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春庭パンセソバージュ

野生の思考パンセソバージュが春の庭で満開です。

ニーハオ春庭「猿脳」

2009-05-07 | インポート
2009/05/07
ニーハオ春庭>中国食材事情(5)猿脳

投稿者:w******* 2009-05-05 20:30
蚊の目玉はともかく、猿の目玉でも出てきたらどうします?
スープの中からジッと睨む目を食べられますか?

 という、コメントをいただきました。中国ではむろん、スープの中から見つめる猿の目玉をにらみ返しつつ、おいしくスープをすするのです。私はたぶん、にらめっこに負けてしまうだろうけれど、猿の目玉ごときに負けていては、中国食生活はまっとうできません。本日は、猿の頭の料理について。

 「食は広州にあり」とも言われ、広州の「何でも食べる」は、中国でも有名。猿の脳みそ料理も、広州料理では「高級食材」として知られています。猿脳は、中国南方、ベトナム、台湾では、薬膳食材です。
 19世紀に、清の張海漚 (チャンハイオウZhang Hai Ou) によって著された『曼陀羅軒閒話』には、中国中の様々な地域の漢方薬や食材について記されています。16世紀に中国全土を旅した将軍によって記述されたものを転記した記述のなかに、将軍が出席した祝宴で生きた猿脳が供される描写があるんですって。(漢文を直接読んだわけじゃありませんので、あくまで伝聞)

 この話は後代に伝わり、だれもそれを食べたことも食べるところを見たこともないのに、「生きた猿の脳味噌料理」として有名になっているのです。
 「生きた猿をテーブルの下にくくりつける。穴をあけたテーブルから頭だけが出ている。頭蓋骨を割って、新鮮な脳に酒を混ぜて食べる」という食べ方が、「だれも見たことないのに、ほんとうのこととして信じられている」話のひとつになっています。

 う~ん、信じがたいが。机以外の四つ足、何でも食べるのですから、ほんとうなのかもしれません。私にはウェ~と感じられる食べ方ですが、「日本では、馬の肉を生で食べる」と言うと、「ウェ~」と、気味悪がられるので、どっちもどっちです。

 私が牛の脳みそ料理を食べたのは、遙か昔、30年前のケニア東海岸でのことでした。モンバサという海岸の町へ遊びにいき、イスラム料理の店に行って注文しました。いとこのミチコや夫もいっしょにいたのですが、同じ料理を注文したのだったと思います。豆腐のようなフワフワした食感で、おいしく食べました。現代ではメニューにあっても、牛の脳はBSEを警戒するから、猿脳よりも食べるには勇気がいるかも。

 牛脳は食べられましたが、マサイ族の家に行ったとき、牛の血に薬草を入れてかき混ぜたものを「体にいいから」とすすめられたときは、「仏教徒だから、血は飲めない。これは宗教上の理由なので、しかたがない」とか言って、断ってしまいました。エセ仏教徒、どんな肉でも食べているのに、生血だけはだめでした。薬草をまぜて、風味よくしてあるというのですが、、、。もう一度マサイ族の家にいくチャンスがあったら、今度こそ。

 今回の中国滞在で、同僚に高級料理店でおごってもらい、豚の血の煮凝りを食べました。やみつきになるというほどではなかったけれど、おいしかった。ヨーロッパでも血を腸詰めにしたおいしいソーセージが何種類もあります。
 食材、火を通してあればとりあえず何でも食べられる。

 アジアのある地方では、特大サイズのゴキブリ(の一種だろうと思う)を唐揚げにして、ぱりぱりとスナック菓子のようにおつまみにするというし、何をどう食べるのか、ということは、その地域の食文化なので、私としては、地元で食べられている食材は何でも食べてみたいとは思っています。

 さて、16世紀の中国将軍が賞味したという「猿の脳」を供されたら、、、、、、
 う~ん、やっぱり「仏教徒なので、これはちょっと、、、」とか言うかもしれません。「ノウ・サンキュウ」
 エヘヘ、今回のシリーズのオチは基本的オヤジギャグ。

<おわり>

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