QLD 4000

G'day from Queensland!
オーストラリアで静かに暮らしています。

枕草子~The Pillow Book 眠たいお話

2006-02-08 | --- 1.9 Others
枕草子も眠たいけど.......もっと眠たいのは自分のブログ......だったりします。

仕事を終え、会社を出たのが5時45分、200m先のバス停で5時58分のバスをまっていました。

バス停そばに立っていると、となりにカジュアルな格好ながら、さそりの形をしたリングにダイア(キュービック・ジルコニア?ではないと...)がちりばめられた指輪など、ところどころにお金のかかったものを身に着けた上品なおばさまが来ました。 バスの来る方向をみながら、そちらに気をとられていました。

[ピンクの君]
しばらくすると、バス停そばの横断歩道から服をピンク系で統一した豪州人女性(正確な国籍は不明ですが、豪州にいる白人女性、ということで豪州人、と...)が歩いてくるのが見えました。

私はずっとバスのくる方向をみていましたが、ふと左側をみると、その女性が私の横に立ってバスを待っていました。 エコバッグまでピンク! ピンク好きの女性と思って、またバスの来る方向を見ようとしたときでした。。。彼女の右手にPillow...... Seishoという文字がみえました。 Seishoん? 日本語?

[枕草子、訳してPillow Book.....そのまんま]
日本のものに常に恋焦がれている状態なので、ローマ字風の綴りはすぐにピンとくるのです.....次にPillowをみて、これはもう枕草子!と思い、さらに眼をこらしてみると、やっぱり。。「The Pillow Book of Seishonagon」というタイトルが見えました........あとからAmazonで確認してわかりましたが、ちょっと記憶違いがあり、正確には「Sei Shonagon」とSeiとShonagonは離して書いてあったのですね。

変色して黄ばみの進んだ、かなり古いPenguin Classicです。

[果たして.....面白い?]
日本語でも相当退屈な中身だったような記憶があるのですが、あんなのよく読むなあ...と、まず思いました。 わたしの場合「春はあけぼの....zzzz」ですね。 QUT(クイーンズランド工科大学)の方から来たともいえる方向でしたので、日本語関係?のかたなのでしょうか?

英語でよみやすくなっているとはいっても、中身は....日本語の場合は古典領域ゆえに意味がわかんなくって眠くなる、のに対し、英語の場合は、意味がわかって却って眠い?zzzz

[本の中身と、オリジナル文体が見れます]
米Amazonでペンギン・クラッシクの清少納言「枕草子」を見てみると 最初の数ページは中身もみれるようになっていて....?ペンギンクラシックではなくって、コロンビア大学出版の「枕草子」にリンクしているようです.....有名な冒頭部分「春は曙、やうやう白くなりゆく山際すこしあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる」、英語では In spring it is the dawn that is most beautiful! As the lightcreeps over the hills, their outlines are dyed a faint red and wisps of purplish cloud trail over them.で、「夏は夜」、「秋は夕暮れ」、「冬は雪の降りたるは」、それぞれ"In summer the nights", "In autumn the evenings", "In winter the early mornings"となっています。 こちらは翻訳物でまだ著作権がきれていませんから無断転載禁止、のまき、です。あっ、書いちゃった...いえ、これは抜粋です??

日本のアマゾンでも購入できるようです。

日本語のオリジナルは1002年作ということで、著作権はとうの昔に(わざわざいうのもおかしいほどに。。)切れてますから、WEB上で全部読めるかもしれません。 と探したら、書籍デジタル化委員会電子図書館にありました。テキストだけの割にはちょっと重いですが、一ページに全文(1929年にYuhodoから出版されたものをバージニア大学で電子化)掲載してあるようです。
*全文といっても、全話そろっている(写本系列により異なる)、という意味ではなく、Yuhodoから出版された枕草子を全編コピー、という意味です。

[ちなみに......]
著作権法第57条「著作者の死後五十年又は著作物の公表後五十年若しくは創作後五十年の期間の終期を計算するときは、著作者が死亡した日又は著作物が公表され若しくは創作された日のそれぞれ属する年の翌年から起算する」だそうです。

古語を目にするのは、日本史を専攻していた友達の古文書を見て以来なので、相当に久しぶりなことです。 でもこうして古語なるものを久しぶりに見てみると、記憶の中にあるよりも、親しみやすい感じがします。 単語をひきながらであれば、読めるような気がしてきました。 枕草子だからかな? これだと徒然草はす~いす~い、かな....単語がわかんなくても読み進める、という英文をよむうちに身につけた技法(!?)が役立つ!

[田辺聖子の源氏物語]
昨年12月田辺聖子の「私本・源氏物語」を読みました。 関西弁をしゃべる光源氏、とても面白かったのです。 田辺聖子は枕草子の現代語ものも著している、ようで、読んでみたいと思っていたのです。 (枕草子...つまらなそう、と書いている一方、田辺聖子の現代語ものなら.....できれば関西弁で....読んでみたい、とも)

自宅には昔UQの古本フェスタでみつけた源氏物語の英訳ものがあります。 一応買っては見ましたが、私がこれを死ぬまでに読む確率は、ゼロに近いかもしれません。

[読んでるの?]

ピンクの女性は私の斜め前の席に座りました。 はじめは、10分の1くらいの厚さのところを読んでいました、しばらくして見たときは、うしろから10分の一くらいの厚さのところ、次にみたときは、真ん中をみていました。 読んでいるのでしょうか? Pillow Bookということで、Bedtime story(就寝前に子供に読み聞かせたりするおとぎ話)などを期待して古本をみているのでしょうか? それとも、今日の授業で扱った部分を復習? 探している?

.....5時58分のバスにはたまにしか乗りませんので、今日バスでみかけた人のなかに顔見知りは一人しかいませんでした。 この女性ははじめてみたのですが、またあうことがあるでしょうか。 次にもっている本はなんでしょう。

最後に「枕草子」Wikipediaはこちら。 Amazonはこちらです。

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*このブログはずっと下書きのままでしたが、4月に公開しました。 このブログを書いたとき思いついたことがありました。 コンピュータの前に向かうこともできないくらい弱っていた父にファクシミリで私のブログを送って読んでもらおうかな、ということでした。  一回もかなわぬうちに父は逝ってしまいました。


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