母はふるさとの風

今は忘れられた美しい日本の言葉の響き、リズミカルな抒情詩は味わえば結構楽しい。 
ここはささやかな、ポエムの部屋です。

2017年01月10日 | 季節
山麓を吹き下ろす風が頬を切るような青い空に

凧が揚がっていた日

新年の祝いに静まる村村

青空に高く上がっていた凧ー


青蛙が冬眠する崖の穴ぐら

蕗のとうが首をすぼめて躊躇う土手の下 

小さな青い麦の芽が真っすぐに

並ぶ田んぼを見下ろして

揚がっていた沢山の凧

坊主頭の少年が秋のバッタのようにたくさんいた日本の村


凧は今も上がる

少年たちの歓声も聞こえる

強い北風が吹けば

風の又三郎がいつもやってくる

富士川のはるか上流のあたり 目に沁む無限の青に