なぜフィンランドの学力が高いのか

　フィンランドと比べて日本の学力の方が低いとかそんなOECDの結果を気にしている人がいるが、フィンランドがどんな国なのかあまり考えたことはないのだと思われる。統計データ上見える程度にフィンランドの学力が高いとなるとどういうことなのか私なりにも考えてみたのだが、学力の制約条件は日照時間と気候だと感じた。冬は9:00-15:00ぐらいまでしか日が登らず、逆に夏場は4:00-22:00ぐらいまで日が昇っている。また、一年で人間がセーター程度で歩ける暖かい期間は5-9月の5ヶ月程度である。教育もフレックスタイムで選択制のものが多く、日本のゆとり教育よりもゆとりが多い。学校で部活動に参加するかしないかは強制されることはほとんどなく、激しいスポーツを屋外で長い期間練習できる環境にはそもそもないので文化系の部活が盛んである。この条件の下で生きている人たちの生活を日本人と同じに考えたら絶対に正しくないと考えられる。
　日本で学力向上を行うのだったら、フィンランドに習って部活動における練習時間の短縮や練習メニューの整理・縮小、強制的な加入をしないなどの工夫が良いのではないかと考えている。スポーツというのはそもそも遊戯であり、健康の増進も兼ねて行っているのであって、勉強や仕事の時間を削って、体力を消耗して健康を損なうほどスポーツをやって良いような部活が将来の仕事になる人間というのはわずかである。長野県では朝練が禁止されたというがゆとり教育を止めるならばそれで良いように思われる。必要以上に部活をするなどゆとりでさえない無駄以外の何者でもない。