よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

環境保護を考える-奈良県上北山村:大台ヶ原山

2018年11月22日 | 奈良(奈良市以外)
Mt.Ohdaigahara, Kami-Kitayama Village, Nara Pref.

さてさて、奈良県上北山村の大台ヶ原山にやって来たワタクシ達は、
日出ヶ岳を後にして大台ヶ原山の周回コースを歩いて行こうとしていました。
ワタクシ達は午前6時30分を過ぎた頃に正木峠に向かって歩いていました


よっちん氏も五十路というよりも、今では「アラ還」というのでしょうか。
あと3年で60台という節目に近づいております。こうして我の姿を見ると「歳とったなぁ」と愕然とします


さらに愕然としたのは、稜線の紅葉が全然ダメなんですよ。やはり9月4日の台風21号で、大台ヶ原山も大きな被害を受け、
かなりの倒木がありましたし、木々の葉が吹き飛ばされたりしたようですね。ああ、悲しいばかりです


展望台がある日出ヶ岳山頂を振り返ってみました。本来ですと山の斜面がもっと紅葉に彩られているはずなんですよねぇ


正木峠にやって来ました。なんとも荒涼としたというか、立ち枯れの木々が立ち並ぶ姿に寂寞感を感じます


大台ケ原というのは日本でも一番雨の多い地域です。豊かな雨と温暖な気候は、この山に鬱蒼たる森林を作っていたんですよ。
特にこの正木峠の周辺は苔で覆われたトウヒの原生林が広がっていたそうです。
トウヒはマツ科の針葉樹で、信州などではよく目にする樹木ですが、ここ大台ヶ原山が分布の南限だと言われています


しかし、1959年の伊勢湾台風によって多くの樹木が倒れ、林床に陽が射すようになりました。
その後、次第に土壌が乾き始めてまず苔が衰退していきました。その上、1961年にはドライブウェイが開通し、多くの人が訪れ、
林床の踏み荒らしも起こりました。さらに最近では、トウヒなどの樹皮がシカに食べられるようになり、
幹の皮を環状にぐるりとはがされた木々は次々と枯死していってしまい、写真のような光景になったんですよ


一度失った自然環境を、元に戻すというのは途方もない労力が必要だと思います。
今、大台ヶ原山をかつてのような豊かな森林に戻そうとする努力が行われていますが、
それはとてもじゃ無いですが一朝一夕に出来ることではないかと思います


しかし、高度経済成長期にはそんなことすら行政は気にしていなかったことでしょう。
今、かつての緑豊かな大台ヶ原山を復活させようという取り組みをワタクシは応援したいですし、
そのような試みが日本各地で行われていくことを望んでいます

PS.この日のワタクシ達が歩いたルートはここで見ることが出来るので、参考にしてください。
https://yamap.co.jp/activity/2595359

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


高度経済成長期に、どれだけの豊かな視線が破壊され、どれだけの伝統的な文化が破壊されたことでしょう。
私の世代は「経済成長=全てが正しい」という価値観の中で育ってきましたが、
それが大きな間違いであることをオイルショックなどで身をもって教えられました。
これからの我が国が経済大国になってほしいとは思いません。ただ、精神的に豊かな国になってほしいです。



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