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よっちんのフォト日記

旅先や日常で感じたことを
写真と文章で綴ってみたい。
そう思ってブログを始めてみました。

山あいの棚田-大分県日田市:池ノ鶴

2018年10月10日 | 大分
Ikenotsuru, Oita City, Oita Pref.

さてさて、大分県日田市の山あいにある「小鹿田焼の里」を訪ねたワタクシですが、
小鹿田焼の窯元がある皿山の集落から、さらに狭い山道を進んでいくと池ノ鶴という小さな集落がありました


ワタクシ、皿山までは何度か足を運んでいるのですが、池ノ鶴に行くのは今回が初めてです。
「こんな道の先に集落があるの?」と思うような狭い山道を進んでいくと、山あいに小さな小さな集落がありました


わずか4軒の民家からなる小さな集落である池ノ鶴は、急峻な斜面に集落が開けていました


ワタクシが訪れた8月14日は、夏の強い日差しを浴びて、稲が成長している時期でした。
今頃は収穫が終わり、天日干しされている頃でしょうか


この石積みの棚田が実に美しいんですよ。先人が急斜面に棚田を切り拓き、棚田が崩れないように石を積み上げたのですね。
どれだけの苦労の結果、この棚田が作られたのだろうか…そんなことを思いました


小鹿田焼の窯元が集まる皿山と、ここ池ノ鶴は地域の資源を活かし、窯業や農業といった当時の生活や生業のありかたが
昔から変わることなく残っている貴重な文化的景観として、「小鹿田焼の里」という名前で重要文化的景観に
指定されています。重要文化的景観は全国で61ヶ所しかありませんので、貴重な財産だなぁと感じます


ちなみに、ワタクシがこのブログで取り上げてきた地域で重要文化的景観に選定されている地域としては
熊本県:阿蘇北外輪山中央部の草原景観
熊本県:天草市﨑津・今富の文化的景観
長崎県:平戸島の文化的景観
愛媛県:遊子水荷浦の段畑
京都府:京都岡崎の文化的景観
京都府:宇治の文化的景観
滋賀県:高島市針江・霜降の水辺景観
滋賀県:近江八幡の水郷
などが重要文化的景観に選定されていました。恥ずかしながら、今まで知りませんでした


言うまでもなく、手つかずの自然というのは美しく、心惹かれます。しかし、我が国の風景の素晴らしさの一つは、
自然と人の共存、共生する姿ではないかと思うことがあります。里山などはその代表でしょうね


池ノ鶴…初めて訪ねたのですが、季節を変えてまた訪ねたいと思いました。
願わくば、田植えが終わった6月上旬くらいに訪ねてみたいですね

使用したカメラ:3、6枚目はFUJIFILM X-T1、他はFUJIFILM X-Pro2


池ノ鶴にはわずか4軒の民家しかありません。もちろん、高齢化が進んでいることでしょう。
もう「限界集落」と呼んでもおかしくない状態ですので、いつまでこの集落が維持出来るのかわかりません。
そんな集落が日本各地に一体どれだけあるのでしょうね。



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コメント (41)

小鹿田焼の里-大分県日田市:皿山

2018年10月09日 | 大分
Sarayama, Hita City, Oita Pref.

さてさて、ワタクシは小鹿田焼(おんた)の産地である大分県日田市の皿山という
山あいに佇む小さなか集落を訪ねていました


皿山には現在10軒の窯元があるのですが、小鹿田焼は代々長子相続で弟子を取りませんでした。
ですので、古くからの技法がよく保存されており、そのために重要無形文化財に指定されています


2017年7月の九州北部豪雨により、44基ある唐臼の6割以上が稼働不能となり、原材料となる松も入手困難、
陶土は前年の熊本地震による被害からの復旧工事が始まる直前にがけ崩れを起こして採掘不能、
保存していた陶土の多くも流出するという壊滅的な被害を受けました。
でも、復旧工事が進み、集落の中は豪雨の被害を感じる場面はほとんどありませんでした


小鹿田焼は飛び鉋、刷毛目、櫛描きなどの道具を用いて刻まれた幾何学的紋様が特徴です。
我が家でも小鹿田焼の皿、マグカップなどを愛用しており、すごく気に入っています


この日は日差しが強く、空気も乾燥していたからでしょうか。素焼き前の器があちこちで天日干しされていました


小鹿田焼は前述したように10軒しか窯元がありませんから、生産量もさほど多くありません。
そのため、流通量が少なく特に東日本の方にはほとんど流通していないでしょうから、小鹿田焼を知らない人も多いでしょうね


若い頃は食器だとか茶碗だとか、特に気にすることもなく使っていました。
でも、歳を重ねるに連れて、色合いや形など好みの食器や茶碗を使いたいと思うようになりました


気がつけば小鹿田焼、丹波立杭焼、信楽焼など、出向いた先で気に入った器を買うようになりました。
高価な物は一つもありませんが、気に入った器に料理が並ぶと、一層美味しく感じるように思います


ではでは、皿山を後にして次の目的地に向かうとしましょうかねぇ

使用したカメラ:FUJIFILM X-Pro2


この日(8月14日)も猛暑でした。大分に帰省してから、もうすぐで2ヶ月になりますが、すっかり涼しくなりました。
あらためて季節の移ろいというのは、早いものだなぁと思います。
今年ももう残り三ヶ月を切りましたね。せめて一年の最後は、いい締めくくりであってほしいです。



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コメント (38)

山あいに響く唐臼の音-大分県日田市:皿山

2018年10月08日 | 大分
Sarayama, Hita City, Oita Pref.

さてさて、この日(8月14日)は里帰り最後の一日です。夕方には福岡県の門司からフェリーに乗るので、
昼過ぎには実家を出発しなければなりません。そうなれば昼頃まではのんびりしていてもいいのですが、
ワタクシは九州最終日を少しでも有効に活用したいと思い、早朝に家人の実家を出発しました


ワタクシが向かったのは大分県日田市でも、山あいにある皿山という小さな集落です。
ここは小鹿田焼(おんた)という陶器の生産地で、ワタクシはこの集落の佇まいが大好きなんですよ


ここ皿山地区と、さらに奥まった場所にある池ノ鶴地区は、2008年に「小鹿田焼の里」として国の重要文化的景観に選定されました。
文化的景観とは,次のように定義されています。「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で
我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」と


2018年現在、重要文化的景観に選ばれているのは全国で61カ所にすぎません。
それだけここ皿山の景観というのは、人々の生活や風土に深く結びついた地域特有の景観が残っていると評価されたのでしょうね


ワタクシは陶器を生産する町というのが好きで、関西だと滋賀県の信楽(信楽焼)、兵庫県の篠山市今田(丹波立杭焼)など、
陶器の里をよく訪ねるのですが、ここ皿山は本当に素朴で、昔ながらの風景がたまらなく素敵なんです


そして、ここ皿山の集落を歩いていると「ギギギギギー」「ガッタン」という独特な音が聞こえてくるんですよ


皿山では陶器の原料となる原土を粉砕する為の唐臼が川沿いに造られ、原土は20日~30日ほどかけて粒子状になります。
“ししおどし”のように、溜まった水が落ちる反動を利用して陶土を突くというのも先人の工夫ですね


この唐臼の音は「残したい日本の音風景100選(1996年認定)」にも選ばれているんです


ではでは、大好きな皿山の集落をもう少し歩いて行くとしましょうか

使用したカメラ:2、4枚目はFUJIFILM X-T1、他はFUJIFILM X-Pro2


ここ皿山地区に向かう県道も、昨年7月の豪雨で大きな被害を受け、長らく道路は通行できませんでした。
今回、皿山に向かう途中で大規模な土砂崩れの跡があり、今も復旧作業が続けられていました。
これだけ災害が多発する中、行政はもっと防災に対して人的、経済的な投資をすべきじゃないですかねぇ。



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駅で過ごす時間-大分県玖珠町:豊後森駅

2018年10月07日 | 大分
Bumgo-Mori Station, Kusu Town, Oita Pref.

さてさて、ワタクシは大分県玖珠町の豊後森機関庫で蒸気機関車全盛期の雰囲気を感じていましたが、
そろそろ日田に帰ろうと、豊後森駅に向かうことにしました


踏切から豊後森駅を眺めました。2つのプラットホームが跨線橋で結ばれた、実に駅らしい駅の姿です


駅舎は超豪華列車「ななつ星in九州」の運行開始に合わせて、改修されたそうです。
茶色の塗装はななつ星の車両の色に合わせたのでしょうね


待合室も落ち着いた雰囲気に改装されていました。まあ、ワタクシのような貧乏人は一生「ななつ星」のような豪華列車に
乗ることはないでしょうね。1泊2日の一番安いので18万円、2泊3日で一番豪華なのは125万円ですからねぇ。
「こんな列車に乗るやつおるんかいな」と思っていたのですが、これがすごい人気というから驚きです


駅のホームから機関庫が見えました。かつて機関庫にズラッと蒸気機関車が並んでいた風景は、壮観だったでしょうね


別府行きの「ゆふ3号」がやって来ました。静かな駅にディーゼルカー(気動車)独特のエンジン音が響きます


ワタクシが乗る列車まで、30分以上待たなくてはいけないのですが、イラチなワタクシなのに駅で列車を待つのは苦にならないんです。
これは子供の時からなのですが、駅でボーッと考え事をしたり、駅の構内を見て回ったり、駅の周辺を歩いたりしていると
1時間くらいはあっという間に過ぎるんですよ。ランチなどを食べに行って、店が混雑していると5分でも並ぶのが嫌なくせに
駅で列車を待つのなら、1時間くらいはなんとも思わないというのが我ながら不思議な気がします


豊後森駅は久大本線の主要駅の一つですが、1日平均乗車人員は400人程度です。おそらく利用するのは通学の高校生、
あとは車を運転しない高齢者が中心でしょうね。そう思っていたら、この列車から中国人観光客が降りてきました。
どこに行っても中国人観光客がいることには驚かなくなりましたが、一体彼らがどこに行くのかが不思議でした


ワタクシが乗る「ゆふ4号」がやって来ました。乗車すると車内はがら空きで、「ゆふいんの森」とは大違いでした


列車は日田駅に到着。この日も楽しいワンディトリップを楽しみました。この日の夜は家人、お義姉さん、甥っ子と居酒屋に行き
盛大に飲んで食べました。九州で過ごすのもあと一日となりました

使用したカメラ:9枚目はFUJIFILM X-Pro2、他はFUJIFILM X-T1


かつて駅は町の中心であり、多くの人が集まり、駅の周囲には多くのお店がありました。
今は駅が寂れ、一方で「道の駅」は大いに賑わっています。
そのうち「駅」というと鉄道の駅ではなく、道の駅を連想する若い人が増えるかも知れませんね。



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コメント (35)

遥かなる鉄路-大分県玖珠町:豊後森機関庫

2018年10月06日 | 大分
Bungo-Mori Round House, Kusu Town, Oita Pref.

さてさて、大分県玖珠町の森町を訪ねたワタクシは、JR久大本線の豊後森駅へと戻りました。
ワタクシ、豊後森駅には大きな楽しみがあったんですよ。というのは、豊後森駅のすぐ東側には
蒸気機関車全盛期の名残である豊後森機関庫があるんですよ


豊後森機関庫は昭和9年の久大線全線開通とともに完成しました。鉄筋コンクリート造で1,785㎡の面積を有し、
最盛時には蒸気機関車21台が所属する大規模な扇形機関庫でした


蒸気機関車には前後の区別があったため、方向転換のために大規模な扇形機関庫や転車台が必要でしたが、
ディーゼル機関車やディーゼルカーへの移行が進んだことにともない、昭和46年に廃止され、機関庫は放置されていました


平成13年に地元の有志によって保存委員会が結成され、登録有形文化財の登録を受けるべく活動が始まります。
その一環として行われた「一万人の署名運動」では、玖珠町の人口を上回る22,437人分の署名が集まり、
2012年に登録有形文化財に登録されたんです


平成18年3月には、玖珠町が旧機関庫と敷地をJR九州から買収。平成20年には、鉄道記念公園整備計画が始まり、
「豊後森機関庫公園」として整備が進められている最中なんです


機関庫には大正8年製の9600型蒸気機関車が保存されていました。涙が出そうなくらいに嬉しかったのは、
蒸気機関車が今すぐにでも運転出来そうなくらいに綺麗に整備されていたことです。
いろんな場所に蒸気機関車が保存されているのを見かけますが、塗装が剥げ落ちてしまい
錆びついたまま放置されているような蒸気機関車が多いのですが、ここはそうではありませんでした。
蒸気機関車への愛情、鉄道への思いというのをワタクシは感じることが出来ました


ワタクシが鉄道に興味を持ち始めた頃、世の中では「SLブーム」が起こっていました。
昭和50年に国鉄では蒸気機関車が全廃されることになり、鉄道ファンのみならず一般の方も消えゆく蒸気機関車への別れを惜しみ、
有名な撮影地にはカメラマンが殺到。蒸気機関車が運転する列車などは乗客が溢れかえりました


今では蒸気機関車が臨時列車や特別列車ではなく、通常運転しているのは静岡県の大井川鐵道だけで
蒸気機関車が運転している姿を見たことがないという人の方が多いでしょうね


豊後森機関庫…素晴らしい鉄道遺産として、これからも大切に保存され、多くの人にその価値を知られてほしいと願います。
ワタクシ、小学生の時の鉄道少年に戻ったような気持ちになりました

使用したカメラ:1、5、6、8枚目はFUJIFILM X-T1、他はFUJIFILM X-Pro2


初めて手にしたカメラは「リコーオートハーフ」というカメラでした。
鉄道好きな私に、祖父と祖母が誕生日にプレゼントしてくれました。
初めて撮影した被写体は関西本線を走るD51型蒸気機関車だったことも、ハッキリと覚えています。
現像した写真に写るD51が、悲しいくらいに小さな姿だったこともよく覚えています。



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