HAZAMAN'S WORLD WEBLOG

自分が描く絵のことや、日々の暮らしの中でふと気付いたことなど・・・・

会場風景続きです

2006年11月14日 | Weblog
今回の展覧会は『ふわふわ島の宝探し』という題名でした。

けれど、作品のどこを見ても宝物なんて出てこないし、登場人物達だって、作品の中では宝物を探すような素振りさへ見せていません。では、なぜ宝探しなのでしょうか。

一般的に宝物というと、何か黄金や宝石のような、具体的に所有できるものを想像すると思います。けれど、アーティストとしてのぼくは、宝物とはそのような具体的なものではなく、共同制作者である友人と、ぼくとの間で繰り広がられるイメージのやり取りの彼方に生まれる、ぼく達の作品から発せられるイメージの広がりや深さに他ならないのではないかと思っています。

ところで、いつの時代だってそう感じられるのかもしれませんが、とかく生きにくい時代、世の中にぼく達は生きているのではないかと常々感じています。いつ終わるとも知れない戦争や、自殺や殺人。どの世界宗教も、人生は苦しみと悲しみに満ちていると述べているそうですが、現代人の人生も例外ではないようです。

けれど、そんな世の中や毎日にあっても、アートに出会うことで、会社でも学校でもひょっとすると家庭でも出会えなかったような何かに出会えるのではないか。そんな風に期待しています。

そしてもし何かに出会えたとき、自分が血にまみれていても、たとえ何があろうと明日もう一日生きてみよう、笑顔でそんな風に思える瞬間があるとすれば、その経験こそが真の宝物ではないか、そんな風に思うのです。

そして、たった一人かもしれないけれど誰かがそんな経験をできるかもしれない、そのために自分の仕事がわずかでも役立てるかもしれない、そう信じて作り続け、制作に自分の人生を捧げる存在であること。それがアーティストだと考えています。