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Smoke

店の表を通る人を毎日写真で撮るたばこ屋の映画をご存知だろうか?

映画 『ぜんぶ、フィデルのせい』

2009-04-15 | Weblog
映画は人に奥行きを持たせるアイテム。
今回は『ぜんぶ、フィデルのせい』。

製作国 : イタリア=フランス 2006年
配給 : ショウゲート
キャスト:ニナ・ケルヴェル、 ジュリー・ドパルデュー、ステファノ・アコルシ、
     バンジャマン・フイエ

激動の1970年代にフランスで起きた事件を9歳の少女の視点から描いた作品。

今回は、失敗は成功の母ですな、って作品です。

9歳の主人公は、カトリック女学校に通うお嬢様。
ある時スペインでフランコ政権に対する反政府運動を行っていた伯父さんが亡くなり、
残された伯母さんと従姉妹が一緒に暮らすことになった。
そして突然、両親が共産主義活動に参加。
納得いかない主人公は反発するが・・・・。さて・・!

最近チョイスする作品が背景アリアリで、(何でチョイスしてんのかなぁ。。自分。)
ノータリンの私はコメントしていいのか?と思います。
・・・が、します。(だって観る人にそういう人も多いでしょ?笑)

初めのシーン、とても違和感がありました。
だって、お子様たちが円卓でフォーク&ナイフで果物の皮むきですよ?
どんだけブルジョワかっ、ての!
オレンジだって桃だって、手でペロペローって剥きゃーいいじゃん!・・って
熱くなるところでは無いのですが(笑)意味があるシーンだと思いますよ。
それが突然、留守してた両親の変わり果てた風貌を見て、娘、驚き~、なんです。
反共主義の召使が「“キョーサンシュギ”は皆ヒゲ」と言ってたヒゲ面に、
自分の父親がなっていたから。
満足している自分の生活を変えてしまう“キョーサンシュギ”に!

主人公はまだ子供だし、周囲で起こっている事を上手く理解出来ないのに、
両親は勢いついちゃってて着いてけない。
そのうち小さな家に引越し、ワケわかんない人が多く出入りするようになり、
母親はワケ有りな女性達の会に首を突っ込み、
自分は大好きな宗教の授業にも出れなくなり、
親友は陰口を言うようになり、ますます反抗的になる。
それでも主人公は両親のやっている事を理解しようと、周りに問いかける。
が、理解が惜しい!ので、自分が応用しようとするとズッコケる。
そんな事をしていくうちに徐々に主人公は変わり始める。

お子様目線からの世界情勢、っていい設定でした。
ノータリンの私が見ても無理がない構成(笑)。
よく、急にシーンが変わっちゃう作品って多いでしょ?
「これくらい当たり前だから」的な。
この作品は全て説明している訳では無いのですが、
「なんで?」って素朴な疑問の部分をちゃんと使ってくれている。
それぞれのシーンが納得して次を見れる感じでしたね~。
教えてくれるのがヒゲでもね~(笑)

序盤に召使が共産主義を忌み嫌い、主人公にブツブツ言い始めるシーンで、
主人公はタイトルコールをするんですが、
その言い方が
「じゃ、何?これってフィデルが悪いってワケ~?」みたいな雰囲気で、
ギャルを連想しました。(笑)

そんな主人公は始終ふくれっ面。
こんなご機嫌ななめの主人公は『ロッタちゃん』シリーズ以来。
いい大人はそれを”かわいい”とか、”キュート”とか言うんだよな~。
私はぜ~んぜん(笑)ひねくれ者で~す。
でも初主演とは思えない堂々たる態度は、
さすが約5000人の中から選ばれただけはある。

色々な批評を読んだが、皆やけに肩に力入ってる感じ。
監督のインタビュー記事を読んで気持ちが和らいだ。
監督曰く、大人たちの思考・行動は子供に影響を与える。
70年代は政治・思想的な信条、
現代は失業や離婚など外的要素。
ラストシーンを初めのシーンと比べると、かなり違う背景になった。
幼い主人公の心の変わり様を描写したのか?
いい大人になっていい環境を作る努力をしたいよね。

失敗してもいい、
ワンパクに育て!!