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マーラー「大地の歌」交響曲 HEALING MUSIC GREENDOOR

2014年09月12日 13時08分25秒 | 趣味・特技
マーラー「大地の歌」交響曲

今日はマーラーの大地の歌に触れてみたい。頭からテノールの独唱から入る異色の
交響曲である。テノールはディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ、指揮レ
ナード・バーンスタイン、演奏ウイーン・フィルハーモニー交響楽団である。

録音日は不明だが、レコードの発売は1968年となっている。

大地の歌は、全篇、李白と銭起、王維、孟浩然などの漢詩によるものである。
たとえばだ1楽章は李白の「悲歌行」と題される。

悲しいかな悲しいかな
主人酒あるもしばらくくむことなく
我が一曲悲來の吟を聴け
悲來吟ぜず還た笑わざれば
天下に人の我が心を知るものなし
君に數斗の酒有りて
我に三尺の琴有り
琴鳴り酒楽しんで両つながら相得ば
一杯ただに千金の金のみならざらん

悲しいかな悲しいかな
天長しえと雖も地久しきと雖も
金玉堂に満つればまさに富貴を守らざるべし
百年能く幾許ぞ
死生一たび人皆有り
孤猨坐して啼く墳上の月
且に須く一たび杯中の酒を蓋すべし

これをマーラーは

黄金の盃に酒が溢れている
それを飲み乾す前に
まず一つの歌を聞かせよう
憂愁のその歌は
哄笑をもって響き渡り
心の園は激しい悲しみに包まれて
寂寥となり
喜びも歌も萎れて
消えてゆく
生は暗く、死もまた暗い

穴蔵には琥珀の酒が満ち
そこには私の琴がある
それを掻き鳴らし
酒を飲むことが
今の我々には最も相応しい
まさにこの一杯の酒は
世のすべての王国にも優る
生は暗く、死もまた暗い

と歌わせる。

マーラーは絶えず人間の存在意義を求め、精神を疲弊させていた。残酷な世界と
最も美しい世界とお同時に創造した神の真意を探ろうとした。病的に死を恐れ、
悟ろうとして悟りきれず、晩年には夜中に汽車の線路に横たわって、遠くから迫
ってくる車の音を聞きながら、自殺者の心理を想像したり、春の若葉に口づけし
て涙を流したりしたそうである。

マーラーの音楽は人生の告白、現実的な世界への激しい愛情と、彼岸への痛切な
願いが死の恐怖として渦巻いている。

ブルーノ・ワルターに「この曲を聴いたら自殺者が出るのではないか」、この曲
は指揮ができるのだろうかと心配していたそうである。それほどこの曲は暗く絶
望的であり、この曲の指揮には、至難なテクニックが要求される。

ベートーベンは第九を作ったのち命を絶った。大地の歌は9番目の交響曲であっ
たにもかかわらず、第九とは命名せず「大地の歌」とした。ここにも彼の死への
恐怖が見て取れる。結局、弱さを克服しようとし、第九を作曲したが、初演を見
ることなく世を去った。

運命に抵抗して敗れたとと、解説者は言うが、マーラーのあがきこそ、彼が自ら
に忠実な人間であったことを証明しているのではなかろうか。

バーンスタインは激しい感情の充満した音楽を好んだという。マーラーの曲は彼
の主観を表現するうえでこの上ない作品であった。バーンスタインが好んでマー
ラーを指揮するときは、細部に至るまで綿密に社げ、透明感のある音色、情緒を
濃く表現し、マーラーの音楽性に浸っていたのだと思う。
(一部、村田武雄、宇野功芳氏の解説を引用した)

李白の詩は、それほど人生に悲観的ではなく、読んでみると、官職などにつかず、
自然を愛し、だれかれとなく、一人でも酒を酌み交わし、自由に生きることを望ん
だと思う。それほどの悲観を感じない。

曲も言語の意味は分からずとも、聴いてみればそれが生への壮大な叙事詩であると
思うのである。そう思って聴いていたが、重厚長大な曲なので、気晴らしに聴くこ
とはできなかった。襟を正し、姿勢を正して聴く、そんな思いをさせられる曲だが
雄大で繊細な曲は心に残すものがある。

それは私には「勇気」である。

大地の歌は、偶数章を通常はアルト奏者が歌うが、このアルバムは、バリトンのジ
ェームズ・キングが歌っている。珍しいということである。

GREENDOOR








9月11日(木)のつぶやき

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