医師に報告をされた方がいいのでは、と話があった。

《続く》
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