一日の終わりの雨

仕事が終ってもう何時間にもなるのに、食事もそこそこ、作業着のまま車を走らせ、野暮用を済ませて、気がつけばよく行くショッピングセンターの駐車場に車を滑り込ませていた。
夕方から降っていた雨は雨足を少し早くして、車の屋根を打ち付けながら窓ガラスに水滴をつけて、それに車や駐車場の照明の明かりが反射して星屑を散りばめたようだ。
今日は冬らしく肌寒く、雨も冷たいけれど、これからの雨は確実に春を連れてくる。そうおもえば、雨音も柔らかい。
ショッピングセンターの店内に買い物に行くわけでもなく、倒し込んだ車のシートに深く身を沈めて横たわる。疲れているが、神経が高ぶっていて眠れるわけでもない。ただ、身体はとてつもなく、地中にでも吸い込まれて行くような脱力感で、シートと一体化してゆく・・・。きりもなく、そうして時を費やしてしまいそうだ。
柔らかな雨は渇いた俺をいつの間にか潤してくれていた。
もう帰ろう・・・駐車場を後にした。