大阪バイオ研
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脳を覆うくも膜でつくられる催眠物質「プロスタグランジンD2(PGD2)」
が、自然な眠りを調節する「催眠ホルモン」として働いていることを、早石修・
大阪バイオサイエンス研究所理事長らのグループがラットの実験で確かめた。副作
用の少ない睡眠薬や居眠り防止薬の開発につながる成果で、京都市で開催中の「
国際生化学・分子生物学会議」で21日に発表した。
PGD2は脳脊髄液中に分泌される。早石さんらは82年、微量で強い催眠作用を
持つことをラットの実験で発見した。
今回は脳内での働きをさらに詳しく調べた。脳の視床下部近くにある、PGD2
の情報の受け皿となるたんぱく質(受容体)の働きを妨げる薬剤をラットの脳内に
注入した。すると、薬剤の量を増やすにつれてラットの自然な睡眠時間は約40分~
20分程度まで減少。PGD2が脳に働く量を減らすと、睡眠が抑制されることがわ
かった。
また、老化を防ぐなどとうたわれる栄養補助剤にも使われているセレンをマウス
に投与したところ、同様に睡眠時間が減少した。セレンはPGD2をつくる酵素の
働きを妨げる作用がある。 (2006.06.21 朝日夕刊)
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脳を覆うくも膜でつくられる催眠物質「プロスタグランジンD2(PGD2)」
が、自然な眠りを調節する「催眠ホルモン」として働いていることを、早石修・
大阪バイオサイエンス研究所理事長らのグループがラットの実験で確かめた。副作
用の少ない睡眠薬や居眠り防止薬の開発につながる成果で、京都市で開催中の「
国際生化学・分子生物学会議」で21日に発表した。
PGD2は脳脊髄液中に分泌される。早石さんらは82年、微量で強い催眠作用を
持つことをラットの実験で発見した。
今回は脳内での働きをさらに詳しく調べた。脳の視床下部近くにある、PGD2
の情報の受け皿となるたんぱく質(受容体)の働きを妨げる薬剤をラットの脳内に
注入した。すると、薬剤の量を増やすにつれてラットの自然な睡眠時間は約40分~
20分程度まで減少。PGD2が脳に働く量を減らすと、睡眠が抑制されることがわ
かった。
また、老化を防ぐなどとうたわれる栄養補助剤にも使われているセレンをマウス
に投与したところ、同様に睡眠時間が減少した。セレンはPGD2をつくる酵素の
働きを妨げる作用がある。 (2006.06.21 朝日夕刊)