あまの鍼灸院ブログ

鍼灸院での毎日の様子をアップしています。
鍼灸院ってどんなところ?と知っていただけたらうれしいです。

言霊と陰陽 その1

2022-04-17 20:58:00 | うんちく・小ネタ
こんにちは。今日はあいにくの雨☔️
昨日、家内が実家に帰省した際に偶然見られた虹🌈をトップ画像にしました😊
毎週、日曜日は院長の自伝を書かせていただいています。

言霊と言うとなんだか怪しさを感じるのは私だけであろうか? 以前私が失明
宣告を受けたときに新興宗教の教祖様が電話で「気」を送って治すと言うのを信
じなかったと書いた。実は今、私がそれに似たようなことを行っている。
ただしそれは東洋医学に興味を持っている患者さんの治療を行っている時に限る。
少し付け加えると東洋医学と言うよりも東洋哲学、東洋思想、あるいは自然哲学に興味
を持っている患者さんと言うのが正しいであろう。
その時はことさら大きな声で説明する。他のベットに寝ている患者さんに聞かせ
る為だ。特に病院で自律神経失調症と言われ精神不安定な患者さんは本人に直接
話を行ってもなかなか素直には受け止めない。しかし、他の患者さんに言ってい
ることであれば少し余裕を持って聞いていただけるのだ。
「あのね、精神って一言で言うでしょ。東洋医学では、精は腎に蔵され、神は心
が蔵しているんだよ」。更にね、腎は水を主り、心は火が主っているのです」。
「そしてね、東洋医学では病気を大きく陰と陽に別けて、腎・水は陰性で冷えや
すく、心・火は陽性で熱っしやすいんです。」
この辺まで話すと、他のベットの患者さんも静かに聞いている。
更に続ける。精神って一言で言うけどね、健康な時には、精は下腹、皆さんも良
く知っている「丹田」に納まっているんです。
そして、心に納まっていなければならない神が不安定なときは腎・水が助けに行きバランスを取っているのです」
「判ったでしょ。火が燃えすぎた時は水で火の燃え上がるのを調節して、精神のバランスを整えているんです。」
つまり、精神の精は下焦(下腹部の丹田)に納まり、腎に蔵されて水の性格を持つ。
神は、上焦(胸部)に納まり心に蔵され火の性格を持っていますので、双方のバランスを整える鍼を行うことで精神は安定するのです。
更に続ける。「私が脈を診て最初に鍼を行うのは必ず手足でしょ。」
「ここはね。五臓六腑の病を治す出張所なんですよ。」
「これを脉診流・経絡治療では本治法といいます。根本治療ですね。」
「例えばね。樹木に水を与えずに枯れたり、水を与えすぎて腐ったりしたら枝葉も枯れるでしょ。」
脉診流・経絡治療はここを一番大切にしているのです。
残念なことに鍼灸治療の多くが、明治維新による漢方撲滅運動と第二次世界大戦による敗戦時の
GHQのマッカーサーによる鍼灸医学廃絶運動という二度にわたる暴挙により、
西洋医学に基づく鍼灸を科学的だと称して東洋医学理論に基づく鍼灸を廃絶しようとしたために
真の東洋医学を行う鍼灸院がほとんど無いのが現状です。
これには鍼灸の国家試験のあり方にも言及しなければなりませんが、ここでは省略します。

次週に続く

コメント
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