母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

酒と器に夕暮れは

2017年08月30日 | 季節
晩夏の朝と夕べの
肌をかすめる涼風は遠来の旅人
芒の穂が伸びて風に揺れ
空を写す季節の画

備前の高坏には辛口の冷酒
語り合う火と土


津軽の香りは透き通る海の漬物
群青の器の上

黒ビロードのような高原の
大粒の豆は白い皿に

酒が季節をはこび
夕暮れは静かにいくつもの思い出を重ね
蜩の合唱が夕闇を呼ぶ


ことし訪れるのは あなたの
何十回目の秋ですか


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2 コメント

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はなさん、こんばんわ (たか)
2017-09-02 19:45:47
夏の終わりは何故、寂しいのでしょう
少しずつ少しずつ日が短くなるせい?
それとも夏の活気が失われるせい?
何か良く分りませんがやはり寂しいですね。

>ことし訪れるのは あなたの何十回目の秋ですか?
   う~ん、応えたら、もっと寂しくなってしまいます~。
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はつあき (はな)
2017-09-03 10:02:26
たかさんはまだまだ若いのです。
私などは炎暑から逃げられ、葡萄やきのこが出回る初秋はやれやれー。 
でも、夕暮れが早くなるのは困りますね。

年取ると諦め?か鈍感化か、感性の衰えはちとさびしい。

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