緒方鍼灸院 【脉泉堂】 有田町の自然 平六のワンダー

「目で見て、手で触り、音を聞き、温度を感じ、においを嗅ぐ」体験は「知識として知ってる」ことよりはるかに重要だと信じます。

鍼灸の魅力 ・・・・・・ 中間まとめ (1) 虚実と補瀉

2013-09-19 15:52:25 | 鍼灸の魅力

これまでに学んだことをまとめてみました。

1.はじめに

   私が鍼灸を専門学校で学びだして約半年を経た時に紹介され、参加した東洋はり医学会・長崎支部のメンバーによる佐賀県鹿島市での勉強会。そこで目にした経絡治療には衝撃を受けました。それまでは、刺激を加えるのが鍼灸と思っていましたが、望診・聞診・問診・切診の四診法によって病の本質を探ると言うか、もっとも違ったのが患者様の施術前後の状態を施術者自身が確認しながら施術されている光景でした。

「鍼は痛かろう・・・」と言う先入観念を持った方たちが私の周りには多い中、「これだ!」と確信した瞬間でした。それ以来、月2回の勉強会に参加させていただいて手ほどきを受けました。又、専門学校2年の夏休みには臨床実習を受け入れていただき、実際に患者様の訴え、体の状態を目で見て、手で触り、もちろん脈も診させていただきました。先生が証を立てられる、鍼をされた後、脈の変化、腹診の変化を診て、「良し!」とはっきりと言われる言葉に患者様も安心を得られ、ほっとされている顔にこめられた感謝の気持ちを感じました。   

東洋医学の伝統的な鍼灸術の2つの流れ、その伝統的な鍼灸術の一つ、経絡治療との出会いでした。

両者の大きな違いは「気」の問題にあるのではないかと思っています。経絡治療は、この病気にはこの穴をというような病名治療とは異なって、望診・聞診・問診・切診の四診法によって病の本質としての証を導きだし、気を調整する治療法、随証療法である点だと思っています。 

   

2 虚実と補瀉

  治療の原則は難経六十九難にある「虚したるものはこれを補い、実したるはこれを瀉す」という事が基本にあるようです。つまり虚に対しては補法を、実に対しては瀉法を行なうということで、経絡治療では診断は虚実、治療は補瀉、即ち「虚実を弁えて補瀉する」という進め方です。虚とは生きる為の正気、生命力の不足している状態をいうようです。要するに体力や抵抗力の低下した状態の事です。また実とは正気、生命力の働きを妨害するような悪条件、例えば、風・暑・飲食労倦・寒・湿を五邪といいますが、これらが生体を冒して生命力の働きを妨害する様な事、即ち邪気が盛んな状態をいうようです。

  従って虚に対する補法とは生命力の不足している患者に生気を補うこと、また実に対する瀉法とは患者の生命力の働きを妨害する邪気を取り除き、正気の働きを助けることであります。つまり、補法も瀉法もその目的は共に生命力の強化にあるようです。

 
次回は、補法、瀉法、姿勢、刺鍼についてまとめてみます。

 
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