春庭パンセソバージュ

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ぽかぽか春庭のへぇへぇ平成(へぇなる)言語文化教育研究・クリスマスカラー、正月色①

2004-01-22 | インポート
ぽかぽか春庭のへぇへぇ平成(へぇなる)言語文化教育研究
「平成好色一代女・クリスマスカラー、正月色①」
(2004/01/22)

 新年快楽(シンニェン クヮイラー)!!
 中国・韓国など、旧暦で新年を祝う習慣の国にとって、今年は新暦の1月22日が正月元旦。

中国では危険という理由で、爆竹を盛大にならすことが禁止されている市町が多いそうだ。しかし、バンバンという派手な爆竹の音こそ、お祝い気分を盛り上げると、思っている人々も多い。その人たちにとっては無念な爆竹禁止令である。

 お祝い気分を盛り上げるための音と色彩は、国により文化によりさまざまだ。
 おおみそか、除夜の鐘のゴーンという響き。行く年への思いをこめて鐘の音に聞き入った人も多いだろう。
 日本では除夜の鐘は「仏法でいう108の煩悩をしずめるため108回ならす」というので、仏教のお寺はどこもいっしょかと思っていたら、韓国のお寺では除夜の鐘は33回ならすのだという。

 クリスマスカラーというと、何色を思い浮かべるだろうか。常磐樹のみどり色。クリスマスツリーに飾る星の金色銀色。同じくツリーにつるされるリンゴ型の赤。コカコーラ社の新聞広告がそのはじまりだという、サンタクロースの衣裳も赤。
 クリスマスカラーというと、「赤、みどり、金銀」でおおかたの意見が一致するらしい。

 ニュースでは「クリスマスがすぎれば、松飾りも門前に飾られ町はいっせいに正月色に変わりました」「二十日正月も終わり、これですっかり町からは正月色も一掃され人々は日常の生活に戻っています」などと報道される。
 ここでいう「正月色」とは、「正月らしい雰囲気、ようす」を指し、正月の色・カラーそのものを言っているのではない。

 では、正月の「色」は何色だろうか。日本の正月を「カラー」で言い表すなら、何色がイメージされるだろうか。

 「初日の出の赤」「初詣、神社の注連縄の白い御幣」「松飾りのみどり」「振り袖の娘達の華やかな色すべて」など、人々が正月をイメージする色もさまざまであるだろう。

 正月らしさを演出する人々の晴れ着。「晴れ着」の「晴れ」とは、「晴れのち雨」という天気の晴れではない。
 日常をあらわす「け」に対する非日常、特別な日という「はれ」である。

 「はれ」と「け」は、生活を二分する大切な意味をもち、「け」の日の食べ物と「はれ」の日の食べ物と、「け」の日に着る服と「はれ」の日の服は、はっきり区別され、はれの日は特別なごちそうを食べ、特別な「晴れ着」を着た。

 現在もお正月の「はれの食べ物」は、おせち料理として残っているが、お正月に「晴れ着」を着る、という人はすくなくなってしまった。 初詣にいくとき、いつもとちがう特別な「晴れ着」を着てでかけただろうか?

 なにか特別なお祝い事「今日は、はれの卒業式」とか、「はれの叙勲祝い」などという時には「晴れ着」を着るが、お正月には特別な晴れ着を着てすごさない、という人も多くなった。

 正月の装束。紫式部日記に描き出された「実録・平安朝の正月の衣裳」を紹介しよう。
 新年正月、前年に若宮が誕生してめでたさも倍増の中宮彰子に出仕する装束である。華やかな「日本の色」オンパレードだ。

 朔日「紅に葡萄染を重ねた重袿、唐衣(からぎぬ)は赤いろ、色摺りの裳(も)をつける」
 二日「紅梅の織物。掻練(かいねり)(袿=うちぎ)は濃き(紫または紅)、唐衣は青いろ」
 三日「唐綾の桜がさね、唐衣は蘇芳(すおう)の織物。」濃い紫または紅の色の掻練を着る日は、紅を中に、紅色の掻練りを着る日は、中側を濃い紫または紅にする」
 「萌黄(もえぎ)、蘇芳、山吹の濃い色薄い色、紅梅、薄色(うすい紫味の赤)」など、いつもの色目をとりどりに六種重ねて、そのうえに表着を重ねる。

 十二単(じゅうにひとえ)というけれど、実際には二十枚くらいの衣裳を重ね着し、どっしりした絹織物の重さは10キロ以上。立ち居振るまいもままならず、お姫様は終日じっとすわっている存在だった。

 上記、紫式部が描写した衣裳のなかに「朔日には色摺りの裳をつけた」とある「裳」は正装時に成人女性がつけた、袴の後ろ側だけに身につけるいわば、「逆エプロン」
 平安時代の女性は、成人したしるしとして「裳」をつけた。<続く>

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